やっぱり"I Remember Clifford゛になってしまうのだろうなぁ
"Lee Morgan Vol. 3" Lee Morgan (Blue Note)
このアルバムが録音されたのは1957年3月24日,Lee Morganの誕生日は1938年7月10日であるから,録音時にはまだMorganは18才だったということになるが,この素晴らしいフレージングからは,そんな年齢だとは決して感じさせることのない天才振りを如何なく発揮している。まさに恐るべしである。
このアルバムは全曲Benny Golsonの作編曲による演奏を収めたものだが,私にはGolsonの書いたテーマ・アンサンブルよりも,各人のソロ・プレイを聞いている方がずっと楽しめるのが難点のアルバムである。Lee Morganのソロといい,共演者のソロといい,相当のレベルの演奏が収められているのだが,特に冒頭の"Hasaan's Dream"などはずっこけるような曲調で,テーマだけ聞いているとガックリきてしまうのである。そうしたこのアルバムで"I Remember Clifford"ばかりに注目が集まるのは,この曲のテーマ部分が,ほぼMorganのソロによるものとなっており,Golson,Gryceによるアンサンブルがそれを邪魔していないからではないかと思わざるをえない。
それにしても,到底18才とは思えぬ成熟度を示す演奏がこの"I Remember Clifford"には収められており,何とも言えぬ名バラードとなっている。この曲でソロを取るのはMorganとピアノのWynton Kellyのみであり,夭折したClifford Brownを追悼する気持ちが強く感じられる演奏になっているのが成功要因であり,ここでGolsonやGryceがソロを突っ込んだら,この演奏は決してメジャーなものにはならなかったであろう。
全編を通じて聞けば,私にとってはやはりGolsonの作編曲に魅力を感じられないのがマイナス要因となり,両手を上げて評価することはできない。私にとってのLee Morganはアンサンブル・プレイヤーというよりもソロイストなのである。先述のとおり各人のソロのレベルは高いので,十分楽しめるアルバムではあるが,曲の魅力が"I Remember Clifford"が突出しすぎており,全体としては星★★★☆程度と思う。採点が辛すぎるだろうか?
Recorded on March 24, 1957
Personnel: Lee Morgan(tp), Gigi Gryce(as, fl), Benny Golson(ts), Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Charlie Persip(ds)
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