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2025年12月14日 (日)

"The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition"を入手。無駄遣いと言われればその通りだが。

Koln-concert-50th
"The Köln Concert: 50th Anniversary Special Edition" Keith Jarrett (ECM)

先日山口ちなみの完コピ盤に否定的な記事を書いたが,そこにも書いたように,「50周年記念盤のデリバリーが待ち遠しくなるという副次的な効果」はあった。

私は長年このアルバムをCDで聞いてきたが,恥ずかしながらアナログで入手するのは今回が初めてであった。CDを保有しているんだからそれでいいじゃないかと言われればその通りかもしれないし,昨今の輸入盤の価格高騰,かつアナログの高値を考えれば,無駄遣いと言われても返す言葉はない。

しかし,デリバリーされた2枚組のディスク1のA面から早速プレイバックしたところ,これがこれまでCDで聞いてきた印象と異なることには我ながら驚いた。私のオーディオ・セットは大したものではないが,これまで聞いてきたCDがアナログよりもずっとエッジが立った音だったという感触であった。心なしかテンポもゆったりしているのではないかとすら感じてしまうところもあった。

このアルバムに収められた空気感のようなものすら強く感じさせるもので,安くはなかったが,やはり入手してよかったと感じたのであった。結局のところ本家の演奏は圧倒的に素晴らしいのであった。

Recorded Live at the Opera, Köln on January 24, 1975

Personnel: Keith Jarrett(p)

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2025年12月13日 (土)

現物はまだデリバリーされていないが,Al Fosterの"Live at Smoke"をストリーミングで聞く。

Live-at-smoke"Live at Smoke" Al Foster(Smoke Sessions)

既に当ブログでも紹介した年末の最注目盤(記事はこちら)である。音源として12/5にリリース済みだが,現物が届いていない本作をストリーミングで聞いている。何せメンツが豪華である。フロントにはクリポタことChris Potter,リズム・セクションはリーダー,Al FosterにBrad Mehldau,Joe Martinの顔ぶれである。期待するなという方が無理な話だ。そしてその期待は裏切られることはない。

この演奏はAl Fosterの82歳の誕生日を記念した今年1月のセッションの模様であるが,その4か月後の今年5月に亡くなるとは思えない演奏ぶりである。

冒頭のクリポタのオリジナル"Amsterdam Blues"からワクワクするような演奏である。それに続くのがBrad Mehldauオリジナルの"Unrequited"とあってはマジで痺れる。更にJoe Martin,Al Fosterのオリジナルに加え,Wayne Shorterの"E.S.P.",Sonny Rollinsの"Pent-up House",John Coltraneの"Satellite",更にはスタンダードと聞きどころ満載なのだ。このメンツであればやはり間違いないのであった。現場にいた聴衆にジェラシーを感じた私である。

Al Fosterは生前,このアルバムの最終ミックスを聞いて涙したそうだが,自分の死期を悟った上でのことだったのだろうか。しかしこの世を去っても素晴らしい置き土産を残していったと言いたくなるアルバムである。リリースされたこと自体の喜びも含めて星★★★★★としよう。

Recorded Live at Smoke on January 18 & 19, 2025

Personnel: Al Foster(ds), Chris Potter(ts, ss), Brad Mehldau(p), Joe Martin(ds)

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2025年12月12日 (金)

忙しない師走に聞くのに最適なアンビエント・ミュージック。

_20251210_0002 "Apollo: Atmospheres & Soundtracks" Brian Eno (Virgin)

保有していることは覚えていても何年も聞いていなかったアルバムだ(爆)。Atmospheresとサブタイトルに掲げるだけあって,まさにアンビエント。主題の通り,忙しない師走にこういう音楽を聞いているとそうした忙しない気分からも解放される効果は間違いなくある。

元々はアポロ計画に関するドキュメンタリー用に製作されたもののようだが,ほかの映画のサウンドトラックにも使われるという使い勝手のよい(笑)アルバムであり,サウンドと言ってもよかろう。

作曲,演奏はBrian Eno,Daneil Lanois,そしてRoger Enoによって行われている一方,どういう楽器編成なのかは不明だが,そんなクレジットは不要って感じの音だ。まぁこれを音楽として捉えるかどうかは微妙な部分はあると言えばあるのだが,アンビエントというのはこういうものだと感じさせる。とにかくバックで流れていても何の邪魔にもならないことは保証可能(笑)。小音量で流していれば,美術館にもフィットしそうな音楽である。

Musicians: Brian Eno, Daniel Lanois, Roger Eno

2025年12月11日 (木)

ようやく現物が届いたMike ReidとJoe Henryのアルバム。どえりゃ~渋い!

