まさに超絶のギター・トリオ
"Friday Night in San Francisco" Al Di Meola / John McLaughlin / Paco De Lucia (Columbia)
懐かしや超絶ギター・トリオの強烈なライブ盤である。ライブならではの三者の激しいテクニックの応酬が収められ,オーディエンスも異様な盛り上がりを示している。確かにこれを聞いて燃えないギタリストはいないだろうし,ギターを弾く,弾かないは関係なしにでも燃えるオーディエンスは多いだろう。
確かに冒頭から演奏そのものは十分に楽しめるし,「地中海の舞踏」にはやはり燃える。しかしである。フレーズをしつこく繰り返したり,このトリオとは全く場違いな"Pink Panther"を挿入したりして,若干悪乗りが過ぎる感は否定できない。もちろんライブということもあるから,目くじらを立てる必要はないのだろうが,本来の技の応酬だけで聴衆を魅了できるはずだけに,CDとして鑑賞音楽として聞く立場の私にとっては,こうした遊びの多さは気に入らない。ライブの会場にいたらこんなことは決して言わないとしても,やはり気に入らないのである。特に2曲目"Short Tales of the Black Forest"にその傾向が顕著。
それがLPで言えばB面に相当する曲になると途端に真っ当な技の応酬になるのは大変結構である。特にEgberto Gismonti作"Frevo Rasgado"なんてかなり凄い。Di Meola作の"Fatasia Suite"はDi Meolaがアルバム"Casino"の中で一人多重録音していたものをトリオで演奏したものだが,"Frevo Rasgado"のような一貫した高揚感がないのは曲のせいだろう。確かに最後のアンサンブルになると一気に加熱してくることは認めるとしても,やはりGismontiにはかなわない。そして最後はMcLaughlinのオリジナル"Guardian Angel"で幕を下ろすわけだが,この曲は作りが地味なだけにむしろ各者のテクニックの見せ所となるような気がする佳曲である。
ということで,全体を通して聞けば,やはりこれは相当に楽しめるアルバムではある。ちょっとシニカルな見方をしつつも,結局はこの3人に乗せられている単純な私である。星★★★★。
それにしてもよく指が動く人たちである。同じ人間とは思えない。へぼギタリストの負け惜しみである。またこの作品も発表から四半世紀以上である。時の流れとは恐ろしい。
Recorded Live at the Warfield Theater, SF on December 5, 1980
Personnel: Al Di Meola(g), John McLaughlin(g), Paco De Lucia(g)
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