Standards Trio誕生の瞬間の一コマ
私がこのアルバムを聞くのも随分久しぶりのような気がする。LPに久々に針を落とすまではもっとフリーなアプローチだったと思っていたが,それは間違いだった。もちろん全編インプロヴィゼーションによるものではあるが,フリーな感覚と言うよりも,ECMらしい美しいピアノが楽しめるアルバム(特に最後の"Prism"が美的感覚が最も強い)であった。だから思い込みは恐ろしい。
この作品は"Standards Vol.1/2"と同時期の録音であり,三作合わせて一組の演奏群として楽しんでもいいものだと思うが,いかんせん"Standards"が良過ぎて,こちらまで手がまわらないというのが,買ってからこれまでの私の正直な感覚であった。しかし,このアルバム,聞かずに長年放置してきたのが勿体ないような出来であり,ちゃんとこのアルバムを聞いていなかったことを今回深く反省した次第である。確かにB面の"Flying Part 2"にはかなりフリーに傾斜する瞬間もあるのだが,"Survivors' Suite"等に比べれば「聞き易さ」という観点からは全く問題にならない程度のものであり,ダイナミックなピアニズムだと思えばよいものだと思う。
私がこのアルバムを聞かなかったのは冒頭に書いたとおり思い込みとそれから発生する食わず嫌い的な発想によるものである。それを反省も込めて星★★★★☆。なぜ半星少ないかはこの作品がこのトリオの最高傑作だとは思わないからだが,それでもこの作品はかなりよい。
尚,このStandards Trio誕生の瞬間を捉えた三作がボックス・セットで発売されるそうである。価格はかなりお手頃なので,未聴の方はこれを機に購入しても損をすることはないだろう。それにしても結成からもう25年か~。早いなぁ。
Recorded in January 1983
Personnel: Keith Jarrett(p), Gary Peacock(b), Jack DeJohnette(ds)
« 楽しいサッチモ,愉快なサッチモ(キャバレー・ロンドンかっ!) | トップページ | Enrico RavaのECM未CD化アルバム »
「ECM」カテゴリの記事
- 追悼,Ralph Towner。(2026.01.20)
- 2025年の回顧:音楽編(その2::ジャズ)(2025.12.29)
- Dino Saluzziの新作は哀愁度高く心に沁みるアルバムであった。(2025.12.17)
- "The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition"を入手。無駄遣いと言われればその通りだが。(2025.12.14)
- 全然ECMっぽくないのだが,音に痺れるジョンスコ~Dave Hollandデュオ。(2025.11.29)
「ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事
- 追悼:Freddie Hubbard(2008.12.30)
- 本年を回顧する(その4):ジャズ編(2008.12.31)
- 今年一番聞いたCD(2008.12.27)
- 耳より情報:Enrico Pieranunziのノルウェイ録音!(2008.12.26)
- Stanley Clarke:これ1枚でOKよ(2008.12.19)
« 楽しいサッチモ,愉快なサッチモ(キャバレー・ロンドンかっ!) | トップページ | Enrico RavaのECM未CD化アルバム »


































































コメント