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2007年6月 9日 (土)

懐かしのDave Weckl初リーダー作:多才さは必ずしも美徳ならず

Weckl "Master Plan" Dave Weckl(GRP)

Chick CoreaのElektric Bandで一躍シーンに登場したDave Wecklが1990年にリリースした初リーダー作である。Wecklはその手数とシャープでタイトなドラミングが特徴であるが,ここでもそうした彼の特性がよく表れている。

初リーダー作だけあって,このアルバムはWecklの多才さを実証するかのようなプログラムになっている。ホーン入りのキメを重視したフュージョンから,ブラジル,スムーズ・ジャズ系,更には4ビートまで,自分は何でも叩けますよとでも言いたいかのような曲群となっている。それがある意味,多才さの裏返しというべきか,アルバムを捉えどころのないものにしてしまっているところがあるのは残念である。

注目がChick CoreaとMike Breckerが参加した"Garden Wall",Steve Gaddとのツイン・ドラムスによるCorea作”Master Plan"に集まるのは当然であるが,録音のせいか前者はBreckerのトーンがやや細いように感じられ,本来ならもっと興奮させられそうなものがそうなっていない。Elektric Bandのバンドメイト,John PatitucciのGRPでのアルバムにおけるBreckerがよかっただけに,これは相性の問題かと思わせる。また,タイトル曲"Master Plan"はまんまElektric Band的であるが,せっかくのGaddの客演も初リーダー作へのご祝儀程度にしか感じられないものに留まっている。また,1曲だけピアノ・トリオにより演じられる"Softly, as in a Morning Sunrise"も唐突な感覚が強い。

結局,このアルバムの弱点はWeckl初リーダー作という位置付けを重視しすぎたことによるオーバー・プロダクション(言い換えればプロデューサーを兼ねたWecklの気負いとも言えるだろう)にあるように思える。豪華なゲストを迎えた本作より後年のWecklのバンドによる作品を,はるかにまとまりを感じさせるものとして好ましく思うのは私だけだろうか。演奏のレベルが高いだけに,これはややもったいないと言わざるをえない。ここはしっかりと別のプロデューサーを立てるべきだった。星★★★。

Personnel: Dave Weckl(ds), Jay Oliver(key), Chick Corea(key), Ray Kennedy(p), Eric Marienthal(ss, as), Jerry Hey(tp), Bill Reichenback(tb), Scott Alspach(tp), Peter Mayer(g, vo),  Anthony Jackson(b), Tom Kennedy(b), Steve Gadd(ds)

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コメント

今、デイヴ・ウェックルのアルバムを7枚、買ってから1年も経って、時系列順に聴いています。やはりGRPから出ているだけあって、豪華さではこのアルバムが一番でしょうね。でも、やはりいろいろ詰め込んで、お腹いっぱい感というのが出てきてしまいました。最初だからあれもこれも、というのは何となく分かるのですが。それでも個々の曲としては「おおっ!」となるものもありました。

TBさせていただきます。

910さん,コメント,TBありがとうございます。

確かに個々の曲のクォリティは高いのですが,やはりこれは詰め込みすぎでした。私はWecklのバンドを評価しているだけに,ちょっとこれはもったいなかったかなぁという感覚が強く,ちょっと残念でした。

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