2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

2018年おすすめ作

無料ブログはココログ

« Mavis Staplesの大傑作:Ry Cooderファンも必聴 | トップページ | Joe Zawinulまでも...:またも追悼記事とは... »

2007年9月12日 (水)

Ralph Petersonは時代の徒花だったのか

Ralph_peterson "V" Ralph Peterson Quintet(Somethin' Else)

Blue NoteレーベルでのOTBでシーンに登場してからの一時期のRalph Petersonの勢いは確かに凄いものがあった。このアルバムも新世代のハード・バップとも言うべき,ハード・ドライビングな演奏を聞かせており,今聞いても興奮する出来である。このような作品を世に出したPetersonは,今でも現役で活動しているものの,もはや往時の勢いはなく,明らかに失速してしまったと思わせるのは残念なことである。私はPetersonのアルバムをずっと追っていたわけではないのでその理由についてははっきり言えないが,イケイケのハードドライビング路線一辺倒でマンネリズムに陥ったか,Petersonの狙った(Fo'tetのような)路線がリスナーにアピールできなかったかのどちらかではないかと思う。

しかしながら,上述のとおりメンバーが一体化した非常に熱い演奏は今でもそのカッコよさ(特に前半3曲)は不変である。だからと言って頻繁にプレイバックしたくなるようなものでもないのだが,たまに聞くとこれはやはりいけている。Petersonのドラミングは極めてシャープだし,メンバー個々の能力も高い。しかし,ここで特筆したいのはPetersonの作曲能力である。全6曲中1曲を除いて,全てがPetersonのオリジナルであり,こうしたバンドをドライブさせる曲を書かせれば大した才能である。

Petersonは今でもリーダーを張れるドラマーではあるが,やはり80年代後半から90年代初頭というある意味「日本のバブル期」にも重なる時期が,日本における人気も絶頂だった。今にして思えば,時代がこういうイケイケの音楽を求めたということではないかと思えてくる。このタイミングの不思議な符号が暗示的でもあるように私には思えてならない。Petersonが米国でメジャーな人気を獲得したことはないと思われることももう一つの要素である。バブルの終焉とともにPetersonの才能が枯渇するはずはないのだが,これはやはり時代(あるいは日本のオーディエンスのメンタリティ)と歩調が合わなくなったということだろう。

そうした意味ではRalph Petersonというミュージシャンは,少なくとも日本の市場においては時代の徒花であったと言ってしまってもいいかもしれないが,それでもこのアルバムの持つ魅力は下がるものではないと思う。星★★★★。

Recorded on April 19 & 20, 1988

Personnel: Ralph Peterson(ds), Terence Blanchard(tp), Steve Wilson(as, ss), Geri Allen(p), Phil Bowler(b)

« Mavis Staplesの大傑作:Ry Cooderファンも必聴 | トップページ | Joe Zawinulまでも...:またも追悼記事とは... »

ジャズ」カテゴリの記事

コメント

このアルバムは(その前の’85年頃のOTBも)リアルタイムで聴いていて、けっこう衝撃を受けた中の1枚でした。現在進行形のジャズにのめり込むきっかけのひとつだったでしょうか。

彼もその後輸入盤でしかお目にかかれなくなって、忘れた頃に発見、注文したこともありました。ただ最近の自主盤も内容はいいと思います。それが広くは知れ渡ってないのが何とも残念なところなんですけど。

TBさせていただきます。

工藤さん,TBありがとうございます。私もOTBは結構保有しております。そういう時代でした(笑)。

Ralph Petersonって真摯に音楽に取り組んでいると思えるだけに,今のポジションはちょっと可哀想かなぁって気もします。だからと言って,私は最近のアルバムはほとんど買ってませんが(爆)。Criss Cross盤が一枚あったかなぁって感じです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Ralph Petersonは時代の徒花だったのか:

» V/Ralph Peterson Quintet [ジャズCDの個人ページBlog]
手持ちの未聴盤CDがなくなったので、次は何を聴こうか、と思ったら、新譜に引き続き [続きを読む]

« Mavis Staplesの大傑作:Ry Cooderファンも必聴 | トップページ | Joe Zawinulまでも...:またも追悼記事とは... »

Amazon検索ツール

2019年おすすめ作