DeodatoのWarner時代の快作
"Love Island" Deodato (Warner Brothers)
Deodatoと言えば,今も昔も「ツァラトゥストラ」が代表曲になってしまって,キワモノ的扱いを受けてしまうのがこの人の不幸なところである。しかし,私は彼のライブ盤を昨年のベスト盤の1枚に推しているぐらいだから,本質的には私はDeodatoが好きなのである(苦笑)。本作は,1978年のDeodatoのWarner移籍第一作としてそのDeodato本人とTommy Lipumaの共同プロデュースにより制作された軽快なフュージョン・アルバムとして,非常に心地よい感覚を残すアルバムである。
冒頭の"Area Code 808"のギターによるリズム・カッティングからフュージョン好きにはゾクゾクするような期待感を抱かせる。全編に渡ってDeodatoらしいメロディ・ラインやストリングスが楽しむことができるこのアルバムは,Deodatoがクラシック音楽のアダプテーションだけのミュージシャンではないことを多くのリスナーに認識させるものである。
タイトル曲の"Love Island"や"San Juan Sunset"に顕著な何ともユル~いグルーブ感で"Take the A Train"をカバーするのも凄いが,このサウンドはある意味麻薬的であり,Deodatoならではのテイストとして再評価に値するものと言えるだろう。尚,3曲目の"Tahiti Hut"はEW&FのMaurice WhiteとDeodatoの共作であるが,ここだけがいかにもEW&Fっぽく"That's the Way of the World"的になってしまうのはご愛嬌。逆に言えばEW&Fの曲の個性はそれだけ強かったということにもなって,妙に感心してしまった。
Deodatoなんぞもう過去の人という感覚もあるが,30年前(!)のこの作品を聞いて,その心地よさはあまり時代なんて関係ないなぁとつくづく思ってしまった。こうした音楽に心地よさを感じるのは私のような中年以上かもしれないが...。星★★★★。
ところで,このアルバムには"Pina Colada"という曲が入っているが,それを「パインのコーラ」と訳すセンスは頂けないというか,そんなもんカクテルの名前に決まっとろうがと思わず言いたくなってしまった。こうなると一般常識の問題である。
Personnel: Eumir Deodato(key, vo, perc), Larry Carlton (g), George Benson(g), John Tropea(g), Al McKay (g), Ray Gomez(g), Pops Popwell (b), Harvey Mason(ds), Rick Marotta(ds), Joe Correro(ds), Philip Bailey(perc), Ray Armando(perc), Jimmy Maelen(perc) and Others
« Duke Jordan:和みのピアノ・トリオ | トップページ | スキー場のマナーの低下がひどい »
「ブラジル」カテゴリの記事
- 新年最初の音楽は気楽に聞けるCharlie Byrdのライブ盤。(2026.01.02)
- 完全にノーマークだったが,Paula Santoroのアルバムが2023年にリリースされていたようだ。(2025.10.18)
- "Toninho in Vienna":心地よさ極まれり。(2025.09.09)
- 「微熱・ボサノヴァ」とは言い得て妙なArto Lindsayのアルバム。(2025.08.05)
- 猛暑をPaul Winterでしのぐ(笑)。(2025.08.04)
「ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事
- 追悼:Freddie Hubbard(2008.12.30)
- 本年を回顧する(その4):ジャズ編(2008.12.31)
- 今年一番聞いたCD(2008.12.27)
- 耳より情報:Enrico Pieranunziのノルウェイ録音!(2008.12.26)
- Stanley Clarke:これ1枚でOKよ(2008.12.19)

































































コメント