Keith Jarrettソロを聴いた@東京芸術劇場
Keith Jarrettのソロ公演を東京芸術劇場で聴いた。第1部は2曲,第2部は3曲,そしてアンコールは3曲,休憩をはさんで約2時間の公演であった。私は最近のKeithのソロを聞いているとPeter Serkinが現代音楽作曲家の曲を弾いたアルバムのように感じてしまうぐらい,現代音楽的な響きが強い。世の中,現代音楽愛好家なんてのは数が限られているはずで,Keithだからこそこれだけ聴衆を集めつつも,こうした演奏をしても文句が出ないと考えざるをえない。もちろん,ピアノのテクニックは素晴らしいのはよくわかるのだが,多くの聴衆が求めているのはこうした世界ではなく,昔のKeithの美旋律の世界ではないかと思うのだが...。結構Peter Serkinを愛聴している私にとっては別にかまわないが,やはりこれは一般の聴衆にとっては敷居が高いし,決して聞いていて面白い音楽とは言い切れないはずである。こうした感覚の曲は1-1,2-1,2-2が相当する。
今回,驚かされたのは1-2で「ど」ブルースを弾いたことである。Keithのソロ公演に私は何度も足を運んでいるわけではないので,レコード,CDからしか判断できないが,これだけストレートなブルースをソロで弾くというのは珍しいのではないかと思わせる。
しかし,私にとってこれぞKeithの本質と思わせたのが2-3及びアンコール3曲である。特に2-3は超スローなテンポで,これぞまさしく"The Most Beautiful Sound Next to Silence"というECM音楽の鑑のような演奏である。アンコール前の最後の曲としては素晴らしすぎである。そこからアンコール1曲目はKeithらしいフォーク~ゴスペル・タッチの曲になり,残りの2曲はスタンダード(不勉強で曲名が思い出せなかったのだが,"I Loves You, Porgy"と"Blame It on My Youth"だったような気も...。いずれにしてもそんな感じである。違っていたらごめんなさい)である。この終盤4曲の流れは私にとってはたまらないものがあった。多くの聴衆にとっても,やはり現代音楽的な世界よりもこの流れの方が明らかに受けがよかったのは明らかである。
今後,Keithがどういう世界を向いてソロ・ピアノに対峙していくのかはわからないが,私は今回のような完全即興でなくKeithの弾くショスタコービッチの「24のプレリュードとフーガ」を生で聞いてみたいような気がしたと言ってはKeithに失礼か。
いずれにしても,私は最後の4曲で昇天寸前であったので,演奏には文句はないが,惜しむらくは私がかなりひどい膝痛で演奏に集中できなかったのがかえすがえすも残念。
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