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カテゴリー「SSW/フォーク」の記事

2018年9月 6日 (木)

Baldwin & Lepsって言っても好き者にしか通じないよねぇ(苦笑)。

"Baldwin & Leps" (Vanguard)

_20180902何とも印象的なジャケットである。そして「ブラックホークの99枚」にも選ばれていることで,好き者は知っているが,関心のない人にとってはなんじゃそれは?にしかならないアルバムである。一度,日本でもCDでリリースされたことがあるが,それも20年前。そちらは入手は決して容易ではあるまい。かく言う私も入手は苦労したが,ゲットしたのは今はなき町田の「オスカー」だったか...。

アルバム・ジャケからもわかる通り,ギターとヴァイオリンのデュオである。このアルバムは今やCDBabyで"From the Street to the Studio"というタイトルで入手可能で,そこでの解説によれば,Michael Bladwinがギターとリード・ヴォーカル,Ricahrd Lepsがヴァイオリンとハーモニー・ヴォーカルということである。ジャケにも何も書いていないが,バックにはリズムやストリングスが入る曲もある。とにかく音以外は謎なのだが,"From the Street to the Studio"というタイトルからすれば,もともとはストリート・ミュージシャンだった2人にレコーディングのチャンスが与えられたということであろう。

だが,その後,消息を絶つというのは,このアルバムがリリースされた時代(1971年)でさえ,大して売れそうにないなぁという音を聞けば納得がいってしまう。しかし,このせかせかした時代にこういう音楽で和むということは,ある意味価値があるのではないかと思う。リズムが入ったイントロはいかにもCSN&Y的に響くところも時代を感じさせるが,私のようなオッサンにはこれぐらいの感覚のアルバムもたまに聞きたくなるのは,渋いシンガー・ソングライター好きの性ってやつである。

Michael_baldwin_and_richard_lepsそうは言いながら,私がこのアルバムをプレイバックする回数は実はそれほど多くない。それはMichael Baldwinのハイトーンの声が若干私の好みとは違う(むしろRichard Lepsの声の方が好みなのだ)ことが大きいが,それでもこれはこれで保有していて損はないアルバムだと思う。不朽の名作とは思えないが,これも時代を映す鏡である。星★★★★。ついでに現在入手可能なヴァージョンのジャケも掲載しておこう。これでは購入意欲は上がらないが(爆)。

Personnel: Michale Baldwin(vo, g), Richard Leps(vln, vo)

2018年9月 2日 (日)

マジで素晴らしいEmmylou Harrisの"Wrecking Ball"

"Wrecking Ball" Emmylou Harris(Elektra)

_20180901Emmylou Harrisと言えばカントリーってイメージが強いんだろうが,私の中で最初に記憶に刻まれたのはThe Bandの"The Last Waltz"で"Evangerine"を一緒に歌っていたことだったと思う。だが,カントリーのイメージが強いので,純正カントリー・ミュージックにはほとんど興味を持てない私のような人間にとっては,決して縁の深いミュージシャンではない。もちろん,いろんな人のバックで名前を見ることはあっても,それでいいじゃんという感じだったのである。

そんな私がこのアルバムを購入した理由は,世評の高さもあったが,やはりプロデューサーがDaniel Lanoisだったということが大きかっただろう。ここで聞かれる音場って,穏やかで緩やかなU2的なサウンドと言っても通用しそうな気もする。U2のLarry Mullen, Jr.も結構な数の曲で参加していることも無関係ではないだろう。

だがそうしたサウンド面はさておき,このアルバムの重要なポイントは,それこそアメリカ/カナダ音楽の重鎮のような人たちが書いた曲を,穏やかな中にも,刺激のあるかたちで歌い上げたことにこそあるように思う。DylanにNeil Youngやジミヘン,更にはSteve EarleやAnna McGariggle,Gilian Welch,Lucinda Williams等々と言えば,何をかいわんやって感じである。渋いチョイスというか,ある意味こうした人たちの曲が,何の違和感もなく並んでいることが凄いのだ。まさに見事に仕立てられたアルバムであり,Daniel Lanoisのプロデュース手腕ここに極まれりって感じがする。

