「危機」に次ぐYesの傑作
"Going for the One" Yes (Atlantic)
邦題は「究極」である。この作品は一旦脱退したRick Wakemanの復帰作として話題になったものだが,だらけた「海洋地形学の物語」や明らかに従来のYesとイメージが異なる"Relayer"の後に発表され,昔からのファンを驚喜させたアルバムであった。
この作品を聞くと,従来のYesに比べて美しいメロディ・ラインの曲が多いとともに、タイトなリズムが特徴となっていることがわかるのだが,このアルバムの凄いところは一曲として駄曲がないことである。
LP時代の表現を使えば,このアルバムに針をおろした瞬間,昔からのファンは一曲目のリズム・カウントとスライド・ギターに面食らいつつ、新しいリズム・フィギュアに驚いたものである。しかし,2曲目以降の美しいメロディを聞いて安心し、最後の"Awaken"で感動のピークを迎えるというシナリオを辿っていったはずである。特に"Awaken(悟りの境地)"のWakemanのピアノが美しく,やはりYesはこうでなくてはならないと考えるのである。また,"Parallels"における荘厳なパイプ・オルガンの響きを聞いても同様である。"Relayer"だけで脱退したPatrick Morazを否定するわけではないのだが,やはりMorazの音楽性はWakemanほどのYesとの親和性を示していなかったことを痛感させられるのが,これらの曲だと思えばいいだろう。
緊張感という観点では"Close to the Edge"には及ばないが、Yesのキャリアの中でも優れた出来を示す傑作であり,私としてはこれがYes「最後の傑作」という評価である。あまりにポップになり過ぎた"Tormato"やTrevor Rabinが入った"90125"は,もはや私の期待するYesのイメージではないのである。Yesミュージックかくあるべし。星★★★★★。
Personnel: Jon Anderson(vo, g, harp), Steve Howe(g,vo), Chris Squire(b, vo), Rick Wakeman(key), Alan White(ds, perc)































































































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