輝かしきカーペンターズの時代
"Twenty Two Hits of the Carpenters" Carpenters (A&M)
1970年代初頭,日本でも圧倒的な人気を誇ったCarpentersのベスト盤である。アルバム単位でCarpentersを聞きたいと思ったことは私にはないが,この見事なばかりのシングル曲コレクションを聞けば,彼らが時代の寵児であったことは間違いのない事実だと再認識できる。
1970年初頭と言えば,私が小学校の高学年の頃であるが,ラジオ(AMの深夜放送)でのエアプレイの頻度は,洋楽ではCarpentersがダントツであったと記憶しているが,ここまで日本での人気が高まった理由は,彼らの音楽の「わかりやすさ」ではなかったかと思う。Karen Carpenterのディクションが日本人の感覚にフィットしたこともあるだろうし,音楽がかかっていても生活の妨げにならないという「ながら族」にとっての適切性(刺激の少なさ)もあろう。
いずれにしても,今,彼らの音楽を聞いて思うのは,ここに収められている曲のほとんどを歌えてしまうということに対する驚きであるが,まだまだ未成熟であった私の音楽体験に,ある意味洋楽のよさを教えてくれたのはCarpentersであったように思う。なんでこんな曲がヒットするのか疑問に思える曲がないわけではないが,私の洋楽の原体験の一つとして,彼らには改めて感謝せざるをえない。その意味でこのアルバムは星★★★★★に相当する。
しかしながら,あれほど圧倒的な人気を誇った彼らが,日本での人気にかげりが生じたのは,あまりに期待の大き過ぎた日本公演からだったのは皮肉なことである。私は今でも当時TV放送された武道館公演でのひばり児童合唱団を伴った最悪の"Sing"のことが忘れられない。あの日本の聴衆に媚びるような演出による「がっくり感」は,子供心ながら私にもショックを与えたし,多くのファンに失望感をおぼえさせたように思う。
そうは言っても,ここに収められた曲の数々はエバーグリーンと言ってもよいものであるし,今でもその輝きは失せていない。まさしく一つの時代の断面を切り取った音楽であり,このベスト盤を聞くとカラオケで歌いたくなってしまうのが私の中年たる所以か...。
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