Gil Evansとの共演でもおなじみのChris Hunterの初リーダー作?
"Chris Hunter" Chris Hunter (Atlantic)
Gil EvansのMonday Night Orchestraでメジャー・シーンに登場した英国出身のChris Hunterによるこれがおそらくは初リーダー作である。これが完全なフュージョン作となっていて,本当にこれがHunterの資質に合っているのか疑問を感じさせるアルバムである。
サウンド的には完全にDavid Sanbornの線である。当時のフュージョン・シーンで売れ線を狙うならこうしたサウンドになるのは仕方がないところであるし,また,HunterにももともとSanbornからの影響があることも否定しがたい。また,GilのバンドではSanbornが長くメイン・ソロイストのポジションにあったから,アルトではSanborn的なものを求められることも理解できる。しかし,これではNelson Rangellと何が違うのかと言われても仕方ない。
アルバムとしては製作総指揮がJohn Snyder,プロデュースがDon Sebesky,バックのメンツも結構豪華とそれなりの予算を掛けているようにも思えるが,いかんせんサウンドに加えて,これまた売れ線狙いの選曲が鼻につくのである。"Georgia on My Mind"やPrince作"Purple Rain",Stevie WonderがMichael Jacksonに書いた"I Can't Help It",更には"America the Beautiful"と来ては何をか言わんやである。
はっきり言ってこのアルバムを市場で見掛けることもそれほど多くはないが,いずれにしてもChris Hunterとしても決して納得のいく出来のアルバムではあるまい。これも時代が生んだ徒花フュージョン・アルバムの一枚と言ってよいだろう。星★★。最近ではChris Hunterの名前を聞くことも少なくなったが,この人にはオリジナリティと言う点では問題があったのかもしれない。日本のレコード会社の製作で何枚かアルバムを出しているものの,結局はGil Goldsteinらの共演者に助けられていた部分も多いのかもしれない。(そう言えばNelson Rangellの名前も見かけなくなったなぁ。)
Recorded in May and June, 1986
Personnel: Chris Hunter(as), Hiram Bullock(g), Richard Tee(p, key), Anthony Jackson(b), Darryl Jones(b), Steve Jordan(ds), Clifford Carter(synth), Joe Bonadio(perc)
追記:こんなものまで日本ではCD化されて,廉価盤として売られている。凄いねぇ。
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