David Liebman対スウェーデン人トリオ
"Live at Visiones" Lars Danielsson, David Liebman, Jon Christensen, Bobo Stenson(Dragon)
これは渋いアルバムである。アルバムのカバーからすれば,Lars Danielssonをリーダーとするスウェーデン人トリオがDavid Liebmanを迎えて,今はなきNYCはVisionesで録音したライブ作である。
VisionesはNYCのBlue Noteのすぐそばにあったクラブだったが,派手なプログラムのBNに比べると,通好みというか渋いアーティストが登場するなかなかいいクラブだった。私が行った中では何と言っても,QuestのLiveが思い出深いが,渋すぎるプログラムが災いしたか,クラブとして長持ちしなかったのが惜しまれる。このアルバムはQuestからLiebmanを迎えているが,本来の主役はスウェーデン人トリオである。ECMレーベル・ファンが見れば,思わず膝を乗り出すメンツである。米国において,こうしたメンツがどの程度のポピュラリティを確保できるかは甚だ疑問だが,私の期待をはるかに上回る素晴らしい出来を示している。
このアルバムは,Liebmanがテナーに復帰する前のアルバムなので,全編ソプラノを吹いている(一部笛らしい音もするが,クレジットがない。聞けばわかるが,終曲は田舎の祭りかっ!とも言いたくなる部分もある)が,ここではいつにも増してクールなLiebmanを聞くことができる。これはひとえに共演陣の特性によるものと思われるが,「熱い」Liebmanを期待する向きには肩透かしを食らう可能性が強い。しかし,基本的に熱くならないところが,スウェーデン・トリオらしいのであって,これはこうした個性として聞くべきアルバムである。
ある意味,グリニッチ・ヴィレッジのど真ん中のような場所で,こうした演奏が展開されていたこと自体が奇跡的である。NYCでのライブ音源ながら,極めて北欧的なクールネスに満ちたアルバムであるとともに,どんなミュージシャンにも合わせることができるLiebmanの多才さを示した音源と言える。ゴリゴリの4ビートを好むジャズ・ファンはこうしたアルバムに手を出してはならない。ジャズと言っても,もはや別世界のサウンドである。好みは絶対にわかれるので,注意が必要だが,この手のサウンド好きは必聴。星★★★★。
Recorded Live at Visiones on March 8-9, 1996
Personnel: Lars Danielsson(b), David Liebman(ss), Jon Christensen(ds), Bobo Stenson(p)
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