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2007年12月17日 (月)

どこへ行ったか:今度はGary Thomasだ

Thomas "Seventh Quadrant" Gary Thomas(Enja)

以前,「どこへ行ったかChico Freeman」と書いたことがあるが,Gary Thomasも一体どこへ行ってしまったのかと思わざるをえないミュージシャンである。一時はジャズの未来を支えるかのようない割れ方をされたThomasは本当にどこへ行ってしまったのだろうか?21世紀に入って,これほど名前を聞かなくなってしまったミュージシャンもあまりいない。Milesとも一時共演したのにねぇ。

Gary Thomasがその魅力を最も放っていたのはJMT/Bambooレーベル在籍中であることは衆目の一致するところであろうが,このアルバムはそれ以前の1987年にEnjaレーベルに吹き込んだアルバムである。このアルバム,なかなか魅力的なメンバーを揃えて,ここでもThomasらしいハイブラウな演奏を展開している。特に驚かされるのがRenee Rosnessのかなり強烈なピアノによるバッキングである。Gary Thomasと言えば,大西順子をバックに来日したこともあったと記憶しているが,まるで大西順子のようなタッチでReneeがピアノを弾いているのには驚かされる。また,Thomasと絶妙なユニゾンを聞かせるPaul Bollenbackもいいプレイだと思うが,この人も最近は名前をあまり聞かないが,もっと注目されてよいギタリストではなかろうか(ただし,タイトル曲でのギター・シンセサイザーはあまりに無節操で閉口するが...)。リズムのAnthony CoxとJeff Wattsのコンビがこれまた素晴らしい(ただしWattsのドラムスが録音のせいか音が細いのは勘弁して欲しい)。

ということで,これなら大変素晴らしいアルバムになりそうなものだが,やや全体として一本調子というか,やや力まかせに走ったという感があるのは,プレイヤーの若さゆえということになるかもしれない。本作録音時,Thomasはまだ25歳であるから,それもまた仕方のないところである。その年齢で成熟していたら,むしろその方が怖い。

いずれにしても全編,Thomas君,テナー(及びフルート:結構この音色はいけている)を吹きまくっている。3曲目で現れるThomasとWattsのデュオの瞬間を聞けば,かなりのジャズ・ファンは耳をそばだてるだろうと思うのだが,Thomasのフレージングが何となく軽く響いて今いちなのが残念。Bollenbackとのユニゾンだと結構よく聞こえるのだが...。このあたりがThomasの限界だったということかもしれない。ということで星★★★。

そう言えばThomasも参加したJack DeJohnetteのSpecial Editionなんてバンドもありましたっけね。懐かしいなぁ。

Recorded on April 3 and 4, 1987

Personnel: Gary Thomas(ts, fl), Paul Bollenback(g, g-synth), Renee Rosness(p), Anthony Cox(b), Jeff Watts(ds)

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