Peter Erskineの欧州トリオの復活を祈願する
"Time Being" Peter Erskine(ECM)
私はこのPeter Erskineの欧州トリオが好きである。ECMのレーベル・カラーと合致した美しくもスリルにも溢れたこのピアノ・トリオを聞いているといつも嬉しくなってしまう。Erskineと言えばAlan Pasqua,Dave Carpenterとのアメリカン・トリオは活動継続中ながら,この欧州トリオは1999年の“Juni”を最後にアルバムの発表がないのはファンとしては誠に寂しい限りである。どちらのトリオが好みかは聞き手の趣味次第だが,私は両方好きながら,どちらかを取れと言われれば,間違いなくこちらの欧州トリオを取る。
このトリオの良さは三者のバランスということになるが,美的な旋律でもフリー的なアプローチでもこなせてしまうこのトリオは私としては現代を代表するトリオの一つに数えたいぐらいである。John TaylorはECMにもリーダー・アルバムがあるし,Palle DaneilsonはKeithの欧州クァルテットのメンバーであるから,ECMレーベルの音楽性と相性がいいのは当然だが,あまりECMっぽくないErskine(とは言っても,John AbercrombieやBass Desires等の参加作はあるが...)のリーダーシップのもと組成されたこのトリオの音楽が極めてECM的なのが実に面白い。
それでもって,なんでECM第2作から取り上げるのかというと,たまたま目に付いたのがこのアルバムだっただけで,他意はない。それでも私にとっては最終作“Juni”は???の部分もあったように記憶する(しばらく聞いていないのだ)が,本作を含めた最初の3作はどれを聞いてもよい(はずである,とこれも自信がない)。この作品でもこのトリオの美的センスと自由度の高い自発性という特徴はよく顕われていると思う。久々に聞いたが,やはりよいものはよい。このErskineのサトルなドラミングを聞いて,Weather ReportでのErskineの演奏と結びつけられる人はなかなかいるまいが,こうした多彩なドラミング技術を持つPeter Erskineは大したミュージシャンである。復活を祈念して星★★★★★。
Recorded in November 1993
Personnel: Peter Erskine(ds), John Taylor(p), Palle Daneilson(b)
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コメント
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またまた、My Favoriteを見つけたので、一言余計な想いを書き連ねたいと思います。
さて、この第2作め、小生も好きです。筆者のおっしゃるとおり、3作までは、ココロのスキマスポットにJust Fitして、くつろいだ音響空間(豪華なオーディオセットがなくても)を創出してくれています。
6曲目のLiten Vista Till Karinや3作めのTouch Her Soft Lips And Part(これも6曲目めです)なんか癒し効果バッグーーンです。
ただ、この欧州トリオ再結成はチョット無理だと思います。どこの記事で見たのか忘れましたが、Alan Pasqua,Dave Carpenterとのアメリカン・トリオの結成動機に、Peterは欧州トリオでの成果は認めつつも
気楽にプレイないことを言っていて、大陸をはさんだアプローチの違いを理由にアメリカン・トリオを立ち上げたことを言っていました。
ここは、再結成を祈りつつ、各メンバーの活躍に期待する事としたいのですが、いかがなものでしょうか?(ひょっとして、×××があったりして?)
投稿: dr.cyber.aquila | 2008年7月19日 (土) 10時46分
dr.cyber.aquilaさん,またまたコメントありがとうございます。
そうした裏事情は知りませんでした。でもアメリカン・トリオとどっちが好きかと言えば,やはりこちらなんですよねぇ。アメリカン・トリオ,音楽的センスのよさは認めますが,あまりのジャケのセンスのなさはなんとかして欲しいといつも感じています。
投稿: 中年音楽狂 | 2008年7月19日 (土) 11時17分