こんな音作りゆえに,カントリー・ファンからは無視されたって話もあるが,これを聞かずにおくのは実にもったいない。本当に優れたヴォーカル・アルバム。素晴らしい。星★★★★★。

Personnel: Emmylou Harris(vo, g), Daniel Lanois(g, mandokin, b, dulcimer, perc, vo), Malcolm Burn(p, org, key, vib, g, b, perc, vo), Larry Mullen, Jr.(ds), Tony Hall(b, perc), Daryl Johnson(perc, b, vo), Brian Blade(ds, perc), Steve Earle(g), Sam O'Sullivan(roto wheel), Neil Young(vo, hca), Kufaru Mouton(perc), Lucinda Williams(g), Richard Bennett(g), Anna McGarrigle(vo), Kate McGarrigle(vo)

2018年7月31日 (火)

Ray Lamontagneの新作は穏やかな響きって感じか。

"Part of the Light" Ray Lamontagne (RCA)

_20180729このブログには,アルバムに関して記事を必ずしもアップしている訳ではないのだが,私はRay Lamontagneという歌手を結構贔屓にしていて,出したアルバムは全部買っているはずである。これまた私が絶対的に贔屓にしているRachael Yamagataのアルバムにも参加したことがあるので,やはり通じるところがあるのだろう。

Ray Lamontagneはロック色を強めたアルバムもあった(と記憶する:笑)が,今回のアルバムは実に穏やかな感じがする。だが,この世知辛い世の中において,この穏やかな響きは貴重に思える。そして,この人の声,そしてソング・ライティングはやはり魅力的である。そして,ほぼ固定メンツで作り上げた音楽には安定感がある。そうした中で”As Black as Blood Is Blue"のような曲は,ロック・タッチのイントロにびっくりさせられるが,歌自体は,当然ハード・ロックのようにはならない。

米国においてはそこそこ人気もあると思われるRay Lamontagneだが,日本でこの人の名前を聞くことは実に稀なのはなんでなのか。やっぱりこの時代にこういう音楽はフィットしないということなのかもしれないが,私のようなオッサンには訴求力高く迫ってくる。改めて,彼のアルバムを聞き直したくなった私である。そんなこともあって,ちょっと甘めの星★★★★☆としてしまおう。

尚,このアルバム,最初に届いた時は,プレス・ミスで後半が再生できないディスクが届いたのだが,私が仕入れた海外のセラーは,交換に迅速に応じてくれて,非常に好感度が上がってしまった。ネット・セールスってのはこういう対応が必要だよなと改めて思ったことを付記しておこう。

Recorded between June 19 and July 7 and between September 23 and October 2, 2017

Personnel: Ray Lamontagne(vo, g, synth), Dave Givan(ds), John Stirratt(b, g, vo), Seth Kauffman(g, b, synth), Carl Broemel(g, vo), Bo Koster(synth, org, p, el-p), Kevin Ratterman(synth, perc)

2018年7月30日 (月)

てっきりブートだと思っていたらオフィシャル音源だったNeil Young,1973年のライブ。

"Roxy: Tonight's the Night Live" Neil Young (Reprise)

 _20180728ジャケだけ見てると,ブート音源のリリースかと思わせるものなのだが,れっきとしたオフィシャル盤であった。思い込みはいかんねぇ(苦笑)。

"Tonight's the Night"がリリースされたのは1975年のことだが,音源としてはこのライブが行われる前にはレコーディングされていたものであり,それをライブの場で再現したものと言ってよいだろう。

この時期のこのメンツの演奏である。Neil Youngが好きな人間が痺れない訳はないのだ(きっぱり)。そして,ライナーには"Tonight's the Night"の録音の様子が書かれていて,なぜこのバンドがSanta Monica Flyersと呼ばれるかについても書いてあるのが面白い。いずれにしても,"Tonight's the Night"の曲を,当時オープンしたばかりのL.A.のRoxyで演奏したライブは,長年のファンも納得間違いなしの素晴らしい発掘音源である。星★★★★★。

