結局買ってしまったChick Corea Five Trios
"Five Trios: Brooklyn, Paris to Clearwater" Chick Corea(Stretch)
私はこのChick CoreaのFive Trioシリーズの第1作が発売された時に,その発売手法に疑問を呈した(Chick Corea:日本独自企画のピアノ・トリオ・シリーズ第1弾)。しかし,長年のファンというのは弱いものである。どんなに文句を言おうが(その記事には『若手2名を従えた5番目のトリオは追って発売される5枚組ボックスでしか聞けないらしいし,ボックスには追加トラックも入っているらしいので,コアなファンはそちらの発売を待たなければなるまい。いずれにしても何とも商魂逞し過ぎやしないかと皮肉の一つも言いたくなるような販売方法である。』と書いた),結局買っているのでは私も弱い。
ということで既にレビューしたのディスク1以外のディスクについて書いてみることとしたい。本日はこれまで発売されていない若手との組合せを収めたディスク5である。共演の2人については私は全く知らなかったが,ベースのFeraudはDreyfusからJohn McLaughlinもゲスト参加したリーダー作を発表しているようであるし,ドラムスのBarshayもHerbie Hancockと共演しているようであるから,まぁ有能な若手ということにはなろう。しかし,このディスクはFeraudがエレクトリック・ベースを弾いているからということもあるが,このボックスのほかのアルバムと随分とトーンが違って,かなりコンテンポラリーなサウンドになっているように思える。
冒頭からChickのエレピが飛び出し,リズムとの共演もスリリングで結構期待させる立ち上がりである。しかし,その後の曲には首を傾げざるをえないような演奏(特に"Dr. Jackle"は疑問が残る)や,妙にコズミック調の曲もあって,またScientologyの乗りかい?と皮肉の一つも言いたくなる。よって,このディスクに収められた演奏は私としては非常に微妙である。確かにFeraudはテクニックも優秀だが,あれならPatitucciでもできるし,Barshayにしても,もっと若さを打ち出しつつChickをプッシュできるのではないのかと思ってしまった。
ディスク全体を聞けば,演奏には決して破綻はない。曲調はよく言えばバラエティに富んでいるが,一貫性が感じられないため,取り留めがないように感じさせるのが残念である。若い衆を迎えてChickも頑張ったが,色々やり過ぎましたというのが率直な感想である。私としては冒頭の"Final Frontier"や,いかにもChickらしい"Dedication"の線で統一して欲しかった。星★★★。
Recorded on April 17 & 18, 2007
Personnel: Chick Corea(p, key), Hadrien Feraud(b), Richie Barshay(ds)
« 謹賀新年 | トップページ | Alan Pasquaの異色作(なんだろうなぁ) »
「新譜」カテゴリの記事
- Chick Coreaの旭川でのソロ・ライブ音源が公開された。(2026.02.06)
- Joel Rossの新作はその名も"Gospel Music"。だが,典型的ゴスペルではない。(2026.02.07)
「ジャズ(2008年の記事)」カテゴリの記事
- 追悼:Freddie Hubbard(2008.12.30)
- 本年を回顧する(その4):ジャズ編(2008.12.31)
- 今年一番聞いたCD(2008.12.27)
- 耳より情報:Enrico Pieranunziのノルウェイ録音!(2008.12.26)
- Stanley Clarke:これ1枚でOKよ(2008.12.19)

































































コメント