Larry CarltonとSteve Lukatherのライブ:もはやこれはロックである
"No Substitutions: Live in Osaka" Larry Carlton & Steve Lukather(Favored Nations)
オープニングがいきなりJeff Beckが"There & Back"で弾いた"The Pump"から始まるのと,大阪のオーディエンスの異常な乗りに驚かされるアルバムである。もはやこれはフュージョンのカテゴリーではなく,間違いなくロックのアルバム(特に冒頭の2曲はそうだ)である。Lukatherは2曲目の"Don't Give It Up"にもBoz Scaggsの"Breakdown Dead Ahead"やJeff Beckの「ライブ・ワイヤー」版"Freeway Jam"を引用したりして,これまたロック色を敢えて打ち出しているようにも思える。また,ドラムスのGregg BissonetteもCarltonとの共演歴はあるとしても,基本的にはロックの人だから,ロック色が強くなるのはある意味当然なのだが...。ついでに言えば,プロデューサーにSteve Vaiの名前まであるから,これまたロックになっても仕方はあるまい。
さて,主役のLarry CarltonとSteve Lukatherが本当の師弟関係にあるかは知らないが,LukatherがCarltonの影響を受けていることは事実のようである。その割に随分とギターのトーンは違うと思わざるをえないが,それでも結構いいコンビネーションで楽しめるアルバムとなっている。
レゲエ・タッチを感じさせながら,Milesの"Tutu"のような感覚を覚えさせる長尺(14分を越えている)の"All Blues"は演奏としては明らかに冗長(ここでもLukatherは完全にハード・ロックになっている)であるが,こうしたセッション・アルバムゆえ仕方がない部分もあろう。ここは難しいことは言わず,CarltonとLukatherのバトルを楽しめばよい。最後はお決まりのように"Room 335"だし...。多分アンコールで演奏されたもののように想像されるが,こちらは逆に演奏時間が短く,やや欲求不満が残る感じ。イントロを短くしてもうワンコーラスずつソロをやってもよかったのではないだろうか。
いずれにしても,私もギタリストの端くれとしては結構楽しんだが,だからどうなのよと言うこともできるようなアルバム。ということで全体としては星★★★☆ぐらい。
Recorded Live at Blue Note Osaka, in November 1998
Personnel: Larry Carlton(g), Steve Lukather(g), Rick Jackson(key), Chris Kent(b), Gregg Bissonette(ds)
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