豪華ゲストを迎えたManhattan Transferのカバー・アルバムは楽しく聞けるのだが...
"Tonin'" The Manhattan Transfer (Atlantic)
最近はメンバーによるソロ活動が活発化しているManhattan Transfer(以下は親しみを込めてマントラと呼ぶ)であるが,私が彼らに対する興味を失ったのはいつ頃だろうか。最近はアルバムが出ても全く買わなくなってしまった。グループとしての実力は誰しも認めるところだろうが,やはりこういうグループゆえにマンネリズムに陥りやすいのも事実である。"Vocalese"のような冒険たっぷりな取組みばかりも続けられないだろうし,彼らとしても苦しいところである。
そんなマントラがArif Mardinプロデュースのもと,豪華ゲストを招いて制作した「起死回生の」ためのカバー・アルバムである。ゲスト陣がゲスト陣だけに相当の制作費をかけて吹き込まれたものであることは容易に想像できるし,なかなかに楽しい出来となっている。
しかし,このアルバム,楽しいことは楽しいのだが,マントラ色が希薄過ぎはしないだろうか。ゲストとリード・ボーカル・パートを分け合い,あとはマントラがバック・コーラスをつとめているだけのように聞こえると言ってしまうとそれこそ身も蓋もないが,そう感じさせるのも事実である。これはゲストが豪華過ぎるために,彼らに花を持たせなければならないという事情こそあれ,ややそれが行き過ぎたように思えるのは残念である。
そうした点を除けば,よく出来たポップ・ボーカル・アルバムであり,音としては相当楽しめる。それにしても,一音でそれとわかるギターのトーンで,曲を締めるB.B.Kingが入った"Thrill Is Gone"が素晴らしい。ついでに歌えばよかったのにと言ってはボーカルを務めたRuth Brownに失礼か。星★★★☆。
Personnel: The Manhattan Transfer; Cheryl Bentyne(vo), Tim Hauser(vo), Alan Paul(vo) and Janis Siegel(vo), with Frankie Valli(vo), Ferix Cavaliere(vo), Bette Midler(vo), Smokey Robinson(vo), Laura Nyro(vo), Phil Collins(vo), Ruth Brown(vo), B.B. King(g), Chaka Khan(vo), James Taylor(vo), Ben E. King(vo)
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