久々にMiles Davisを:沈黙後の復帰作
"The Man with the Horn" Miles Davis (Columbia)
Milesが長い沈黙を破ってシーンへの復帰を遂げた1981年の超話題作である。同時代のリスナーの殆どが,LPのファクトリー・シールを破り,A面に針を降ろす瞬間に何らかの緊張を覚えたはずである。私も同様であるが,私が最初にこの音源の一部(多分"Fat Time"だったはずだが...)を聞いたのはタモリの「オールナイト・ニッポン」においてだったと記憶している。タモリが深夜放送で掛けるぐらいの期待を持たれていたということも,今となってはかなり懐かしい。
このアルバムについてはいろいろな意見があるのは承知しているが,全体的に見れば,ファンも十分納得できる出来だろうと思う。収録曲では"Back Seat Betty"と"Aida"が後年のライブにおける重要レパートリーとなっていくが,衝撃度と言う点ではやはり冒頭の"Fat Time"の1発目のMilesのミュート・トーンであり,Mike Sternのぶっ飛んだギター・ソロである。私にとって,やはりこのアルバムと言えばこの"Fat Time"ということになる。当時はこれまたいろいろ言われたMike Sternだが,ここでのバッキングやソロを聞いて興奮しないリスナーはもぐりだと言いたいぐらい興奮させられてしまったのである。そのほかの曲で弾いているBarry Finnertyにこうした興奮度を求めることはできないのである。よって,私はMike Sternをこのアルバム以来ずっと評価しているし,今でもファンである。
一方,Milesに往年の姿を求めるリスナーは"Ursula"の4ビート的な展開に落涙すること間違いなし。以上の4曲についてはかなりハイブラウでスリリングな出来のよい演奏であり,5つ星を謹呈したいところであるが,如何せんHerb Alpertの出来そこないのような"Shout"と軟弱AORもどきの"The Man with the Horn"は減点対象とせざるをえない。この2曲も決して悪い出来ではないのだが,私にとってはほかの曲との落差が大き過ぎるのである。ということで星★★★★。しかし,全体で見れば,後にポップ度を増すMilesよりははるかにMiles的だと思うのは私だけだろうか。
尚,本作のもう一つの聞き所はMarcus Millerの鋭いスラッピング・ベース。Marcusの演奏でも屈指のものと評価したい。
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マイク・スターンのサイド参加作が4枚あるのですが、残りはすべてマイルス・デイヴィ [続きを読む]







































































このアルバムの、マイルスはお飾り。
実は、実はですよ。
マーカスグループ、マーカスのアルバムですよね?
投稿: 東信JAZZ研究所 | 2009年12月11日 (金) 20時56分
東信JAZZ研究所さん,改めてこんばんは。
「マーカスグループ、マーカスのアルバム」と,この段階で言えるかは私には若干微妙ですが,Marcus Millerがバンドの中で,重要な位置づけを占めるに至ったというのは事実だと思います。
でも,記事にも書きましたが,Marcusのスラッピングは本当にいい音ですよねぇ。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年12月11日 (金) 23時11分
自分としてはマイルスのアルバムまでコメントする気はあまりなかったのですが、手持ちの中で4枚マイク・スターン参加盤があるので、無視するわけにいきませんでした。でも、この時期のメンバーって、もうこれ以上集まるかっていうぐらい豪華なんですよね。まだこのアルバムでは入れ替わり中のところはあっても。けっこう楽しめました。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年12月20日 (日) 00時43分
910さん,おはようございます。TBありがとうございます。
私にとってもMilesの記事を書くことは結構ハードルが高い(と言うよりも何を今更感を自分ながら持ってしまう)のですが,私も新譜の購入ペースが落ちることによって,旧譜のレビューが増えていくかもしれません。今の時代に,温故知新というのも悪くないかなと思いますので,ジャズに限らず,昔から聞いてきた音源について記事をアップしていこうと思います。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年12月20日 (日) 11時00分