Dolphyファンこそ必聴のColtraneのVanguardボックス
"The Complete 1961 Village Vanguard Recordings" John Coltrane (Impulse)
これからは偉人について語ると宣言したので,今回はJohn Coltraneだが,真の主役は実はEric Dolphyである。
本作は世評の高い1961年ColtraneのVanguardのライブ音源の集大成盤である。これまで,このときのセッションは複数のアルバムに分散されていたのだが,それを演奏順に集大成したボックス・セットであり,これはファンにとってはたいへんありがたいコンピレーションである。まずそれを喜びたいが,喜びはそれだけには留まらない。
ここに収められた演奏のテンションは全編に渡って強烈であり,リーダー以下メンバーも完璧に近い演奏を展開している。これぞ熱い(時として暑苦しい)ジャズの典型であるが,本盤で最も注目すべきはEric Dolphyの演奏である。従来盤ではソロをカットされるという憂き目にあったDolphyの演奏がここでは完全に復活収録されていることが誠に喜ばしい。これが喜びその2である。はっきり言ってしまえば,ここでのDolphyのソロの魅力はColtraneを凌駕していると言っても過言ではない。それにColtraneがインスパイアされて,この激演が生れたと解釈すれば,このアルバムのMVPはDolphyにほかならない。よって,このアルバムはContraneのファンはもちろんだが,Dolphyのファンこそが「いの一番」に入手しなければならないアルバムである。録音も生々しく,目の前でTraneとDolphyが動き回るようである。
私はColtraneの大ファンというわけではないとしても,それなりには聞いてきたつもりでいる。その中でもこのボックス・セットが私に与えたインパクトは非常に大きかったし,日頃あまり聞くことがないColtraneのアルバムの中でも,このボックス・セットは例外的に聞くことが多いのである。それも偏にEric Dolphyのおかげと言ってはColtraneファンに失礼だが,それほどこのセットはDolphyの,そしてColtraneの凄い演奏の数々なのである。偉人と偉人が出会って,完璧なシナジーが生れた最適事例の一つ。星★★★★★以外にはありえない。
Recorded Live at the Village Vanguard in NYC on November 1, 2, 3 & 5, 1961
Personnel: John Coltrane(ts, ss), Eric Dolphy(as, b-cl), Garvin Bushell(oboe, contrabassoon), Ahmed Abdul-Malik(oud), McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Reggie Workman(b), Elvin Jones(ds), Roy Haynes(ds)
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