Dave DouglasによるJoni Mitchellへのオマージュ?
"Moving Portrait" Dave Douglas (DIW)
日米でこれほど評価,知名度に違いがある人は珍しいと言ってよいDave Douglasであるが,以前にも書いたが彼をフリー・ジャズにカテゴライズしている限り,日本で人気が沸騰することはあるまい。単に彼はフリーもできるというだけであり,本質的にはフリーの方が比率としては低いにもかかわらずである。そんな彼がまだデビューしてそれほど時間が経っていない時期に,DIWレーベルにワンホーン・アルバムを吹き込んでいるとは全く知らなかったが,中古盤屋でたまたま見つけて即ゲットである。これが予想以上によい。
このアルバムのライナーにはDave Douglas本人によるJoni Mitchellへのシンパシーが記述されており,事実ここでもMitchell作品が3曲("Roses Blue", "My Old Man", "The Same Situation"という渋いセレクション)演奏されているが,Mitchellと音楽性を同じくするという感じではない。むしろミュージシャンとしてのリスペクトに溢れた演奏と言う方が正しいだろう。いずれにしてもDouglasとJoniというのはあまり結びつかないわけだが,Dave Douglasのようなミュージシャンからも尊敬されるJoniというのはやはり凄い人なのだということがわかるような気がする。
演奏としては新主流派的な響きが支配的であり,ここでも全然フリーではないDouglasが聞ける。リズム・セクションとの相性もよく,これは私はかなり気に入ってしまったのだが,中でもピアノのBill Carrothersが主役のDouglasを食わんばかりの快演を展開しているのが素晴らしい。Herbie Hancockが好きな人なら,ここでのCarrothersは間違いなく気に入るだろう。総体的に見れば,もっと激しい展開もあってよかったようにも思うが,そもそもトランペットのワンホーンが好きな私は星★★★★☆を謹呈してしまうのである。Dave Douglas,コンベンショナルな路線でも若い頃からイケていたのだ。
今にして思えば,Douglasにこんなレコーディングの機会を与えたDIWレーベルは大したものだが,Douglasをフリー・ジャズにカテゴライズしているのがこのレーベルを運営するレコード・ショップだというのがどうにも解せない。一体何を考えているのやら。こういうこともできるのだと認識されれば,Douglasの日本における人気はもっともっと上がるはずなのになぁ。
Recorded on December 29 and 30, 1997
Personnel: Dave Douglas(tp), Bill Carrothers(p), James Genus(b), Billy Hart(ds)
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