Enrico RavaのECM未CD化アルバム
"Opening Night" Enrico Rava(ECM)
ECMレーベルには未CD化の作品がいくつかあるのだが,このアルバムもその一つである。Enrico Ravaは今でも現役ECMアーチストなのだから再発してもよさそうなものだとも思うが,オーナーのManfred Eicherが決める話だからどうこう言えた筋合いではない。まぁこのアルバムはEicherプロデュースではないというのがCD化されない理由のようにも思えるが,作品としてはどうか。
まず,冒頭しっとりと"I'm Getting Sentimental Over You"で幕を開けるのだが,2曲目のタイトル・トラックがいきなりフリー・ジャズに転じてそのギャップの大きさに思わずのけぞる。このある意味「なんじゃこりゃ~(松田優作かっ!)」的な乗りが,Eicherの美学に合わないという気がする。全編を通して聞いてみても,やはりこのタイトル・トラックがあまりに浮いていてどうも居心地が悪いのである。かと思えばB面冒頭のRavaのオリジナル"GRRR"はD'Andreaのピアノ・ソロはいけているのだが,肝心のコンポジションがなんとも陳腐な曲調でずっこけさせてくれる。尚,"Venise"という曲ではなんとAldo Romanoがギターを弾いているが,これが結構いけているのにはびっくり。ちょいとイージーリスニングみたいなのが気になるが,これはこれで悪くない。最後の"Thank You, Come Again"は軽快そのもの。但し,D'Andreaのバッキングはややうるさい(所謂目立ちたがり屋的ピアノ)。
ということで,結局このアルバム,プロデュースに一貫性がないのと,曲による良し悪しがはっきりし過ぎというのが問題になるのだろうと思う。一本芯が通っていないという表現が適切かもしれないが,だからいつまで経ってもCD化されないと考えてよいような作品である。星★★☆。
Recorded on December 1981
Personnel: Enrico Rava(to, fl-h), Frank D'Andrea(p), Furio Di Castri(b), Aldo Romano(ds, g)
« Standards Trio誕生の瞬間の一コマ | トップページ | Wolfgang DaunerのECM作:未CD化は当然だろう »
「ECM」カテゴリの記事
- 追悼,Ralph Towner。(2026.01.20)
- 2025年の回顧:音楽編(その2::ジャズ)(2025.12.29)
- Dino Saluzziの新作は哀愁度高く心に沁みるアルバムであった。(2025.12.17)
- "The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition"を入手。無駄遣いと言われればその通りだが。(2025.12.14)
- 全然ECMっぽくないのだが,音に痺れるジョンスコ~Dave Hollandデュオ。(2025.11.29)
「ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事
- 追悼:Freddie Hubbard(2008.12.30)
- 本年を回顧する(その4):ジャズ編(2008.12.31)
- 今年一番聞いたCD(2008.12.27)
- 耳より情報:Enrico Pieranunziのノルウェイ録音!(2008.12.26)
- Stanley Clarke:これ1枚でOKよ(2008.12.19)
« Standards Trio誕生の瞬間の一コマ | トップページ | Wolfgang DaunerのECM作:未CD化は当然だろう »


































































コメント