Patti Austinは大した歌手である
"Havana Candy" Patti Austin(CTI)
私がこのブログでKeiko Leeの"In Essence"を評したとき(記事はこちら)に,そのアルバムに収められた"That's Enough for Me"について『私はこの曲はLee Ritenourのインスト・バージョンで聞いていたが,このボーカル版はなかなかよい。オリジナルのPatti Austinのアルバム"Havana Candy"が聞きたくなってしまった』と書いた。それから随分と時間は経ってしまったが,今日はそのアルバムである。
アルバムを聞いていて笑ってしまうのがDave Grusinのアレンジの個性である。私が購入した日本盤には詳しい説明はないが,誰がどう聞いてもGrusinのリズム・アレンジ,ストリングス・セクションの響きである。そういう意味ではこのアルバムはCTIレーベルのものだが,CTIと少なくとも70年代のGRPは非常に共通項が多かったことになるのである。私はこのアルバムの伴奏を聞いていて,すかさずGRPのAngela Bofillを思い出してしまったが,それぐらい似ているというか,Grusinのアレンジ・パターンが強く出ている(昔は気づかなかったが,やっぱりパターンはあるのだ)。また,当時のスタジオ・ミュージシャンの演奏というのは今にして思えば個性に満ちている。誰が聞いてもRichard Teeだし,誰が聞いてもEric Galeあるいは誰が聞いてもMichael Breckerだ。
そうしたことを抜きにしてこのアルバムを捉えれば,タイトル・トラックは明らかな失敗曲である。Patti Austinの魅力はミディアム以下の曲で発揮されており,リズミックなタイトル・トラックや,アップ・テンポの曲はどうも具合が悪い。全体的には彼女にフィットしたトーンだと思うが,タイトル曲がいけてないのは印象が悪い。それでも彼女の歌のうまさはよくわかるし,何よりも"That's Enough for Me"は名曲である。この曲ゆえに星も甘くなり星★★★★。この1曲のために買っても,今の1,500円なら私はもとが取れると思う。
Recorded in August 1977
Personnel: Patti Austin(vo), Dave Grusin(p, key), Meichael Brecker(ts), Anthony Jackson(b), Ralph MacDonald(perc), Dave Valentin(fl), Hugh McCracken(g), Richard Tee(p, key), Steve Jordan(ds), Eric Gale(g), Will Lee(b)
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