Mike-reid-joe-henry"Life And Time" Mike Reid & Joe Henry(Thirty Tigers)

ちっとも現物が届かないでやきもきさせられたアルバム。とっくにストリーミングでは聞いていて,その渋さにまいっていた私だが,とにかく現物が来ない。某サイトでは挙句の果てに注文をキャンセルされ,結局別サイトに発注したものがようやく届いたものだ。アルバム自体は9月にリリースされていたにもかかわらず,一体これはどういうことだったのかと思ってしまうが,これだけ渋いアルバムではプレス枚数も少ないということか?国内盤のリリースも大幅に遅れているみたいだしねぇ...。

閑話休題。このアルバムはMike ReidとJoe Henryのコラボ・アルバムということになっているが,ライナーによれば,Joe Henryが書いた詞にMike Reidが曲を付けるというかたちのようだ。そしてMike Reidがピアノ弾き語りで歌ったものに,その他のミュージシャンの演奏がオーバーダビングされるという,「コロナ禍」中のコラボのようなかたちで録音されたようだ。Joe Henryがギターでクレジットされているのは1曲だけだが,コーラスを付けているのはJoe Henryと思われる。このMike Reidという人,もともとはNFLのシンシナティ・ベンガルズのラインバッカーだったらしいが,そこからソングライター業に転じたという超異色の経歴ながら,Bonnie Raittの"I Can't Make You Love Me"を書いたのもこの人と知って,へぇ~となってしまった。Bonnie Raittが"The Bridge"でコーラスを付けているのはそうした縁によるものだろう。

それにしても滋味あふれるアルバムである。刺激的なところは何もない(きっぱり)。誤解を恐れずに言えば,余計なものをそぎ落とした一種のミニマル・ミュージックと言ってもいいかもしれない。しかし,私のような年齢になると,こうしたサウンドには癒されると感じる部分が大きい。こういうアルバムをグラスを傾けながら聞いていると,間違いなく落ち着きと潤いをもたらしてくれるだろう。そして歌詞をよく咀嚼したくなるようなアルバムである。星★★★★☆。やはりプロデューサーとしてのJoe Henryは信頼に値すると思わせるに十分な出来だった。

Personnel: Mike Reid(vo, p), Joe Henry(vo, gp), Joe Henry(vo, g), Bonnie Raitt(vo), Steve Dawson(g, pedal steel), John Smith(g), Pattrick Warren(key, org), David Piltch(b), Ross Gallagher(b), Jay Bellrose(ds),, Levon Henry(ts, as, cl, melodica)

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2025年12月10日 (水)

Steve Cropperを偲んで"Dedicated"を聞く。

_20251208_0001 "Dedicated: A Salute to 5 Royales" Steve Cropper(429 Records)

先日亡くなったSteve Cropperを偲ぶなら何がいいかと思いつつ,そう言えばSteve Cropperのアルバムを保有していたことを思い出し,取り出したのがこのアルバム。2011年にリリースされたアルバムだが,このブログにはなぜかアップしていなかった。

サブタイトルにもある通り,Steve Cropperが影響を受けた"5" Royalesへのトリビュート・アルバム。サブタイトルは5 Royalesとなっているが,5には"5"とダブル・クォーテンションを付けるのが正しいようだ。不勉強にして"5" Royalesについては全然知らなかったが,50年代を中心に活躍したR&Bグループらしい。若かりし頃のSteve Cropperが影響を受けたとのことで,ここでは多様なゲストを迎えてのアルバムとなった。特に影響されたのはギタリストのLowman "Pete" Paulingらしいが,ライナーにはそのストラップに関する記述が結構されている。

ここではいかにもテレキャスターらしい音が溢れていて,これぞSteve Cropperって感じの音が全編で続く。エフェクターなんて大していらないぜっ!みたいな音が何ともソウルフル。こういう音源を聞くとつくづく惜しい人を亡くしたと思う。

アルバムについても少し述べておこう。そもそもアルバムのベースとなる演奏をしているリズム・セクションの面々が素晴らしく,それだけで出てくる音が想像できる。Steve Cropperを支えるのがSpooner Oldham,David Hood,Steve FerroneにSteve Jordanという面々なのだ。そしてベーシック・トラックのレコーディングを担当したのが,ヴォーカルも聞かせるDan Pennとあってはくぅ~っとなること必定なのだ。

ゲストも豪華だ。Steve Winwood,Bettye Lavette,B.B. King,Lucinda Williams,Delbert McClinton,更にはBrian May等に加え,Keb Moはバック・コーラスだけって何とも贅沢である。これも偏にSteve Cropperの人徳ゆえってところと思える。そうした点も踏まえ,改めてではあるが,R.I.P.。

Personnel: Steve Cropper(g, vo), Spooner Oldham(p, el-p, org), David Hood(b), Steve Ferrone(ds, perc), Steve Jordan(ds), Neal Sugarman(ts), Jon Tiven(ts, vo) with Steve Winwood(vo, org), Betty Lavette(vo), Willie Jones(vo), B.B. King(vo, g), Shemeka Copeland(vo), Lucinda Williams(vo), Dan Penn(vo), Delbert McClinton(vo), Brian May(g, vo), Sharon Jones(vo), Buddy Miller(vo, g), Dylan Lebranc(vo) + Harry Stinson(vo), Beth Hooker(vo), Angel Cropper(vo), Leroy Parnell(vo), Keb Mo(vo), Billy Block(tambourine)

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2025年12月 9日 (火)

追悼,Steve Cropper,Phil Upchurch。

Steve-and-phil

相次いで二人のギタリストの訃報に接することになった。影響力が大きかったのはSteve Cropperの方だろうが,Phil UpchurchもGeorge BensonやらDonny Hathawayをはじめとする人々のバックのみならず,リーダー・アルバムも多数という人であった。リーダーでもありながら,我々の記憶に残るのはバッキングというところが共通していると思えるが,60年代以降の音楽シーンの屋台骨を支えたと言ってよいギタリスト二人であった。

R.I.P.

