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2007年10月23日 (火)

Phil Woods:祝Michel Legrand来日ってわけではないが...

Phil_woods "Images" Phil Woods / Michel Legrand and His Orchestra (RCA)

誰も予想していなかった来日(エンニオ・モリコーネもそうだったが...)を控えて一気にMichel Legrandに対する注目度が高まっているのに呼応するわけではないのだが,今日はこのPhil WoodsとMichel Legrandの共演盤について書いてみたい。

まずはこのジャケットである。これを見ただけで普通のジャズ・ファンはこのアルバムを買う気をなくすだろうが,ある意味,このジャケットは音との整合性が保たれているという気がしないでもない。即ち,これはもはやジャズ・アルバムと言ってよいかどうか疑問だからである。音楽としては,明かなオーバー・アレンジメント(やり過ぎ!)であり,かなりイージー・リスニング的なのは否定しようのない事実だから,そもそもこのアルバムはストレートなジャズではありませんよとこのジャケットが語っているようにも思える。

しかし,ここでのPhil Woodsの「朗々と」という表現が適切なアルトのトーンを聞けば,ジャズがどうこうとか,アドリブがどうこうということはどうでもよくなって,これはこれでいいアルバムなのではないかと思わせてくれるのだから不思議である。だって,「風のささやき」に「おもいでの夏」ですよ。それに"Song for You"や"We've Only Just Begun"なんて曲をWoodsのアルトで吹かれたら,それはポピュラー畑の音楽が好きだったら,これは参ってしまうのは仕方がないのではないか。

私はこのアルバムでのWoodsのトーンは十分魅力的なものと思うし,そもそも曲がいい。ケチをつけようと思えばいくらでもつけられるが,それをするかしないかは「踏み絵」のようなものかもしれない。私は様々な音楽の中で,ジャズを最も愛好しているのは事実だが,幅広い音楽を聞いているリスナーなら,このアルバムには文句は言わないと思うのだが,ジャズ原理主義者はそうは行くまい。だからこそ「踏み絵」だと言うのだが,本来,多様なスタイルを吸収することができるのがジャズの魅力でもあり,私にはこんなアルバムがあってもいいと思う。

まぁA&MレーベルでのWes Montgomeryの諸作におけるWesのギターの代わりに,Phil Woodsのアルトが入っていますぐらいで考えればいいのではないかと思う。とは言え,私はDon SebeskyよりここでのLegrandのアレンジの方がフィットするが...。但し,冒頭のパイプ・オルガンには驚かされ,かつのけぞった。星★★★☆。

Personnel: Phil Woods(as), Michel Legrand(p, arr) and his Orchestra

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