ECMとしては異色のメンツによるアルバム
"Cloud About Mercury" David Torn(ECM)
これはECMレーベルとしては相当異色のメンバーにより録音されたアルバムである。何と言っても,リズム隊が"Discipline" King CrimsonのTony LevinとBill Brufordである。ECMレーベルの歴史を見ても,こんなメンツはこのアルバムしかない。だからと言って,もろにCrimson的なプログレをやっているわけではないが,それでもそこかしこにそうしたタッチは聞かせている。
サウンドもECMとしてはかなり異色であり,メンツゆえ当然と言えば当然だが,ロック色がかなり強い。ジャズ的な世界に押しとどめているのはMark Ishamのトランペットだけであると言ってもよいだろう。聞いていて思うが,よくレーベル・オーナーのManfred Eicherがこのアルバムをプロデュースしたものである。彼の趣味とはかなり違う世界なのだが...
だからと言って,このアルバムが出来が悪いというわけではない。これはよく出来たジャズ・ロックであり,ECMというレーベル・カラーへのこだわりがなければ,何の問題もなく聞けるのである。しかし,世の中に結構存在するECMフリークにとっては微妙なアルバムではないだろうか。やはり通常のECMレーベルの作品とイメージが違いすぎるというのが偽らざる感想である。
私もかなりのECM好きだが,ロックもOKなので,本作には何の問題も感じないが,むしろCrimsonリズム隊にはもっと暴れまわって欲しかったというのが正直なところである。総合すると星★★★ぐらいだろうか。やはり私にとってもやや微妙である。
Recorded in March, 1986
Personnel: David Torn(g), Mark Isham(tp, flh, syn), Tony Levin(Stick, syn-b), Bill Bruford(ds, perc, syn-ds)
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