スリリングなKurt Rosenwinkelのライブ
"The Remedy: Live at the Village Vanguard" Kurt Rosenwinkle Group(ArtistShare)
このアルバムは以前から結構気になっていたアルバムなのだが,ようやく購入である。随分と時間が掛かってしまったが,一応新譜扱いとさせて頂く。
2006年の1月に名門Village Vanguardで録音されたこのアルバムは,おそらくはRosenwinkelのレギュラー・バンドによる演奏を収めたものであるが,これがなんともスリリングな演奏の連続で思わず嬉しくなってしまった。リーダーのRosenwinkelもよいが,それを煽るドラムスのEric Harlandがこれまたよい。バンド全体の演奏も熱く,当然のことながら,聴衆のレスポンスも相当なものである。もしライブでこの演奏を聞いていたら私も同じように反応をしていたものと思われる。
Rosenwinkelと言えば,Gary BurtonやPaul Motianとの共演を経て,Verveからリーダー作を発表してきたが,このアルバムがArtistShareから発売されたということはVerveとの契約が切れたということだろうか。確かに有能なミュージシャンであることは認識できるものの,強烈な個性のようなものを感じにくい人であったように思えるので,アルバムもどの程度売れたのかはわからない。私もBrad Mehldauが参加しているがゆえに"Deep Song"は保有しているし,Fresh Sound New Talentから出た"East Coast Love Affair"はAvishai Cohen,Jorge Rossyという濃い~メンツにつられて購入したが,今まで熱心なRosenwinkelのリスナーだったとは言えない。
しかし,このアルバムを聞いて,レギュラーでこんな演奏をしているのを知ると,もう少し注目してもいいかなとも思わせるミュージシャンである。残念なのは曲のクォリティが今一歩というところだろうが,演奏(アドリブ・パート)を聞いている限りはそういうことは気にならない。これで作曲能力が上がれば,この人には更なるブレイクが訪れるかもしれない。星★★★★。
Recorded Live at the Village Vanguard in January 2006
Personnel: Kurt Rosenwinkel(g), Mark Turner(ts), Aaron Goldberg(p), Joe Martin(b), Eric Harland(ds)
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» Kurt Rosenwinkel Group THE REMEDY [JAZZとAUDIOが出会うと...]
Kurt Rosenwinkelはdeep songあたりから注目をし始めたので、ちょいと遅れたファンになってしまうのですが、それでも最近はかなり注目しているギタリストになっています。
そのKurt Rosenwinkelのライブ盤ということで、これは買い逃す手はありません。
メンツは以下の通り、最近Kurt Rosenwinkelと言えばMark Turner、Mark Turnerと言えばKurt Rosenwinkelってな印象もありますかねぇ(笑)
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このアルバム、出てから1年以上経っていると思うのですが、最近になってカート・ロー [続きを読む]
TBありがとうございます。
"deep song"がなかなか良かったので、期待していたLIVE盤が出たので、迷わず買ってきたのですが、期待に違わない良さで(^^)でした。
逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2008年7月 5日 (土) 17時40分
創作活動の邪魔してすみません。
でも、このトラバ、コメント入れないとねぇ。。(爆)
ピットインとかに、カート来ないかなァ。。
度々、すみませんでした。
投稿: Suzuck | 2009年1月17日 (土) 12時00分
すずっくさん,TBありがとうございます。
確かに記事としての連関はよく読まないとわかりませんねぇ。でも全然問題ないっす。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年1月17日 (土) 12時12分
発売から1年半以上経って、ようやく入手しました。長時間、メンバーのスゴい演奏が楽しめますね。
というより彼のリーダー作に興味を持ちはじめたのが比較的最近だったので、これを聴いて、もっと早くから彼を追いかけておけばよかったのに、と反省しています。メルドー参加の’05年作(?)はなぜか持っていました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2009年10月 8日 (木) 10時02分
910さん,こんばんは。コメント,TBありがとうございます。
最近,このアルバムは聞いてないですが(どこにあるのか行方不明),記事に書いたとおりの感想だったと思っています。確かにいいメンツですね。再聴します。
こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年10月 9日 (金) 00時46分