ところで,アルバムのジャケには,Neil Youngがテレキャスを抱えている姿が写っているが,バタやんみたいな抱え方だなぁ,なんて思って笑っている私はやはりアラカンである(爆)。でも多分,私自身もテレキャスを弾く時はこんな感じになっているはずだな(苦笑)。尚,Neil Youngが"My name is Glenn Miller."とかしょうもないジョークを言っているが,完全にすべっているのはご愛敬。

Recorded Live at Roxy on September 20-22, 1973

Personnel: Neil Young(vo, g, p, hca), Ben Keith(pedal steel, vo), Nils Lofgren(p, g, vo), Billy Talbott(b), Ralph Molina(ds, vo)

2018年7月28日 (土)

Nicolette Larsonの人徳を感じさせるトリビュート・ライブ。

”A Tribute to Nicolette Larson: Lotta Love Concert" Various Artists(Rhino)

_20180722_3Nicolette Larsonが亡くなったのは1997年の12月16日のことであった。それから約2か月後,サンタモニカで開催されたトリビュート・ライブの模様は,開催から約8年を経過して,このアルバムとしてリリースされた。

Nicolette Larsonはこのアルバムでも冒頭を飾る"Lotta Love"のようなヒット曲もあるが,彼女のバッキング・ヴォーカルに支えられた人々は多数存在して,このライブは,彼らが彼女の夫,Russ Kunkelともども演奏した曲を収めている。Nicolette Larson自身のキャリアは,決して華々しいものであったとは思えないが,彼女の訃報に接して,これだけの人たちが集うところに,私は彼女の人徳を強く感じて,ついつい涙腺が緩んでしまう。

このオールスター・トリビュートで歌われる曲でNicoletteの曲は"Lotta Love"だけで,それ以外は参加したミュージシャンの持ち歌である。それでも,彼らのNicollete Larsonを想う気持ちが強く感じられるように聞こえてしまうのは,私の感傷が先走っているかもしれない。しかし,どの歌も,相応に感動を呼ぶものだと思える。そして,ライナーに寄せられたミュージシャンたちのコメント(おそらくはライブの場で語られたものであろう)は涙なしには見られない。本当に人から好かれるミュージシャンであり,人間だったということの証がここにある。Carol Kingのコメントをここに書いておこう。

"When you lose a light in this sometimes dark world, it is disturbing. When you lose a light like Nicolette - it is incredibly sad."

このCDからの売り上げは,Nicolette Larsonの小児科基金,UCLAの小児科病院等に寄付されるとのことである。Nicolette Larsonは亡くなっても,その精神と,子供たちをいたわる気持ちは永遠ということである。そうした事実に触れ,本当に惜しい人を亡くしたと改めて思う。ということで,こうしたアルバムには採点は不要である。本人はいなくても,Nicolette Larsonの人となりに触れられる素晴らしいライブ・アルバム。そして,ジャケを飾る彼女の写真が素晴らし過ぎて,また涙を誘う。

Recorded Live at Santa Monica Civic Auditorium February 21 & 22, 1998

Personnel: Carol King(vo, p), Bonnie Raitt(vo, g), Valerie Carter(vo), Rosemary Butler(vo), Dan Forgelberg(vo, g), Joe Walsh(vo, g), Little Feat<Paul Barrere(vo, g), Fred Tackett(g), John Cleary(key, fl), Kenny Gradney(b), Richie Hayward(ds, vo), Sam Clayton(perc, vo)>, Michael Ruff(vo, p), Jackson Brown(vo, p, g), Emmylou Harris(vo, g), Linda Ronstadt(vo), David Crosby(vo, g), Stephen Stills(vo, g), Graham Nash(vo, g, hca), Jimmy Buffett(vo, g), Waddy Wachtel(g), Steve Farris(g), Craig Doerge(p), John Giluten(org), Leland Sklar(b), Freebo(b), Russ Kunkel(ds), Lenny Castro(perc), Mary Kay Place(vo), Sherry Kondor(vo)

