MurrayとWeston:ヘビー級デュオ
"The Healers" David Murray and Randy Weston(Black Saint)
David MurrayとRandy Westonのデュオなんて聞いただけで胸焼けがしてきそうな気がしないでもないが,タイトルが"The Healer"なんてものだけに,比較的おとなしめにやってはいるものの,もちろんヒーリング・ミュージックではない(当たり前じゃっ!)。
ご両人とも,いつも通りと言えばいつも通りの演奏である。しかし,1987年頃のDavid Murrayを聞いていたリスナーには,おそらくこのMurrayでは欲求不満になってしまったのではないだろうか。それぐらいにここでのMurrayは抑制がきいているので,フリーキーなトーンはあまり出てこないし,奔馬の如く暴れるということもない。これはおそらく,大ベテラン,Randy Weston翁に合わせたというところもあるだろうが,そのあたりがこのアルバムへの評価の分かれ目ではないだろうか。
私のようにMurrayに入れ込んだことのないリスナーにとっては,Murrayがこういう感じで吹いてくれるなら,もっと彼のアルバムを聞いてもよかったかなと思ってしまうぐらいである。私としてはアルバムの最後を飾るWeston作"Blue Moses"が特に気に入っている。このレコードを聞いたのも本当に久しぶりだったが,これでWestonのピアノがよりビビッドに録音されていれば,もっと良かっただろうと思う。星★★★☆。
いずれにしても,このアルバム,Black Saintらしいと言えば(フリー度控えめながら)まさしくその通りであるが,これほどアバンギャルドな「黒さ」にこだわったレコード・レーベルがイタリアに存在したということ自体が今となっては信じがたい。
Recorded on Septenber 26, 1987
Personnel: David Murray(ts, b-cl), Randy Weston(p)
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