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2007年7月19日 (木)

"'Four'&More":疾風怒涛の如き激演

Miles_4more_2 "'Four'&More" Miles Davis (Columbia)

これまでこのブログではMilesを含めてあまりジャズの偉人については記事を書いてこなかった。それは決して意図的なものではないのだが,私が書かなくても誰か書くよね~的な考えがなかったわけでもない。しかし,今までも彼らの音楽は聞いてきたし,今でも聞いているので,今後はもう少しそうした偉人についてもスペースを割くようにしたいと思う。そこで本日はMiles Davisである。

私は結構なMilesファンであるが,死の直前のMilesの演奏まで好きなわけではない。最後に私がMilesを見たのは私が米国滞在中のAvery Fisher HallにおけるB.B.Kingとのダブルビルだったが,はっきり言って聴衆に媚びるようなMilesの所作,あるいはワンパターンに陥った演奏など,はっきり言って私にとっては辛い思い出となってしまった。もちろん,その後間もなくMilesが帰らぬ人となるなど夢想だにしなかったが,それでもその当時はさすがにMilesも苦しいと思い始めていたのは事実である。

しかし,そうした最後期を除けば,Milesは私を魅了し続けてきたし,今でも多くの音源は鮮度を保っている。"Somethin' Else"然り,"Kind of Blue"然り,"Bitches Brew"然りである。これは素晴らしいことである。その中で,今日は"'Four' & More"である。このアルバムは,私のMiles歴の中でもかなり早い時期に入手したアルバム(当然LPの時代である)だったが,最初に聞いたときの衝撃はいまだに忘れられない。より具体的に言えば,"Kind of Blue"で聞きなれていたはずの"So What"が「なんでこうなるの?」という衝撃である。このスピード感,荒荒しさは何なのかとその当時は思ったものである。

ご承知の通り,このアルバムは"My Funny Valentine"と対を成すアルバムであるが,ハイブラウなリリシズムに満ちたのが"Valentine"だとすれば,このアルバムは疾風怒濤,まさに鬼神と化したMilesである。全てを急速調で飛ばしに飛ばすこのアルバムを聞いて興奮しないリスナーは,暴言を承知で言えば,ジャズの世界と無縁と諦めた方がよい。強烈と言ってもいいし,凄いといってもよいのだが,これはもはや次元の違う世界に行ってしまっている。HancockもTony Williamsもこれはトランス状態と言っても過言ではない。何が彼らをそうさせたのかを知る由もないが,とにかく強烈この上ない史上稀に見る激演である。

"So What"も速いが,"Walkin'"はもっと速い。これでは「徒歩」ではなく「全力疾走」である。いやはやの世界だが,録音されたのが真冬の2/12ということだから,きっとNYCには寒風吹きすさんでいたのだろう。そうした季節を踏まえて,人の心も体も心も熱くするための激演だったと考えることにしよう。久々に聞いてみたが,やはり私は興奮の坩堝にたたき込まれた。やはりMilesは偉大である。星★★★★★。

Recorded at the Philharmonic Hall, NYC on February 12, 1964

Personnel: Miles Davis(tp), George Coleman(ts), Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Anthony Willimas(ds)

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コメント

アルバムを2枚、静と動に分けたとはいえ、かなりすごいことになっているアルバムですね。確かに全力疾走っっている感じです。この時期、マイルスのアルバムでどれが好き、というのは難しいんですが、間違いなく、これは好きなアルバムの中に入っています。

当方のリンクは以下の通りです。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2020/05/post-cc5809.html

910さん,こんにちは。リンクありがとうございます。

まさに静と動と呼ぶに相応しい2枚のアルバムということだと思います。とにかく物凄い推進力だと思います。結構George Colemanって優秀だったなぁって感じさせてくれるアルバムでもありますね。

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» Miles Davis 『 Four & More 』 [雨の日にはJAZZを聴きながら]
先々週の Blue Note Tokyo でのロベルト・ガットのライブのテーマは ≪ Tribute to Miles Davis 1964 1968 ≫。つまりはウェイン・ショーター加入で完成をみた第二期黄金クインテットに対するオマージュということ。 菊池成孔氏の言葉を借りれば、この時期の音楽は、「 いまだに現役の分析対象/謎/魔法でありつづけ、模倣や再現はあらゆるマイルス作品のなかでもっとも困難という状態に、現在もあり続けている音楽 」(『 M/D マイルス・デューイ・... [続きを読む]

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