2025年12月 8日 (月)

またも見ました白黒映画:今回は「ミュンヘンへの夜行列車」。

Night-train-to-munich「ミュンヘンへの夜行列車(“Night Train to Munich")」('40,英/米,Fox)

監督:Carol Reed

出演:Margaret Lockwood, Rex Harrison, Paul Henreid, Basil Radford, Naunton Wayne, James Harcourt

休みになると白黒映画を見続ける私だが,今回見たのが「第三の男」の名匠,Carol Reedがそれに先立って撮った娯楽映画。後に「マイ・フェア・レディ」でヒギンズ教授を演じるRex Harrisonが英国の諜報部員を演じるが,歌うシーンも出てきて,昔からああいう感じだったのねぇと思わせる。

狂言回し的な役割の二人組,Basil RadfordとNaunton Wayneが出てくるのがイギリス映画的だが,この二人,Hithcockの「バルカン超特急」にも出ているらしい(「バルカン超特急」も見たことはあるが,全然覚えていない...)。ポスターでもこの二人が結構目立っているから,結構重要なポジションにあったということかもしれない。そもそもMargaret Lockwoodはその「バルカン超特急」の主役だし,脚本を書いているSidney Gilliatも同じということで,姉妹編と言ってもよいような映画である。

Sidney Gilliatは先日取り上げた「絶壁の彼方に」を撮った人だが,この映画でも山並みが出てくるので,そうしたシチュエーションが得意だったと想像されるが,面白みのあるストーリーを仕上げる能力は大したものだと思った。

最後はカーチェイス,ロープウェイによる脱出行やら,更には銃撃戦等のアクション映画的要素を織り込んで,戦時中とは思えぬ娯楽編となっているが,ミニチュアを使った映像が時代を感じさせて微笑ましい。一方,記録映画等を交えてのナチスへの敵愾心は相当なものなのも時代である。そこで憎々しいゲシュタポを演じるのがPaul Henreidで,この時はPaul von Henreidとクレジットされている。私は「カサブランカ」のPaul Henreidしか知らないが,「カサブランカ」とは真逆の役割なのが面白かった。

いずれにしても,こういう映画が欧州に戦火が広がっている時に撮られていたこと自体が驚きであるが,十分に楽しめるエンタテインメント映画であった。星★★★★。

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年12月 7日 (日)

上原ひろみのHiromi’s Sonicwonder@東京国際フォーラム参戦記

Sonicwonder-live

突然のお知り合いのお誘いにより上原ひろみのライブに行ってきた。このバンドのライブをCotton Clubで観た(その時の記事はこちら)のがもう2年前かぁって感じだが,今回の東京国際フォーラム公演は2夜連続でソールド・アウトという人気ぶり。直前の北京公演は日中関係の悪化を受けてキャンセルになったようだが,日本公演は結構な数が組まれていて,その人気ぶりは相変わらず凄まじい。今回のライブ前に未聴だったバンドとしての第2作"Out There"をストリーミングで予習しての参戦である。アルバム冒頭の"XYZ"から激しいグルーブで,これをライブでやったらどうなってしまうんだろうと思わせる音で,Hadrien Feraudのベースが強烈に煽る。今回もHadrien Feraudは注目だと思った。

Sonicwonder_20251207070601会場に到着すると,何と7列目中央というナイスなポジション。客層は意外(?)に高齢層が多い。上原ひろみのやっている音楽からすれば,もう少し年齢層が低いと想像していたが,彼女もデビューして23年目であるから,当時からのファンも歳を重ねた結果ということかもしれない。だとしても,ファンが離れないというのは大したものだと思う。

Photo_20251207072801 この日のスターは上原ひろみである。ライブは冒頭から笑いたくなるような強烈なグルーブを展開し,1曲当たりの演奏時間も長くなる中で,20分の休憩を挟んで,アンコール含め約2時間強のステージを見ていると,体力あるわぁ~と思ってしまった上原ひろみである。まさに彼女のプレイぶりは一種の「芸風」とさえ言いたくなるようなもので,まさに「弾き倒し」であった。全くやっている音楽は違うが,聞いていて(見ていて)一種の爽快感を与えるのは私にとっては山下洋輔と同じだと思いながら見ていた。期待のHadrien FeraudはPAのせいか,少々音がバンドに埋没する感じがあったものの,テクニシャンぶりを発揮して,見ているこっちは相変わらず凄いねぇと思いつつも,演奏中はあくまでも上原ひろみに視線が集中するようになっているのだ。これがスターってものだろう。

