Chet BakerとCTIはミスマッチのようでそうでもない
"She Was Too Good to Me" Chet Baker (CTI)
「枯葉」という邦題で知られたChet BakerのCTIにおける多分唯一のリーダー・アルバムである。ChetとCTIとは何ともミスマッチな感が強いが,ピアノがフェンダー・ローズ(Bob James!)なのと,ストリングスやフルートがバックに入ること,更にはメンツがやたらに豪華なことを除けば,Chet Bakerのほかのアルバムと違いがあるわけではない。これはあくまでも好き嫌いの問題であるが,私にとっては気楽に聞ける音楽と言える。むしろ,晩年に乱作気味にリリースされた諸作より好ましいと思えるぐらいである。
もちろん,本作はBakerの最高傑作ではない。"Chet Baler Sings"等Pacific Jazzの諸作の方が出来としてはよいに決まっているのだが,これはこれとして単独で楽しむという心の広さを持つべきである。また,Chet Bakerは一時期,前歯を暴漢に折られて,暫くラッパが吹けなかったところからの復帰ということもあるので,更に心の広さが必要になるだろう。そうした中,Bakerのトランペットは急速なフレーズはあまり吹けないようだが,ソロそのものは結構快調だし,ボーカルも聞けるから,ファンにとっては嬉しい作品ではないだろうか。
尚,本作には,ドラマーとしてSteve Gadd(①~④)とJack DeJohnette(その他)が参加しているが,二人のドラマーの個性が強く出ていて面白いとともに,Gaddの4ビート・セッティングでのドラミングが聞ける結構初期のアルバムではないだろうか。別にStepsのときでなくても,Gaddは4ビートを叩けるということがよくわかる演奏である。
それにしても,どこから聞いてもCTI的というのはプロデューサーのCreed Taylor及びアレンジャーのDon Sebeskyゆえではあるが,それにしても典型的なCTIサウンドという気がする。ここまで個性がはっきりしていれば,逆に大したものである。星★★★☆。
Recorded in July, October and November, 1974
Personnel: Chet Baker(tp, vo), Paul Desmond(as), Bob James(el-p), Ron Carter(b), Steve Gadd(ds), Jack DeJohnette(ds), Dave Friedman(vib), Hubert Laws(fl), Remeo Penque(fl, cl), George Marge(al-fl. oboe) & Strings
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