Keith Jarrettのヨーロピアン・クァルテット:このフォーク・タッチがたまらない
今やKeith Jarrettと言えばStandard Trioかソロかと言う感じになってしまっているが,管入りの彼のバンドはアメリカン・クァルテットも,ヨーロピアン・クァルテットのどちらもよかっただけに,一度ぐらい再編してもらえないかと思いたくもなる。特に私はフォーク・タッチが色濃く出たヨーロピアン・クァルテットを生で見てみたいという欲求にかられてしまう。
以前にも書いたかもしれないが,私は長い間Chick CoreaあるいはHerbie Hancock派で通してきており,必要以上にKeith Jarrettを毛嫌いしていたのが事実である。その昔はKeithの唸り声を聞くと発情期の猫のようで虫酸が走るとも言っていたぐらいなので,このアルバムの魅力に気づいたのも随分後になってからのことになってしまった。当然のことながら,このアルバムが出た頃は,彼らのライブを見ようなどという意思などあるはずもなく,その結果,このバンドを見る機会も永遠に断たれてしまったかもしれないと思うと残念である。
しかし,今このアルバムを聞いてみれば,KeithとJan Garbarekのサウンド的な相性が抜群であるとともに,Keithにしては親しみやすい曲,演奏ということがこのアルバムを魅力的にしていることがわかる。Garbarekはテナーでもソプラノでもたいへん心地よくKeithのピアノと共鳴させており,曲もGarbarekのために書かれているようにも感じてしまうほどフィットしている。その結果,締め上げられるようなスリルなどは感じさせるものではないが,非常に快適に時間が過ぎていくのである。そうした点では緊張感が恐ろしく強いアメリカン・クァルテット最終作"Survivors' Suite"との落差が大きい(もちろん良い意味で)。
今や中年となった私にとって,締め付けられるような緊張感より,この音楽の方が魅力的に感じられ,自らの若かりし頃のKeithに対する無理解を深く反省せざるをえない。曲はどこから聞いてもよい(やや"Mandala"だけが浮いている)が,フォーク・タッチと言う点ではやはり"Country"か。いずれにしても,軟弱と言われようがどうしようが,今の私の心を捉えて離さぬ曲の数々である。星★★★★★。
最後になってしまったが,この演奏を魅力的にしている要素としてDanielssonとChristensenの慎ましいリズム・バッキングがあることは声を大にして言っておく。
Recorded in November, 1977
Personnel: Keith Jarrett(p, perc), Jan Garbarek(ts, ss), Palle Danielsson(b), Jon Christensen(ds)
































































































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