活動を重ねてバンドとしてもこなれて,前回は疑問を感じたGene Coyも今回は違和感なくバンドを煽っていたし,ラッパのAdam O'Farrillはエフェクターを使いながらも,ソロイストとしても場を与えられているのにちゃんと応える吹きっぷりであった。前回同様,この人の本質はコンベンショナルなプレイだとは思いつつ,ちゃんとこのバンドの音楽にフィットさせるのは大したものだ。

いずれにしても,バンドとしては聴衆を満足させる術を知っていると感じさせるものであり,エンタテインメントとして楽しめる演奏であったと言える。2枚のアルバムからの曲を演奏した後の,アンコールの1曲目として上原ひろみがソロで弾いたBeatlesの"Blackbird"。この曲はBrad Mehldauもよく弾くのでついつい比較したくなってしまったが,冒頭のメロディ・ラインの弾き方こそBrad Mehldauに近い部分があったが,演奏が進むにつれてピアニストとしての個性の違いも出てきて面白かった。

今回のライブに接して,上原ひろみがなぜ人気があるのかということを,2年前のCotton Clubでの演奏以上に理解した私であった。お誘い頂いたMさんにはこの場を借りて感謝したい。ありがとうございました!

Live at 東京国際フォーラム ホールA on December 5, 2025

Personnel: 上原ひろみ(p, key, synth), Adam O'Farrill(tp), Hadrien Feraud(b), Gene Coye(ds)

2025年12月 6日 (土)

Blue Note東京でのライブが蘇るSFJazz Collectiveの"Collective Imagery"。但しストリーミング・オンリーか?

Collective-imagery"Collective Imagery" SFJazz Collevtive(SFJazz)

今年3月に来日して素晴らしい演奏を聞かせたSFJazz Collectiveであるが,今回リリースされたのはライブの2ndセットで演奏された,デ・ヤング美術館で開催された"Art Place"展の作品にインスパイアされた曲のアルバム化。今のところ,媒体でリリースされている様子はなく,ストリーミングのみのようだ。

ライブの時は7曲だったはずだが,Edward Simonがインスパイアされた"New Normal"は"Guradians of the Oceans"と"Guardians of Forests"の2曲に展開され,全8曲になっている。この取り組みはメンバー7人の作曲能力と演奏能力が相俟って評価されるべきだが,そこは素晴らしいメンツが集まったSFJazz Collectiveであるから,全く問題なしである。

まぁプログラムの性格上,丁々発止という感じではなく,アンサンブルを基本に各人のソロが乗っかるというところだが,聞いていて十分魅力的な作品となっているのはミュージカル・ディレクターのクリポタことChris Potterの統率力ゆえと言ってもよい。ついつい星も甘くなり,星★★★★☆。

それにしてもクリポタの神出鬼没ぶりには驚かされる。SFJazz Collectiveのディレクターを務めながら,世界中でいろいろなライブ/演奏に参加している。間もなく開催されるモントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパンではHerbie Hancockのバンドの一員としても来日しながら,11月下旬にはスロヴェニアでビッグバンドに客演したりしているのだ。体力あるわ~。

Personnel: Chris Potter(music director, ts, ss, b-cl), David Sánchez(ts, perc), Mike Rodriguez(tp, fl-h), Warren Wolf(vib, perc, vo), Edward Simon(p), Matt Brewer(b), Kendrick Scott(ds), Cava Menzies(vo)

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2025年12月 5日 (金)

「ケルン・コンサート」の完コピ現る。

Photo_20251204174401 "The Koln Concert" 山口ちなみ(寺島レコード)

Keith Jarrettの"Köln Concert"がリリースされて今年で50年ということで,間もなくアナログの50周年記念盤もリリースされる予定だが,それに先立って「完コピ」とでも言うべきアルバムが登場したのには驚いた。ということで興味本位で聞いた私である(笑)。こうしたアルバムが出てしまうこと自体,それだけKeithのアルバムのインパクトが強いということの証左ではあるが,譜面に基づいてプレイヤーの解釈で演奏するのはクラシックの乗りで,ストリーミングで聞いたここでの演奏には,山口ちなみの「解釈」はほとんど存在しないと言ってもよいものだ。

ピアノのタッチそのものやトーンに若干の違いはあるとしても,演奏に驚くようなところはない。なので,当然こういうアルバムがリリースされることには賛否両論存在することは間違いなかろうが,この程度のアダプテーションに留まるのであれば,存在意義が本当にあるかと言えば疑問だと言っておきたい。敢えてこれを聞くぐらいならKeith Jarrett本人の演奏を聞いていれば十分というのが私の感覚だ。ベーゼンドルファーを使ったらしいが,ストリーミングではその効果も感じないしなぁ...。

まぁ,演奏としてはよく出来ましたってところではあろうが,私には全く必要のないアルバム。間もなくリリース予定の50周年基盤のデリバリーを待ち遠しくさせる効果はあったな(爆)。

Recorded on September 27, 2025

Personnel: 山口ちなみ(p)

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2025年12月 4日 (木)

ナベサダのフュージョン・アルバムをストリーミングで聞く。

Birds-of-passage "Birds of Passage" 渡辺貞夫(Elektra)

