Eagles 28年振り(!)のフル・オリジナル・アルバムは...
"Long Road Out of Eden" Eagles
完全な新作としては"The Long Run"以来28年ぶりとなるEaglesのアルバムは何と2枚組である。前作となる"Hell Freezes Over"にも4曲の新曲は収録されていたが,あれは復活記念のライブ盤のようなものだった。それでもその前作からも既に13年の歳月が流れてしまっている。しかし,その間に来日もしているし,ライブDVDも出ているので,久々感はあまり実感が湧かないというのも事実である。
冒頭のほぼアカペラに近い(ギター1本の地味な伴奏は付いているが)"No More Walks in the Wood"から,美しいハーモニー健在で嬉しくなってしまうのだが,聞き進むにつれて,28年も待たせてこの程度の曲しか書けなかったのかと思わざるを得なくなる。Eaglesの本来の実働は1970年代の10年にも満たない期間だったはずである。その間にあれだけの名曲,佳曲を残した彼らが,28年掛かってこれではやはり期待を裏切るということになるだろう。これならDon Henleyのソロ・アルバムの方がずっといい曲が揃っていた。あるいは"Hell Freezes Over"に収録されていた当時の新曲さえも上回れないというのは大いに問題である。
また,時折顔を出すマリアッチ風味もイメージを崩される。こうした予兆はDon HenleyのライブDVD"Live Inside Job"で"Hotel California"をアフロ・キューバン・タッチで演奏したときから感じられたものであるが,私としてはあまり成功しているとは思えない。
東京ドームのライブを観た時や,メルボルンでのライブDVDを見た時にも思ったことだが,バンドとしてのクリエイティビティにはもはや限界が来ていて,「昔の名前で出ています」なところが目立っていた。この新作でも残念ながらその印象を覆すことはできなかった。
とは言いながら,Eaglesらしいと思わせるハーモニーや演奏を聞かせる瞬間もあり,昔からのファンにはそれなりに嬉しいものであることは間違いない。しかし,私はこのアルバムを再度プレイバックするよりも,70年代のアルバムやHenleyのソロ・アルバムを聞く回数の方が圧倒的に多いだろうと確信している。何のためにこのアルバムを出したのか,私には理解できない。好きなバンドであるがゆえに評価も辛くなるが,星★★が精一杯。
Personnel: Glenn Frey(vo, g, b, key), Don Henley(vom, ds, perc, g), Joe Walsh(vo, g, key), Timothy B. Schmit(vo, b) with Stewart Smith(g, key, mandolin), Scott Craco(ds, perc), Richard F. W. Davis(key), Michael Thompson(key, tb), Will Hollis(key), Al Garth(as, vln), Bill Armstrong(tp), Chris Mostert(ts as), Greg Smith(bs), Greg Leisz(pedal steel), Lenny Castro(perc), Luis Conte(perc)
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ホテルカリフォルニアで頂点を極めてしまったら、どうあがいてもロングランは見劣りしてしまうわけで、煮詰まったあげくに解散せざるをえなくなっちゃったバンドなのですから、過大な期待するのはかわいそう。
60才前後で青年期の様なみずみずしい音楽ができるかという話ですね。
一般的に再結成の方がすごいなんてバンドは聞いたことがありませんね。
28年たっても、あまりイメージをくずしていないところは、さすが音楽職人だなと思います。
商売人の鏡とも言います。
70年代の終わり頃、ホテル・カリフォルニアやラストワルツを最後にロックがつまらなくなってしまったのは何故なんでしょう。
ロビー・ロバートソンが最近のインタビューでここまでになってしまうとは思わなかったと語っていました。
タワー・レコードでアホみたいな産業廃棄物系音楽を垂れ流しているのを耳にすると、10年間でCDの売上げが4割減少したのも無理はないなと。
所詮、ポップミュージックは若者の少ないこづかいを搾り取る事業ですから、若者が食を削ってでも買いたくなるような音楽を作っていかなくちゃ。
今の中年が定年を向かえる頃に、音楽マーケットが崩壊してしまうのかな。
投稿: mmm | 2007年11月30日 (金) 01時18分