OTB:若さまかせの...あるいは血気盛んな...
"Out of the Blue" O.T.B. (Blue Note)
新生Blue Noteレーベルがオーディションで見つけ出した有能な若手により結成させたグループのデビュー・アルバムである。"Out of the Blue":日本語にすれば青天の霹靂ってやつだが,活きのいいというか,勢いまかせというか,とにかく若さにまかせて突っ走りましたという感じのアルバムに仕上がっており,ある意味ここまでやれば爽快感にあふれたアルバムということが出来ると思う。こうした感覚はRalph Petersonの"V"につながっていくものだが,当時のハードバップ・リバイバルの様子を思い出すにはいいアルバムである。
メンバーのレベルはオーディション(総勢では35人が最終的に参加したとジャケには書いてあるが,これは最終選考ということであろう)をくぐり抜けてきただけに総じて高いが,現在まで第一線で活躍を続けているのはKenny GarrettとBob Hurstぐらいか。もちろん,Ralph Petersonもそれなりにリーダー・アルバムを発表しているが当時の勢いはもはやない。Harry Pickensもいいピアノなのに惜しい。彼らのように実力はあるのになぜなのだろうとは思うが,プレイヤーとして優れた人たちが必ずしも活躍できないのはおそらくはリーダーとしての資質の欠如なのだろう。
収められている曲は全てメンバーのオリジナルであるが,作曲の才能もそれぞれに認めなければならないとしても,やはりこのアルバムは演奏の勢いを楽しむべきアルバムだと思う。私はこのハード・ドライビングな感覚を好むので,星★★★★ぐらいには評価したいと思う。その後O.T.B.はメンバーを変えながら活動を続けていくが,私はこのアルバムと,「マウントフジ」でのライブ盤が特にいいと思っている。ほかの作品ももちろん悪くはないのだが,この調子を続ければ,早晩マンネリに陥るのはわかっていた。世の中勢いだけでは生きていけないということである。なんか彼らが活動していたバブル前夜あるいはバブル期真っ盛りの時期の世情と重なるように感じるのは私だけだろうか。
Recorded on June 7&8, 1985
Personnel: Michael Phillip Mossman(tp, fl-h), Kenny Garrett(as), Ralph Bowen(ts), Harry Pickens(p), Robert Hurst(b), Ralph Peterson(ds)
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