恥ずかしながら,このアルバムを通しで聞いたのは多分今回が初めてだ。このうちの何曲かはElektraレーベル時代のベスト盤"Selected"で聞いていたから,聞いた気になっていたかもしれないが,正直なところ私はあまりこの時代のアルバムを保有していないし,あまり聞いていないというのが実態だ。例外はPatti Austinが歌った"Any Other Fool"につられて買った"Front Seat"ぐらいだ。

今回改めて聞いて,よくよくクレジットを眺めると,Russell Ferranteが重要な役割を果たしていたことがわかる。既発曲である"Round Trip","Pastoral",そして"Chaser"のアレンジを任せたのに加え,キーボードで全面参加しているのを見てへぇ~となったが,今でも共演を続けているところを見ると,それなりの相性の良さをナベサダ本人も感じているのだろう。

全編を聞き通してみると,"Selected"に選曲された曲は確かに出来がよいが,それ以外は少々ソフトに流れた感じがする。特にGeorge Dukeがプロデュースした曲はそう感じる部分が強い。そうは言っても,相応のミュージシャンが揃っているので演奏に破綻はなく,それなりに楽しめるとは思いつつ,例えば"Chaser"なんかは"Autumn Blow"での演奏と比べるとスリリングな部分がそがれたかなぁって気がする。その辺りは少々残念にも思うが,まぁこういう感じねってところ。Hubert Lawsはさておき,Freddie Hubbardが1曲で客演している効果はあまりない。星★★★☆。

尚,PersonnelはDiscogsのデータを参考にした。

Personnel: 渡辺貞夫(as, sn, vo), Russell Ferrante(p, key), George Duke(synth), Dan Huff(g), Paul Jackson, Jr.(g), Abraham Laboriel(b), Vinnie Colaiuta(ds), John Robinson(ds), Alex Acuna(perc, vo), Paulinho Da Costa(perc, vo), Hubert Laws(fl), Freddie Hubbard(fl-h), Alexandria Brown(vo), Carl Carwell(vo), Lynn Davis(vo), Maria Laporace(vo), Daniel Acuna(vo), Diana Acuna(vo), Regina Acuna(vo), Jimmy Haslip(vo), Petsye Powell(vo)

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2025年12月 3日 (水)

らじる★らじるで聞き逃したDutoit/N響のオール・ラヴェルを振り返る。

Dutoit-n

海外出張の日程と重なり泣く泣く聞き逃したDutoit/N響のオール・ラヴェル・プロをNHKのネットラジオ,らじる★らじるで聞いた。生で聞くのとは全く異なるはずだとは思いつつ,こうして聞き逃した演奏に触れられただけでもよしとせねばなるまい。

冒頭の「亡き王女のためのパヴァーヌ」こそ馴らし運転って感じがしない訳でもなかったが,「クープランの墓」からして相当な出来だと感じさせ,「ダフニスとクロエ」への期待値を高める演奏ぶりであったと思う。

そして「ダフクロ」だが,これを生で聞いていたら興奮必定,音響が炸裂した際には,現場にいれば血沸き肉躍ると感じたこと間違いなしの激演であり,間違いなく凄かったであろうと確信しうるライブであった。エンディングに向けての二期会合唱団の歌いっぷりも素晴らしく,いやはや強烈なクライマックスであった。

仕事上の都合とは言え,改めてこの演奏を聞き逃し,見逃したことを痛切に悔やんだ私である。今後のTV放送を待つだけでなく,こうなったらDutoitが振った「惑星」も聞けるうちに聞くことにしよう。

2025年12月 2日 (火)

2年も前に出ていた原田知世のカヴァー・アルバムを今頃聞く。

4 「恋愛小説4」原田知世(Universal)

このアルバムが2023年にリリースされていたことも全く知らなかったのだが,洋楽カヴァー集としては「恋愛小説」以来8年ぶりだったそうだ。私にとっては,原田知世のこの手のアルバムでは「カコ」への評価が突出していると言ってもよいが,それでも原田知世の声で洋楽を歌われることには相応の期待をしてしまう。そして選曲が適切であれば,相応の成果は得られるはずだと思う。なので,このアルバムをストリーミングで聞く際にも,それないの期待値はあったことは言うまでもない。

そして並んでいる曲を見れば,まぁ原田知世の声には合いそうだという曲が並んでいて,「わかっているねぇ」という感じだ。Joni Mitchellの"Both Sides Now"は「カコ」でもやっていたので再演となるが,ほかの曲も洋楽好きはまぁ反応すること間違いないというところだろう。

アルバムを聞いていると,ここでの原田知世のウィスパー・ヴォイスは相変わらず魅力的だし,通常のリスナーの期待値には十分応えるだろうと思えるのだが,アレンジメントにはもう一工夫あってもよかったのではないか。原曲へのリスペクトを含めれば,こういう感じでも仕方ないところもあろうが,破綻はなくとも少々当たり前すぎて,凡庸に響くというのは否めないと思えた。出来としては「恋愛小説」第1作と似たようなものという感覚だが,そうした中で,Neil Youngの"Only Love Can Break Your Heart"は実にいい曲だったと改めて気づかせてくれたこともあり,少々甘めの星★★★☆。

