低予算でも面白い映画はできる
「ボディ・スナッチャー/恐怖の街(Invasion of the Body Snatchers)」(米,'56,Republic)
監督:Don Siegel
出演:Kevin McCarthy, Dana Wynter, Larry Gates, Carolyn Jones
1979年,1997年の2度に渡ってリメイクされたサスペンス・ホラーの佳作であるが,これぞB級低予算映画の王道である。このDVDは長きに渡って国内では廃盤のため,私は米国盤をゲットしたが,A面がワイドスクリーン版,B面がTVフォーマット版という親切な作りに加え,主演のKevin McCarthyのインタビューまで付いている。日本語字幕はないが,英語字幕でもフォローできる。あとはリージョン・フリーのDVDプレイヤーがあればOKである。しかし,こういう小品が廃盤となって,くだらないリメイク作ばかりが発売される日本のマーケットはどうなっているのかと文句も言いたくなるような佳品である。
いずれにしても,時代や予算を反映して,特撮ゼロと言ってよい手作り感満点の映画である。しかし,何がなんだかわからないまま街が乗っ取られていく様子を描いたサスペンス感や,いい加減なハッピーエンドにしないところがにくい。映像のギミックに頼らずに怖さを盛り上げる手腕は実に大したものである。そういう意味ではサメが登場する前の「ジョーズ」にも近い感覚をおぼえてしまう。
シナリオとしてはDana Wynterがいつどうやってスナッチされるのよとか,主役のMcCarthyがこれまたB級だとか突っ込みどころは多々あるのだが,それには目をつぶってこの何とも言えないB級感を楽しみたい。なんてたって撮影期間1ヶ月未満らしいが,それでもこのサスペンスが生めるということは,やはり監督Don Siegelの手腕ということか。金はなくともいいものはできるということを実証した作品として星★★★★。
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