"A Tribute to Nicolette Larson: Lotta Love Concert" Various Artists (Rhino)
数々のアルバムで楚々としたバックグラウンド・ヴォーカルを聞かせただけでなく,自作でも爽やかな声で多くのファンを獲得したNicolette Larsonが亡くなったのは1997年12月のことである。45歳というのはあまりに若いが,脳浮腫だったそうである。このアルバムはNicolleteの死後約3ヶ月後に開催されたトリビュート・コンサートの実況であるが,Nicoletteの友人たちが繰り広げる演奏を聞いていると,Nicoletteの人柄が偲ばれる。このコンサートでずっとドラムスを叩き続けた旦那のRuss Kunkelはどのような気持ちだっただろうか。
このライブには,それほど派手ではない(と言ってもオールスターだが)がアメリカン・ミュージック好きが見たら膝を乗り出すこと間違いなしのメンツが揃っている。各々のプレイヤーがNicoletteに対する思いを込めて歌っていると思うが,中でも私が特に感銘を受けるのがBonnie Raittが自身のギターとFreeboのベースだけでしっとりと歌い上げるLibby TitusとEric Kazの名曲"Love Has No Pride"である。コーラス隊がCrosby & Nashとあっては悪いはずがないが,これが誠に泣ける名唱である。
また,曲そのものが泣かせるJackson Browneの"The Dancer"やLinda Ronstadtが後半ではスペイン語で歌い上げるしっとりとした"Blue Bayou",更にはCS&Nのハーモニーがしみじみと決まる"In My Life"等に中年オヤジの涙腺は思わずゆるんでしまうのである。Dan Fogelbergのような賑々しい演奏もいい(と言ってもJoe Walshはやり過ぎのような...)が,やはりトリビュートにはしっとりとした曲というのが日本人のメンタリティには合うということである。
そして最後は"You've Got a Friend"だもんなぁ。ベタと言えばベタだが,Carol King~Bonnie Raitt~Linda Ronstadtと歌い継がれるだけでも参るところに,ここで聞かれる全員のコーラスを現場で聞いたら,私はきっと泣いていただろうと確信する。
さぁ皆さん,今一度このアルバムを聞いてNicolette Larsonを偲びましょう。それにしてもジャケを飾るNicoletteのポートレートの愛らしいこと。星★★★★。
Recorded Live at Santa Monica Civic Auditorium on February 21 & 22, 1998
Personnel: Jackson Browne(vo, g, p), Jimmy Buffet(vo, g), David Crosby(vo), Stephen Stills(vo, g), Graham Nash(vo, hca), Dan Fogelberg(vo, g), Emmylou Harris(vo, g), Carole King(vo, p), Little Feat (Paul Barrere(vo, g), Fred Tacket(g), John Cleary(key), Kenny Gradney(b), Richie Hayward(ds, vo), Sam Clayton(perc, vo)), Bonnie Raitt(vo, g), Linda Ronstadt(vo), Michael Ruff(vo, p), Joe Walsh(vo, g) with Waddy Wachtel(g), Steve Farris(g), Claig Doerge(key), John Gilutin(key), Leland Sklar(b), Russ Kunkel(ds), Lenny Castro(perc) with Mike Finnegan(key), Gerald Johnson(b), Joe Vitale(ds), Freebo(b), Rudy Guess(g), Rosemary Butler(vo), Valerie Carter(vo), Sherry Kondor(vo), Mary Kay Place(vo)
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