しかし,このジャケはどうなんだろうねぇ...。

Personnel: 原田知世(vo),伊藤ゴロー(g, prog),佐藤浩一(p),鳥越啓介(b),小川慶太(ds),角銅真実(perc),伊藤彩(vln),結城貴弘(cello),坂本楽(fl),北村聡(bandneon),SARA(vo)

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2025年12月 1日 (月)

Gene Tierneyが美しい「ローラ殺人事件」。

Laura-movie-1944「ローラ殺人事件("Laura")」(’44,米,Fox)

監督:Otto Preminger

出演:Gene Tierney, Dana Andrews, Clifton Webb, Vincent Price, Judith Anderson, Dorothy Adams

太平洋戦争中にこういう映画が作られていたところに,国力の違いが強く感じられると思わざるをえない。余裕で映画製作が行われていたことを示すサスペンス映画の傑作。主役のGene Tierneyがなかなか登場しないところは,以前取り上げた「過去を逃れて」でJane Greerがなかなか出てこないところと共通するのが面白い。まぁこちらは回想シーンでの登場というところに違いはあるが,こういうシナリオが流行りだったのかとも思わせる。いずれにしてもこのGene Tierney,セクシーというよりクールな別嬪という感じの綺麗な人である。

Gene_tierneyそもそも殺伐とした殺人のシーンは出てこず,誰が犯人なのかわからないという展開で,最後はそういうこと?って感じにはなるが,よく出来たサスペンス映画で,その筋で高く評価されるのもよくわかる作品。作風の多様さで職人監督と言ってもよいOtto Premingerの監督デビュー作となるのだが,本作からしてその技を示したというところ。星★★★★☆。

尚,Michael Jacksonの「スリラー」でお馴染みのVincent Priceがプレイボーイ役を演じているのは,後の出演映画を考えると笑えるが,その長身にはびっくりしてしまった。Gene Tierneyの別嬪ぶりがよくわかるポートレートも貼り付けておこう。

本作のDVDへのリンクはこちら。ストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月30日 (日)

またまた見ました,白黒映画:「天使の顔」ってタイトルからは想像できない怖~いフィルム・ノワール。

Angel-face 「天使の顔 ("Angel Face")」(’52,米,RKO)

監督:Otto Preminger

出演:Robert Mitchum, Jean Simmons, Mona Freeman, Herbert Marshall, Leon Ames

「過去を逃れて」に続くRobert Mitchumの出演映画である。この映画は日本では劇場未公開だったらしいが,職人と言ってよいOtto Premingerが撮ったフィルム・ノワールで,「小悪魔的ティーンエイジャー」を演じるJean Simmonsが怖い。それに翻弄されるのがRobert Mitchumなのだが,タフガイっぽいのに優柔不断にすら映る部分があるのはどうなのよと思いつつ,まぁJean Simmonsが演じるDianeが無茶苦茶なキャラなので,そっちの怖さの方が勝ってしまう映画。

映画の前半部からJean Simmonsのもはやサイコパス的な怪しさが出ているが,90分そこそこの映画ながら,裁判シーンなどにも時間を掛けて丁寧に作られているのは大したもんだと思った。まぁこの映画の公開当時,23歳だったJean Simmonsが19歳を演じても,とても19歳には見えないところはよしとして,絶対こんな女に関わりたくないと思わせるだけでこの映画は成功だろう。一種のファム・ファタールと言ってもよいが,むしろ上述の通りサイコパスだ。この映画のポスターのイメージそのものだ。ストーリーがストーリーだけに,詳しく書くのは野暮だが,いかにもLAらしい夜景が一部で出てくるのも一興。よく出来た映画として星★★★★☆。

尚,この映画には執事の伊藤とその妻ちよ役として日系人の役者が出ているが,彼らの間のセリフは拙いとは言え,きっちり日本語で行われていたところも好感度が高かった。

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月29日 (土)

全然ECMっぽくないのだが,音に痺れるジョンスコ~Dave Hollandデュオ。

Memories-of-home "Memories of Home" John Scofield / Dave Holland(ECM)

このデュオのアルバムがECMから出ることは意外とも思えるが,最近はご無沙汰ながら,Dave HollandはECMの黎明期からアルバムを何枚もリリースしているし,ジョンスコことJohn Scofieldも最近はECMからアルバムを出しているから,こういうアルバムが出ることは不思議ではない。そもそも以前この二人はScoLoHoFoでも共演していたし,Herbie Hancockのアルバムでも共演しているから,共演すること自体もあり得る話だ。だが,このアルバムを聞いてECMというレーベルを意識することは難しい,そういうサウンドなのには驚く。そもそもが相当にオーセンティックな響きなのだ。

私はストリーミングで聞いたのだが,とにもかくにもDae Hollandのベース音が生々しい。アコースティック・ベースってのはこういう音だと思いたくなるような音で迫ってくる。ギターとベースの音のバランスも完全に対等なレベルに設定されていて,これぞギターとベースのデュオだ!って思いたくなる。