2018年7月23日 (月)

先日取り上げたCharles Lloyd作に参加のLucinda Williamsの旧作を。

"West" Lucinda Williams(Lost Highway)

_20180721_3先日,このブログでも取り上げたCharles Lloyd and the Marvels + Lucinda Williamsの"Vanished Gardens"は素晴らしいアルバムであった。そこに半数の5曲で参加したLucinda Williamsのアルバムって1枚だけ持っていたなぁってことで,久々に取り出してきた。正直言って,どうして私がこのアルバムを購入する気になったかは全く記憶にない(爆)。だが,よくよく見れば,Hal WilnerとLucinda Williamsの共同プロデュースではないか。そういう要素もあったのかもしれないなぁなんて思った私である。いずれにしても,これを聞くのも相当に久しぶりの「はず」である(苦笑)。

Charles Lloydのアルバムに比べると,やや声のトーンが高いような気もするが,スモーキーな感じであることには変わりはない。そして,ゆったりとしたトーンで演奏される曲群は,よくよく歌詞を読んでみると,結構切ないものが多いが,それにしてもいい曲を書く人だねぇと思わせる。そして,典型的なカントリー的な感じではなく,やはりこれはロック寄りのオルタナ・カントリーである。

Charles Lloydのアルバムでも共演しているBill Frisellがここでもギターを弾いているが,だとすれば,LloydにLucinda Williamsを紹介したのはビルフリってことになるのかもしれない。どういう経緯だったとしても,Lucinda Williamsへの私の関心を改めて高めたのだから,Charles Lloydのアルバムには副次的効果があったってことである。

まぁ,かなり渋いアルバムではあるし,私はこの手の音楽において,女声よりも男声の方を好む傾向があるので,あまりちゃんと聞いてなかったようにも思えるが,これは聞き直してよかったと思えるようなアルバムであった。星★★★★。

Personnel: Lucinda Williams(vo, g), Rob Burger(p, org, el-p, accor), Doug Pettibone(g), Bill Frisell(g), Tony Garnier(b), Jim Keltner(ds, perc), Jenny Scheinman(vln), Rob Brophy(vla), Tim Loo(cello), Hal Wilner(turntable, sample), Gary Louris(vo), Gia Ciambotti(vo)

2018年7月21日 (土)

Lucinda Williamsを迎えたCharles Lloyd & the Marvelsの第2作:これがまた渋い。

"Vanished Gardens" Charles Lloyd & the Marvels + Lucinda Williams(Blue Note)

_20180721Charles Lloyd & the Marvelsが第1作,"I Long to See You"をリリースした時,私は絶賛を惜しまなかったし,2016年の最高作に選んでもいる。あれは本当に素晴らしいアルバムであった。Marvelsとのレコーディングはスペシャル・プロジェクト的なものなのかとも思わせたが,その後,Greg Leisz抜きのクァルテットでも来日しているので,ちゃんと活動するんだと思っていた。そこへ,今回はなんとLucinda Williamsをゲストに迎えた第2作がリリースされた。

Lucinda Williamsと言えば,フォークもしくはオルタナ・カントリーの文脈で語られることの多い人だが,この人の持つヴォイスが,Charles Lloyd一党の生み出す音と絶妙なコンビネーションを示している。アメリカーナな路線を歩むCharles Lloydにとっては,素晴らしい共演者に巡り合ったものだと言わざるをえない。ここでは全10曲のうち,偶数曲にLucinda Williamsが参加しているが,聞いて頂ければわかるが,まさに絶妙なブレンディングである。

ここで何よりも驚かされるのは,80歳を越えたCharles Lloydの吹きっぷりである。この歳にしてこの吹奏かっ!と言いたくなるようなフレージングを連発しており,この人,まさに人間のレベルを越えているとさえ思いたくなるような演奏を聞かせる。それを支えるMarvelsの演奏は,まさにアメリカを感じさせるものである。サウンドとしてはビルフリのギターがアメリカ的な感覚を生み出しているのだが,そこに加わるGreg Leiszのペダル・スティールがまた完璧なコンビネーションである。Reuben RogersとEric Harlandは決して押し出しは強くないが,こういうのを適切なバッキングと言いたくなるようなサポートぶりである。

