"Stop Making Sense":ロック・フィルム史上屈指の傑作
"Stop Making Sense" Talking Heads (EMI)
監督:Jonathan Demme
「羊たちの沈黙」の監督であるJonathan Demmeが撮ったTalking Headsのライブ・フィルムの傑作である。Janathan Demmeは多くのミュージック・ビデオに関わっているが,この作品は,音楽的な素晴らしさに加えて,「陰と陽」あるいは「光と影」を見事に活かした撮影が見事で,David Byrneによるコンセプト,映像と音楽の総合芸術として高く評価されるべきものである。
よく指摘されるとおり,ステージを操作するスタッフの姿は黒子のようであるし,David Byrneが後半で着るジャケットは裃のようでもあり,歌舞伎的な要素を感じさせると言えばそのとおりである。しかし,ここではそうした映像的な演出だけではなく,Talking Headsの素晴らしい演奏を忘れてはならない。冒頭のラジカセから流れるリズム・パターンとギター1本で演じられる"Psycho Killer"からぞくぞくするような出来である。全編を通して全くだれることなく,緊張感とファンクネスに溢れたここでの演奏は,Talking Headsとしても最良の部類であろう。私としてはスタジオ録音よりはるかに興奮する出来である。全部ひっくるめても星★★★★★の評価は揺るがない。
それにしても多数の音楽フィルムを撮っているMartin Scorseseは言うに及ばず,"Traffic"の監督,Steven SoderberghもYesのライブ・ビデオ("90125"時代のもの)を撮っているが,優れた映画監督は,音楽を撮らせても素晴らしいということがよくわかる。あるいは音楽的なセンスも映画監督にはある意味で重要な要素なのかもしれない。
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