イタリア映画温故知新:「刑事」
「刑事(Un Maledetto Imbroglio)」 ('59 伊)
監督:Pietro Germi
出演:Pietro Germi, Claudio Gora, Franco Fabrizi, Eleonora Rossi Drago, Cristina Gaioni, Pietro Germi, Claudia Cardinale
警察ものながら何とも哀しげなトーンに彩られた映画である。私が見たのはLD版で,画質も結構ひどいものだったが,現在発売されているDVDでは多少リストアされていることを祈る。
この映画,何と言っても冒頭から流れる主題歌「死ぬほど愛して(Sinno Me Moro)」の"Amore, Amore, Amore, Amore Mio"というフレーズを聞いているだけで郷愁を誘われる。それだけでもヨーロッパ的であるが,また,ラスト・シーンのClaudia Cardinaleの姿が哀しさを増幅させ,アメリカ映画にはこの味は出せないよなーとつい思ってしまう私である。
筋書きは殺人事件を取り巻く人間模様劇ながら,警察関係者以外で出てくる男が全部情けない奴か悪党である。その一方で,女性は「綺麗」か「魔性」か「薄幸」かというオトコ心をそそるキャラばかりというのもイタリアっぽい。そうした中で,監督,主演を務めるPietro Germi(殺人課の警部役である)はある意味Richard Widmark的な渋さであるが,その一方で女に会えずに電話で言い訳ばかりしている情けないエピソードも挿入されているのが笑いを誘う。
これが本当の名画と言えるかどうかは微妙だが,様々なエピソードを交えながら,当時のイタリアの生活風景を描写した映像はやはり今でも魅力的である。でもやはりこの映画は主題歌とClaudia Cardinaleの哀しげな目が最も印象的ではないかと思う。Cardinaleは後の「ウエスタン(Once Upon a Time in the West)」なんかとは全く違う初々しさながら,もの凄い目ぢからを発揮している。それも含めて星★★★★。
こういうのを見ると,たまにヨーロッパの古い映画も見ないといかんと痛感させられる。やっぱ白黒映画はいいわ。
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