Fred Hersch:カザルス・ホールでの演奏が蘇る美しい演奏の数々
"Songs Without Words" Fred Hersch(Nonesuch)
先日のカザルス・ホールにおけるソロ・リサイタルがあまりによかったので注文していたCDがようやく届いた。まさにあのときの演奏が蘇ると言ってよい美しい演奏群である。3枚組というボリュームであるが、1枚目が自作、2枚目がジャズ・オリジナルへのトリビュート、3枚目がCole Porter集ということで、私は飽きることがなく聞けた。また、以前の記事にも書いたが、ライブでの選曲とも重なりが結構あるので、今一度あのライブを思い出すには最適なアルバムである。
このアルバムとPalmettoレーベルから発売されているライブ・アルバム"In Amsterdam: Live at the Bimhuis"を聞けばあのカザルス・ホールの演奏をほぼ追体験できると言ってもよいかもしれないが、あのカザルスでのピアノの響きに比較的近いのは"Songs..."の方である。Amsterdamのライブ盤はややピアノの音が硬質に感じられ、あのカザルス・ホールのような天上から降りてくるような響きとはやや異なっている。しかし、この"Songs..."のピアノの響きの美しさはカザルス的であり、私ははっきり言ってうっとりしてしまった。このような音楽と接するまで、私は発売後6年半も掛かってしまったことは何とも情けない。もっと早くから聞いていれば、私の人生はもっと潤いがあったかもしれないと、やや大げさであるが言いたくなるような音楽である。
私は多くのピアノ好きの方に声を大にしてこのアルバムを推薦したいという思いに駆られる素晴らしい演奏である。3枚組ゆえやや値は張るものの、この演奏から得られる満足感を思えば安いものである。いずれにしても星★★★★★以外にはありえない傑作と評価する。尚、一部ほかのミュージシャンが加わるが、全30曲中24曲は完全ソロ・ピアノである。また、共演者もHerschの美意識にうまく寄り添っているのでソロでない曲も安心して聞ける。
私がこの音楽を聞いているのが出張中の中国は深センというのが若干微妙ではあるが、移動や仕事で疲れた体や心を癒す音楽としては最高である。これは本当にたまらん。
Personnel: Fred Hersch(p), Drew Gress(b), Reid Anderson(b), Tom Rainey(ds), Nasheet Waits(ds), Rich Perry(ts), Ralph Alessi(tp)
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コメント
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Fred Hersch TrioのVillage Vanguard Liveの方もお勧めです。
投稿: カビゴン | 2007年10月15日 (月) 11時19分
カビゴンさん,いつもコメントありがとうございます。Drew GressにNasheet Waitsなら悪いはずはないですねぇ。今度買ってみます。完全にFred Herschにはまりつつある私です。でもいいものはいいですから。今後ともよろしくお願いします。深センにて。
投稿: 中年音楽狂 | 2007年10月16日 (火) 03時19分
こんにちは.本日ふと聴いたBill FriesellのSongs we knowでFred Herschのピアノのトーンに痺れました(Friesellのアルバムとしては?だったので10年も放置していました).Fred Hersch初心者のオススメは何でしょうか?ピアニズムを堪能したい感じなのです.(先般のBill Evansの線を継ぐようなピアニストを渇望)
投稿: ken | 2010年10月 4日 (月) 14時06分
kenさん,続けてこんばんは。Fred Herschとの出会い盤としてはConcordレーベルの"Horizons"がいいんではないでしょうか。一時期,このアルバム,なかなか入手が難しかったのですが,最近は比較的簡単に手に入ると思います。リズムはMarc JohnsonとJoey Baronなんて,まるでEnrico Pieranunziのような感じですが,きっとお気に召すと思いますよ。
まぁ,私は結構ソロも好きですけど,今回は妥当な線を狙ってみました。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年10月 4日 (月) 21時57分
この記事を読んで随分前にCDを買って、すぐに気に入ったのだけど,ブログには書けない,コトバにできない不思議な音楽になっていました.
今日,ブログにTBさせて頂きました.
投稿: ken | 2011年8月 5日 (金) 22時10分
kenさん,こんにちは。TBありがとうございます,と言いたいところですが,入っていないようですので,リトライして下さい。
私はHerschは前々から結構好きでしたが,本当にまいったのはカザルスで聞いてからです。まさに天上の音楽。素晴らしい響きが今でも脳裏に焼き付いています。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2011年8月 6日 (土) 13時20分