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2008年2月 2日 (土)

渡辺香津美による正調Jeff Beckトリビュートを収めたアルバム

Mo_bop2 "Mo' Bop II" 渡辺香津美New Electric Trio(ewe)

渡辺香津美が2003年に結成したパワー・トリオの第2作である。香津美のトリオと言えば,Jeff Berlin,Bill Brufordとのバンドも懐かしいが,音数で言えば勝るとも劣らぬトリオと言ってよいだろう。私はそもそも香津美と言えば"Mobo"か"Tochika"かという人間であるから,こういう路線は大歓迎である。

さて,昨日もJeff Beckについて書いたばかりであるが,このアルバムには本来Jeff Beckに対するトリビュートっていうのはこういう風にやるべきという演奏が収められている。このアルバムの6曲目に収められた"Cry Me a River"はJulie Londonでお馴染みの名曲であるが,それがまさしくJeff Beck風味で演奏されているのである。もとネタはあの"'Cause We've Ended as Lovers(哀しみの恋人達)"である。私がこの演奏を初めて聞いたときには思わず「おおっ」とのけぞってしまったぐらいその影響が顕著というか,リスペクトがフルに感じられるのである。

もちろん,Jeff Beckが"Cry Me a River"のような曲を演奏するわけはないと思いきや本人もライブの場で演奏したりしているのは意外だったが,この香津美の演奏,聞いた人は間違いなくJeff Beckの影を感じ取ることができるものとなっている。このように,ある意味Beckが弾きそうにない曲をそれらしく弾きこなすことこそが正調のトリビュートだと言いたい。もちろん,Beckのレパートリーを自身のスタイルで演奏したっていいわけだが,ここでの演奏のようにBeckっぽいサウンドで,全然関係のなさそうな曲を弾くことの方がリスナーとしては驚きが多くていいように思える。それにどんなにいろいろなギタリストが自分のスタイルで弾こうが,Beckからの影響を全く感じさせないことは難しかろう。Beckとはそれほどのスタイリストであるからである。

ということで,"Cry Me a River"のことばかり書いているが,このアルバム,そのほかの演奏もロック的なタッチも横溢させていて,私のようなジャズとロックの両刀使いには大いに楽しめるアルバムである。それでもやはり聞き物は"Cry Me a River"だと強く思ってしまうのである。こういう天邪鬼は私だけかもしれないが...。尚,BonaもHernandezも相変わらずのバカテクぶりである。よくやるわ。星★★★★☆。

Recorded on May 12-15, 2004

Personnel: 渡辺香津美(g, g-synth), Richard Bona(b), Horacio "El Negro" Hernandez(ds)

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