富樫雅彦:またも追悼記事は寂しい
"Spritual Nature" 富樫雅彦(East Wind)
先日のMax Roachに続いて,8/22に富樫雅彦も亡くなったそうである。享年67歳。最近は体調が悪かったらしく,演奏活動からは遠ざかっていたような富樫ではあるが,それにしてもまだ若過ぎる死である。謹んで冥福を祈りたい。
富樫が不慮の事故により下半身の自由を失ったのは極めて不幸なことだと言われているが,いかんせん,ドラマーとしての富樫の凄みを知るすべもない私としては,本日紹介している"Spritual Nature"のような音源に頼らざるをえない。
しかし,私は決して富樫にとっていいリスナーであったわけではない。いまだに私はこのアルバムのよさを理解できずにいるし,富樫は私にとって結構敷居の高いミュージシャンであることは間違いのない事実である。私がこのブログを始めた当初,富樫の"Session in Paris Vol.1: Song of Soil"を取り上げたことがあるが,あのアルバムはDon Cherry,Charlie Hadenというメンツもあり,比較的とっつきやすいものだったのに対し,本作を含めた多くの富樫の音源はリスナーを跳ね返してしまう厳しさにあふれている。この゛Spiritual Nature"は私の理解を越えた世界にあり,フリー・ジャズとも言いきれず,時折顔を出す牧歌的なサウンドもジャズ的ではない。これはもはやジャズというよりも現代音楽だというのが私の解釈である。
世評では高く評価されたこのアルバムも,そうした意味では決してポピュラーにはなりえない音楽である。私はプロの批評家ではないので勝手に言わせてもらうが,素人でこの音楽がFavoriteという人は私のセンスではありえない世界である。もしそうした人が本当にいるとしても,かなり「スノッビッシュ」な感じを与える。
いずれにしても,このアルバムは私にとっての「踏み絵」のような存在であり,相変わらず微妙である。久し振りに再聴してもやっぱり何がいいのかよくわからなかった。私の修行が足りないということだろうか...。しかし,時折顔を出すスリリングな瞬間と,追悼の意味を込めて星★★★☆。尚,追記しておくが,翠川のベースの音が素晴らしい。
Recorded on April 9 and 29
Personnel: 富樫雅彦(perc),渡辺貞夫(fl, sn, al-fl),鈴木重男(fl, as),中川昌三(fl, b-fl),佐藤允彦(p, perc),翠川敬基(cello, b),中山正治(perc),豊住芳三郎(perc),田中昇(perc)
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