ジョンスコはジョンスコで,いつもながらの変態的フレーズも聞かせるので,ジョンスコ・ファンも相応に納得の出来だと思うが,私の耳はDave Hollandの方に向いてしまう瞬間が多かったのも事実だ。私にとってはDave Hollandの野太い音を楽しむべきアルバムとなった。優れた装置で再生したらどんなことになってしまうのか,実に興味深いとすら感じた好アルバム。このアルバムのエンジニアリングを担当したScott Petito自身もベーシストらしいのだが,まさにDave Hollandへのリスペクトが感じられる録音という気がする。ジョンスコがもう少し暴れてもよかったとも感じるが,それでも十分星★★★★☆に値する。

Recorded in August 2024

Personnel: John Scofield(g), Dave Holland(b)

本作へのリンクはこちら

2025年11月28日 (金)

Colin Vallon Trio@Baroom参戦記

Colin-vallon-at-baroom

ECMからアルバムをリリースしているColin Vallonが来日するということで,Nik Bärtsch’s Roninのライブを観に行った南青山のBaroomを再訪することとなった。今回のトリオはこれまでずっとレギュラーで演奏している面々。私は正直言って,Colin Vallonのアルバムに辛口な評価をしてきただけに,何でライブに?って話もあるのだが,アルバムとライブに違いがあるのかというところにも関心があったがゆえの参戦である。

Colin-vallon-trio_20251127083801 これまで未聴だった彼らのECMでの最新作である"Samares"を聞きながら現地に向かった私だったが,そもそもこのアルバムからして,今までのアルバムより印象がずっとよかったので,ライブへの期待値も高まったのであった。

そしてライブの場では,Colin Vallonはピアノに細工を施し,プリペアド・ピアノのようにしたり,ピアノの弦を弓弾きするような荒業(笑)まで交え,Jimmy Pageかっ!と思いながら,現代音楽とジャズが交錯する感覚を打ち出していたのが面白かった。また,ドラムスのJulian Sartoriusはスティック何種類持ってるんだ?と思うほど,太さの違うスティックを使い分けるだけでなく,ブラシ代わりに手帚みたいなものまで使うという相当な変態な演奏ぶりで,後ろから見ていた私はついつい内心笑ってしまっていたのであった。ベースもPatrice Moretはアルコも使いながら,アブストラクトな一面を見せていて,この3人の指向は同じ方向を向いていたと思えばいいだろう。

結論からすれば,私にとってはこれまで聞いたアルバムよりライブの方が面白いと思えたのも事実で,それに加えて抒情的な響きも魅力的に響く"Samares"を聞けば,この人に対する評価を改めなければならないと思ったのであった。やはり予断はいかんと思うが,ライブの場で見直せたのはいい機会となった。とか何とか言いながら,一瞬睡魔に襲われてしまったのは飲み過ぎだったな(爆)。

尚,余談ながら会場にはスイス大使館関係者と思しき,こうしたヴェニューでは滅多に見かけそうもない人々も結構な人数で来場していた。

Live at Baroom on November 26, 2025

Personnel: Colin Vallon(p), Patrice Moret(b), Julian Sartorius(ds)

2025年11月27日 (木)

3月のライブを見逃したことを強く後悔したMavis Staplesの新作。

_20251119_0001 "Sad and Beautiful World" Mavis Staples (Anti-)

Mavis Staplesと言えば,Ry Cooderとやった"We'll Never Turn Back"に痺れたのがこのブログを始めた2007年だから,それからは随分時間が経過したものだ。

そして,それから幾星霜,今年の7月で86歳(!)となったMavis Staplesの新作。高齢ゆえ次があるかわからないということで,3月の来日に行くか悩んだ末,結局行かなかったことを強く後悔させるような新作である。そもそもリリースを知って,ストリーミングで聞いたのだが,1曲目のTom Waitsの"Chicago"を聞いただけで,「買い」を決意した私であった。とにかくこの"Chicago"がカッコいいのだ。冒頭からゲストのDerek Trucksのスライドが炸裂してぞくぞくしてしまった。ついでにここではBuddy Guyもギターで参加という豪華キャスト。

最初の"Chicago"の印象が強烈であるがゆえに,その後の展開は少々落ち着いた感覚を覚えるが,そこでのテーマは「連帯」であり,「怒り」であり,それを越える「希望」であり「慈愛」だと考えれば,この流れはうなずける。

バンドはプロデューサーも兼ねたBrad Cookを中心とするほぼ固定のメンツに,ヴォーカルを中心としたゲストが加わるという形式と考えてよいが,知った名前もあれば,聞いたこともない人もいる。しかし,それぞれがレーベル契約を持っている人だし,Wikipediaで調べればそれなりの人たちばかりで,私が不勉強なだけということになるが,いずれにしてもこうしたメンツが集うというのがMavis Staplesの音楽界における立ち位置を示すものと言ってよい。

