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2007年10月19日 (金)

GRPレーベル版Beatlesトリビュート

Grp_beatles "I Got No Kicks Against Modern Jazz" Various Artists (GRP)

先日,NYCレーベルのギタリストによるBeatlesトリビュート盤を取り上げたが,今回も同様のコンピレーションとして,GRPレーベルのBeatlesトリビュート盤を取り上げることにしたい。

GRPレーベルは,Dave GrusinとLarry Rosenが設立したレーベルとして古くはEarl KlughやNoel Pointer等をリリースしていたのが70年代のことである。それが急速に契約アーチストを拡大したのが90年代。その頃のレーベル・パワーは強烈であった。95年でLarry Rosenが社長職を退いてからは,契約アーチストも減ってしまい,その当時に比べると,現在のGRPレーベルってどうなのよって感じになってしまったが,一時期のスムーズ・ジャズにとどまらず,より幅広い音楽をサポートしてきた意義は決して小さいものでない。結局,Dave GrusinとLarry Rosenの人徳でミュージシャンが契約していたのではないかと思われる。

それはさておき,このアルバムはGRPレーベルの最後の豪華作と言っても過言ではないぐらいのプレイヤーが集まって,Beatlesの曲を演奏したものであるが,私個人としてはNYCレーベルの方のギター・トリビュート版の方を評価している。理由はいろいろあるのだが,冒頭のGeorge Bensonによる"Long and Winding Road"からの激唱ぶりにのけぞらされてしまうのがその最たる理由と言ってはBensonに酷か。それ以外にも理由があるとすれば,全般として演奏がお手軽に聞こえるという点だろう。これだけの豪華メンツが集まった割りに演奏の個性が希薄かつあまりに予定調和的で,もう少しそれぞれのミュージシャンならではのBeatles解釈が聞きたかったような気がする。それだけ曲の力が強過ぎるということの表れと言ってもよいかもしれないが,これだけの人たちなのだからもう少し何とかなっただろうという気がする。特にがっくりくるのがChick Corea版"Eleanor Rigby"である。この程度の解釈ならChickが弾く理由はない。期待が大きい分,がっくり感も強くなるのである。

その中で,結構いいのがDiana Krallの"And I Love Him(原曲はもちろん"Her"だが,女性シンガーの慣わしとして"Him"と歌っている)"やRamsey Lewisの"Michelle",スインギーに決めるArturo Sandovalの"Blackbird"ってところだろうか。最後のDave Grusinによる"Yesterday"は例のメロディが出てこない限り,Grusinの自作のように響かせて健闘しているのだが,やっぱりあのメロディ・ラインが出てくると,個性が失せるように聞こえるのがこの曲の恐ろしさというところだろう。 全体的には悪くはないものの,それでも星★★★が限界である。

尚,国内盤には木住野佳子による超ストレートな"Imagine"が収録されている。

Personnel: George Benson(g), McCoy Tner(p), Groove Collective, Diana Krall(vo, p), Tonm Scott(as), Ramsey Lewis(p), Lee Ritenour(g), Nelson Rangell(as), Chick Corea(p), Russ Freeman(g), Spyro Gyra, David Benoit(p), Arturo Sandval(tp), Dave Grusin(p), 木住野佳子(p)

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