そして,Lucinda Williamsである。この声こそ,Charles Lloydにとっては天からの授かりものに思えたのではないかと思えるほどの素晴らしいコンビネーションを生み出している。アルバムとしての感動度としては私は"I Long to See You"の方が上だったと思うが,それでも,本作も前作と同等に評価したくなるような作品である。

ジャズに留まらず,フォーク,ロック,ブルーズ等のジャンルにおいてアメリカ音楽を好むリスナーから幅広く受け入れられるに相違ない作品。最後の2曲である"Monk's Mood"(この曲は日本公演でも素晴らしかった)と,Jimi Hendrix作の"Angel"で感動はピークを迎えるはずである。星★★★★★。

Recorded on April 14, 15 & September 9,10,2017

Personnel: Charles Lloyd(ts, a-fl), Bill Frisell(g), Greg Leisz(pedal steel, dobro), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds), Lucinda Williams(vo)

2018年7月 9日 (月)

Ry Cooderの新譜:どこまで渋いのか

"The Prodigal Son" Ry Cooder(Fantasy)

_20180707_2Ry Cooder,6年ぶりのスタジオ作だそうである。そうは言っても,2013年には素晴らしかったライブ盤をリリースしている(記事はこちら)から,そんなに久しぶり感はない。だが,今回はRy Cooderのオリジナル(息子との共作も含む)は3曲で,そのほかは古い曲が揃っている。それも教会で歌われていたような曲が多いようである。だからと言って,極端にスピリチュアルな感じはしないし,ゴスペル,ゴスペルした感じではない。

基本的にはRy Cooder自身と息子のJoachim Cooderのドラムスで演奏は構成され,そこに若干のゲストが加わるというかたちになっているが,親子でこういうアルバムを作ってしまうってのは,実に羨ましい感じがする。

Ry Cooderという人は,昔から様々な音楽的なフレイヴァーに深い理解を示すとともに,古い曲に光を当てる活動をしていたので,今回のアルバムに関しても,そうした彼の志向は何も変わっていない。そして,昔から渋いなぁと思わせる部分もあったが,それも変わらない。71歳になった現在,更に声は渋みが増し,味わいが更に深まったってところか。

まぁ,現代において,Ry Cooderのやっている音楽は,幅広いオーディエンスに訴求する訳ではなかろうが,こういう音楽を好む私のようなリスナーにとっては,まさに聞いているだけで極楽みたいに感じるものである。そして,Ry Cooderのスライドの腕には全く衰えはない。もちろん,Derek Trucksのような切れ味はないが,Ry Cooderならではの音色は健在である。やっぱりいいねぇ。

ということで,実はこのアルバムも買うか買うまいか,あるいはストリーミングでよしとするか悩んでいたが,これは買って正解と言えるアルバムであった。星★★★★☆。この渋さを理解するのに最適な映像がYouTubeにアップされているので,貼り付けておこう。

尚,ライナーにも書かれているが,長きに渡って,Ry Cooderのアルバムに参加し,ここにも参加しているTerry Evansは今年1月に亡くなっており,これが彼にとっての遺作となるだろう。R.I.P.

Personnel: Ry Cooder(vo, g, mandolin, banjo, b, key), Joachim Cooder(ds, perc), Robert Francis(b), Aubrey Haynie(vln), Terry Evans(vo), Arnold McCuller(vo), Bobby King(vo) 

2018年6月 5日 (火)

Billy Bragg & Joe Henry:音楽版ロード・ムービーって感じのアルバム。

"Shine a Light: Field Recordings from the Great American Railroad" Billy Bragg & Joe Henry(Cooking Vinyl)

