Neil Larsen:哀愁系フュージョンと言うべきか
"Jungle Fever" Neil Larsen (A&M/Horizon)
何とも懐かしいアルバム(と言っても正式に入手したのは最近で,昔はダビングで聞いていた...)である。1978年と言えばクロスオーバー全盛期と言ってもよいが,そうした時代を色濃く映し出したアルバムである。
私は勝手にNeil Larsenを哀愁系フュージョンと呼んでいるが,この人の書くオリジナルは何となくマイナー・キーが印象的で,メロディ・ラインが親しみやすいのである。これがおそらく日本人の心の琴線をくすぐるように思えてならない。"Wind Song"などはGeorge Bensonのアルバムにも収められているが,Bensonがマイナー・キーの曲をやっても哀愁をあまり感じさせないのとえらい違いである。そうした哀愁系はもろにサンバをやっている"Sudden Samba"ですら表れているから,これは相当濃厚な「哀愁」だと言ってもよいだろう。Larsenのオルガンがまた哀愁度を高めている。
まぁこれを単なるスムーズ・ジャズだと言ってしまうこともできるだろうが,曲のよさに加えてLarsenのキーボードを支える盟友Buzzy Fatonの鋭いカッティング,鉄壁のWeeks~Newmarkというリズム・セクションや,もちろんMichael Breckerのソロなど聞きどころは結構多いため,凡百のスムーズ・ジャズよりははるかによいと言っておこう。Buzzy Fatonは全面参加であるから,Larsen Faton Bandと何が違うんじゃという話もあるが,まさしく歌のないLarsen Faton Bandだと思えばよい。尚,Breckerのソロについては"Last Tango in Paris"がいいという人もいるが,私は"Emerald City"でのソロの方がBreckerぽくて好きである。Breckerのソロは決して悪くはないが,全体の雰囲気からすると,"Paris"はアレンジを含めてもっと下世話にやらないと駄目である。何てたって,あの「お下劣」Gato Barbieriの曲なのだから。まだまだこれでは品が良すぎる。
本作をトータルで評価するなら星★★★☆ぐらいのものだろうが,実は私にとっては結構好みのアルバムではある。Tommy LiPumaプロデュースだけあって,期待は裏切らない。
Personnel: Neil Larsen(key), Buzzy Faton(g), Willie Weeks(b),Andy Newmark(ds), Ralph McDonald(perc), Michael Brecker(ts), Larry Williams(as, a-fl), Jerry Hey(tp, flh)
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