驚きのOregonとオーケストラの共演盤
"Oregon in Moscow" Oregon(Intuition)
これはOregonがモスクワに乗り込み,現地のオーケストラと共演したアルバムであるが,何に驚かされるって,かなり精緻なオーケストレーションが施されているということである。そのオーケストレーションは「作曲者」によるものとクレジットにあるから,Towner,McCandless,Mooreの三者によるものということになるが,こう言っては何だが,いろんな才能があるのねぇと思わざるをえない。
私はRalph Townerのファンではあるが,Oregonの熱心なリスナーとは言えないので,このアルバムのライナーで初めて知ったのだが,実はOregonはオーケストラとの共演歴は結構あるらしく,もともとは彼らがPaul Winter Consortのメンバーだった頃に遡るらしい。ここに収められているTownerの名曲"Icarus"もPaul Winter時代のオーケストレーションを踏襲したものらしいのである。
その中で,一部の曲は意図的にOregonだけで演奏されているが,Towner曰く,それらの曲は曲そのものがオーケストラ・フレイバーを持っているからだとのことである。なるほど。
いずれにしても,このアルバムをどういう層のオーディエンスが聞いているのかというのは非常に興味深いところがあるのだが,Towner好きの私にとっては彼のギターやピアノとオケが共演しているだけでも興味深いところに,上述のようにこれだけしっかりしたオーケストレーションを聞かされれば,「へぇ~」と唸らざるをえないのである。Townerのギターの技が前面に打ち出される訳ではないのだが,あまりに気持ちよくて,(いい意味で)心地よい眠りに誘ってくれること請け合いの2枚組である。
ちなみに,このアルバムのプロデューサーはPat Metheny GroupのSteve Rodbyであるが,よくもまぁこんなにお金の掛かりそうなプロジェクトをうまく仕上げたものである。Oregonファンは選曲からして嬉しかろうが,クラシック音楽ファンも納得するオーケストレーションと言ってはほめ過ぎだろうか。Oregonというバンド,なかなか奥が深い。ということでいつものことだが,やっぱり私はRalph Townerには甘いのである。星★★★★★。
Recorded in June, 1999 in Moscow
Personnel: Ralph Towner(g, p, synth), Paul McCandless(oboe, eng-horn, ss, b-cl), Glen Moore(b), Mark Walker(ds, perc), with Tchaikovsky Symphony Orchestra of Moscow conducted by George Garanian
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