私にとってのMavis Staplesは何はなくとも"We'll Never Turn Back"になってしまうのだが,このアルバムは静かな感動を呼ぶというところだと思う。"We'll Never Turn Back"の後に何枚か購入したMavis Staplesのアルバムでは最も出来がいいと思う。星★★★★☆。

Personnel: Mavis Staples(vo), Brad Cook(g, b, synth, vib, tambourine), Phil Cook(g, p, el-p, org, synth), Buddy Guy(g), Derek Trucks(g), Bonnie Raitt(g, vo), Rick Holmstrom(g), Nathan Stocker(g, synth), MJ Lenderman(g, ds, vo), Colin Croom(pedal steel), Andrew Marlin(mandolin), Andy Kaulkin(p), Will Miller(synth, tp), Jeff Tweedy(b), Matt McCaughan(ds, perc, b, synth), Spencer Tweedy(ds), Matt Douglas(sax), Trevor Hagen(tp), Sam Beam(vo), Tré Burt(vo), Nathaniel Rateliff(vo), Amy Ray(vo), Anjimile(vo), Kara Jackson(vo), Katie Clutchfield(vo), Eric Burton(vo), Justin Vernon(vo), Patterson Hood(vo)

本作へのリンクはこちら

2025年11月26日 (水)

Jimmy Cliffを偲んで,名作と言われたライブ盤を改めて聞く。

_20251125_0001"In Concert: The Best of Jimmy Cliff" (Reprise)

Jimmy Cliffが亡くなった。熱心なレゲエのリスナーではない私でも,Jimmy Cliffのアルバムを保有しているということで,これが唯一のアルバムなので,本作を改めて聞いて追悼である。訃報を聞いて,"Harder They Come"もストリーミングで聞いたが,やはり私にとっては本作の方がよいと思った。

改めて聞いてみて,John Sebastianも歌った"Sittin' in Limbo"がJimmy Cliff作だったと認識した無知な私である。更にリズムはレゲエそのものでやっても,曲がレゲエっぽくないCat Stevensの"Wild World"とか,レゲエをベースとはしながらも実に幅広い音楽性を持った人だったなぁと感じたのであった。冒頭の"You Can Get It If You Really Want"なんて,タイトルだけ見ればStonesの”You Can’t Always Get What You Want"に対するアンサー・ソングみたいルだと思いながら,そのポジティブな姿勢には心を打たれるよなぁと感じていた。

私は決してJimmy Cliffの音楽に頻繁に接してきた訳ではないとしても,このアルバムの持つ力は十分に感じられるし,魅力的な歌声を持つ歌手だったと思う。惜しい人を亡くした。

改めてR.I.P.

Personnel: Jimmy Cliff(vo), Ernest Ranglin(g), Earl "Baga"Walker(b), Noel "Diggles" Bailey(g), Carleton "Santa" Davies(ds), Ernest "Sterling" McCleod(key), Joseph "Joe" Higgs(vo, perc), Uzziah "Sticky" Thompson(perc)

尚,コーラス隊は"Give Thanks to"と書かれている8名だと思われる。

本作へのリンクはこちら。なぜかこのアルバムがストリーミングでも公開されず,媒体もほぼ廃盤状態というのは解せないなぁ...。

 

2025年11月25日 (火)

今回見た白黒映画はFritz Langの「ハウス・バイ・ザ・リバー」。

House-by-the-river 「ハウス・バイ・ザ・リバー ("House by the River")」(’50,米,Republic)

監督:Fritz Lang

出演:Louis Hayward, Lee Bowman, Jane Wyatt, Dorothy Patrick, Ann Shoemaker

この映画,Louis Hayward演じるStephen Byrneの人物設定が最悪で,こんなひどいキャラをよく演じる気になったもんだと,むしろLouis Haywardの役者魂に感銘を覚えるとすら言いたくなる。一方,その弟であるJohn Byrneを演じるLee Bowmanが,なんでそこまで兄をかばう必要があるのかというところには少々無理があるとは言え,83分という尺の中でのなかなかサスペンスフルな作りは結構見応えがあった。

Stephen Byrneの妻,Marjorieを演じるのはJane Wyattだが,この人は以前取り上げた「影なき殺人」にも出ていたが,綺麗な人ではあるものの,イマイチ個性に乏しい感じがするのは少々残念。

私は不勉強にして,Fritz Langの映画をこれまで見たことはなかったと思うが,昨今の白黒映画マイ・ブームの中で,早くFritz Langの作品も見なければと思っていた。この映画を選んだのは83分という尺ゆえであったが,傑作とは思わないとしても,演出力は確かなのはよくわかるし,とにかくLouis Hayward演じるStephen Byrneの人間として考えられない卑劣度こそが印象を強めるってところか。星★★★★。次のFritz Lang作は「復讐は俺に任せろ」か「死刑執行人もまた死す」あたりだな。

それにしても,この白黒映画の沼から私はいつ脱却するのやら...。今回もAmazon Primeで見たのだが,CM入れるのはいいとしても,明らかな字幕の崩れが数か所あったのは困ったもんだよなぁ。

本作のストリーミングへのリンクはこちら

«年の瀬にリリースされるAl Fosterの遺作(?)は最注目盤。