Branford Marsalisの初リーダー作:私は兄貴の方が好きである
"Scenes in the City" Branford Marsalis (Columbia)
Marsalis兄弟は兄のBranfordも弟のWyntonもどちらも立派なミュージシャンであることには間違いないところだが,さてジャズマンとしてどっちが好きなのよと聞かれれば,私は間違いなく兄貴のBranfordを取るだろう。
私は以前にも書いたことだが,決してWyntonも嫌いではない。"J Mood"や"Hot House Flowers"等最高である。しかし,本質的にジャズ原理主義のWyntonは真面目過ぎるのか,訳のわからん(というかあまりに伝統主義的な)アルバムを作っては,ファンの失望を買うというパターンを繰り返しているが,Branfordは弟よりもはるかに間口が広いミュージシャンである。代表的な事例がStingのバンドへの参加だったり,短期間で頓挫したがNBCの"Tonight Show"のバンマス就任だったりする。また,ブルース・アルバムを作ってみたり,変名でファンク・アルバムを作ったりと,かなり弟とのキャラの違いが大きい。
しかし,原則Branfordは相当イカした4ビートを演奏できるプレイヤーであり,彼のバック・バンドのメンバー選定からしてもそうした指向は見て取れる。ピアニストを見てもKenny Kirkland,Joey Calderazzoという素晴らしいところを押さえているところがナイスではないか。
このアルバムはそのBranfordの1984年発売の初リーダー作であるが,冒頭から私を嬉しくさせるような演奏が並んでいる。いきなりRon Carterとのデュオからピアノレス・トリオでの演奏に突入する"No Backstage Pass"からたまらない出来である。日頃私が評価しないRon Carterのベースの音でさえここではよく聞こえる。また2曲目にはナレーションを入れたりして,やはりBranfordの乗りは弟より絶対軽い(というか原理主義では絶対ない)と思わせる。
全編を通じて飛ばすところは飛ばし,美しく締めるところは締めており(最後のKirkland作"Parable"などはどうだ!),初リーダー作としては私はかなりの出来だと思う。"Waiting for Tain"のソプラノのかっこよさ等はまさしくたまらない。つくづく大したミュージシャンである。星★★★★☆。
Recorded in April and November, 1983
Personnel: Branford Marsalis(ts, ss), John Longo(tp), Robin Eubanks(tb), Mulgrew Miller(p), Kenny Kirkland(p), Ron Carter(b), Ray Drummond(b), Charnette Mofett(b), Phil Bowler(b), Marvin Smitt(ds), Jeff Watts(ds), Wendell Pierce(voice)
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