Wynton Marsalisが常にこうならば...
"Tribute to John Coltrane -A Love Supreme" Elvin Jones Special Quartet (Sony)
私はWynton Marsalisというトランペッターを結構高く評価している方だと思うのだが,彼の言動や演奏活動がより多くの支持を得ることの妨げになっているように思えるのは惜しい限りである。
誤解を恐れずに言えば,Wynton Marsalisはジャズ界の原理主義者であり,その伝統を重視する姿勢については理解できないわけではないが,私から言わせれば行き過ぎの部分がある。そうした彼の姿勢がある意味,訳のわからん活動や訳のわからん演奏につながっており,本来のトランペッターとしての実力に水を差しているように思えてならない。
だからと言って,このアルバムや"J Mood"のようなアルバムで聞かせる彼のエキサイティングなトランペット・プレイを否定することはできないし,このアルバムを聞いて興奮しないジャズ・ファンはいないだろう。何と言ってもやっているのが「至上の愛」であり,Elvinに鼓舞されたWyntonがラッパを吹きまくっている。私がWyntonに求めたいのはこうしたプレイである。うまくて,鋭い。こういう演奏を「常々」していれば,日本でも人気沸騰間違いないところなのだが...。また,基本的なアレンジはWyntonが行っているので,そもそも気合の入り方が違う。
私は残念ながらこの演奏を生で見たわけではないが,一度WyntonとElvinの共演は目撃している。そのときはElvin Jones Jazz MachineにWyntonが客演したものだった(場所は今はなきBottomlineである)が,その他のメンツとの実力差が露骨に出ていて,「何だかな~」の世界であった記憶がある。ついでに言えば,「花嫁人形」なんぞを演奏されて,ずっこけたのも事実である。その点,このアルバムは,基本的にWyntonのバンドにElvinが入ったようなかたちになっているので,ミュージシャンの実力については問題はない。そうは言っても,ここでも"Happy Birthday for Yuka"なんていう余計な曲が入っているので,またしても「何だかな~」なのだが,それを除けば大変素晴らしい出来である。星★★★★☆。
残念ながら,このアルバムは現在廃盤のようだが,つまらんアルバムを再発するぐらいなら,こういうアルバムを常にカタログに残しておくべきである。だから日本のレコード会社のやることはよくわからん。
Recorded on December 4, 1992
Personnel: Elvin Jones(ds), Wynton Marsalis(tp), Marcus Roberts(p), Reginald Veal(b)
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