Deodatoの新作ライブ:このグルーブはたまらん
"Ao Vivo No Rio" Eumir Deodato(Biscoito Fino)
これはたまらんアルバムが出た。Deodatoが今年の4月にリオデジャネイロで録音したライブ・アルバムだが,Deodatoのキーボードにベース,ドラムスという最小編成で,Deodatoのヒット曲やボサノバの名曲満載である。
Deodatoと言えば,アレンジャーがメインというのが一般的な理解であろうが,ここではキーボード・プレイヤー兼アレンジャーとして勝負している。結果はどうか。急速調の曲で,キーボードのフレーズがややおぼつかなくなる瞬間はあるものの,全編を通して非常に心地よいグルーブを生み出しており,私は大いに楽しめた。何と言ってもアルバム"Love Island゛収録の"Whistle Bump"で幕を開け,同じく同アルバム収録の"San Juan Sunset"で締めるというのも,"Love Island"を結構評価している私としてはたまらんものがあった。そのほか,「ツァラトゥストラ」(これはややショボい)も「ラプソディー」も「スカイスクレイパー」もやっているのだから,何をか言わんやである。
従来のイメージからすると,アレンジャーとしてのDeodatoはホーンやギターをうまく使いこなしていたと思うのだが,今回のように最小編成のピアノ・トリオ形式(と言ってもDeodatoはヤマハのエレピを全編で弾いているが)でも,ちゃんとDeodatoの個性を感じさせるのはある意味大したものである。また,ここで聞かれるエレピのサウンドが非常に心地よく,私は当分の間,このアルバムを愛聴することになると思う。
このアルバムは歴史的名盤でもないし,今年のベスト・アルバムに選出されるものでもないかもしれない。しかし,私にとって重要なのはこのアルバムの「心地よさ」なのである。私が心地よいと感じるのはあくまでも個人の感覚的なものであるから,誰にも文句はないはずである。私はこのアルバムのグルーブに何も考えず身を委ねたいと思うだけだが,この気持ちよさはほかの人とも共有したいという思いにも駆られてしまった。ということで星★★★★。
Recorded Live at Sala Cecilia Meireles, Rio de Janeiro on April 3 and 4, 2007
Personnel: Eumir Deodato(key), Marcelo Mariano(b), Renato "Massa" Calmon(ds)
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