_20180604これは渋い。Billy BraggとJoe HenryがシカゴからLAへの列車に乗って旅する道すがら,駅のプラットフォームや待合いなどの場所で,列車に関係するような歌をフィールド・レコーディングするという企画アルバムだが,とにかく渋い。アメリカの広大さを感じさせるような音楽とでも言えばいいだろう。

私はJoe Henryのアルバムが出ると買っているクチだが,このアルバムが完全にノーマークだったのはなぜなんだろう?全く理解に苦しむが,やはりJoe Henryという人,只者ではないということがここでも証明されている。音楽的なバックグラウンド,あるいは理解度の深さは,一昔前で言えば,Ry Cooderにも通じる部分があるようにも思える。もちろん,Ry Cooderとやっている音楽には違うが,ミュージシャンの資質としての同質性を感じると言えばいいかもしれない。

ここでもいろいろなタイプの歌を歌っているが,一本筋が通っている。それは列車の旅と同期して,道すがらの思い思いの場所で録音することで,彼らが目指したのは音楽版ロード・ムービーだと思えた。シカゴを皮切りに,セントルイス,サンアントニオ,エルパソ,トゥーソン,そしてLA等の場所で録音された音楽は,冒頭にも書いた通りの渋さである。フィールド・レコーディングだけに,その場にいた人たちの拍手なども聞こえるライブ感覚があるが,音はスタジオで録られたものではないので,あくまでもそれなりである。

しかし,これは雰囲気を楽しめばいいアルバムだと思えるし,私はこういうのが好きなのである。ってことで,星もついつい甘くなり,星★★★★☆。いや~,本当に渋い。やはりJoe Henry,素晴らしいミュージシャンである。もちろん,Billy Braggの声は輪をかけて渋いが,この二人,いい声のコンビネーションだと思えた。こういうアルバムは見逃してはいかん。大いに反省した私である。

Recorded between March 14 and 16, 2016

Personnel: Billy Bragg(vo. g), Joe Henry(vo, g)

2018年4月24日 (火)

Eric Andersenはこれじゃあないなと思ってしまう"Be True to You"

”Be True to You" Eric Andersen(Arista)

_20180422_2先日,Joni Mitchellのサイトで彼女のディスコグラフィを眺めていたら,このアルバムの5曲に参加しているというデータがあって,へぇ,そうだったのかなんて思って取り出してきたアルバムである。

正直言ってしまえば,Eric Andersenは"Blue River"1枚あればいいと思っている人がほとんどだろうと思う。Joni Mitchellに関して言えば,"Blue River"でも印象的なコーラスをつけているし,そっちで十分なのだ。

それでもってこのアルバムを聞いていると,どうにも「売ろう」という意識が強く出ていて痛々しささえ感じてしまった。それが極端なかたちで感じられるのが"Wild Crow Blues"である。Eric Andersenの声にも,音楽性にも全く合致しないようなこの曲によって,このアルバムへの評価は一段下がったと言ってもよいだろう。しかし,"Time Like a Freight Train"のようないい曲もあるし,ちょっとポップだが,いいメロディ・ラインを持つ"Liza, Light the Candle"のような曲もあるので,全否定とはならないのだが,やはり"Blue River"と比べてしまうのが人情であり,全編を通して素晴らしい"Blue River"には遠く及ばないのが残念である。

今,こうして聞いてみると,日本のフォーク,あるいはニュー・ミュージックにはこのアルバム当たりから影響を受けているのではないかと思えないこともないが,やはり私としては"Blue River"のもつすがすがしさ,清冽さの方がはるかに素晴らしく感じてしまった。まるでAORのような"Can't Get You Out of My Life"みたいな曲にも全然共感できないのも辛い。まぁ,残念ながらその程度のアルバムである。

豪華なミュージシャンに後支えしてもらってはいるものの,それだけではいいアルバムにはならなかったという事例。星★★★。

Recorded in August, November and December 1974 and January 1975

Personnel: Eric Andersen(vo, g, hca, el-p), John Guerin(ds), Russ Kunkel(ds), Scott Edwards(b), Dean Parks(g), Tom Henley(p), Howard Emerson(g, dobro), Gary Coleman(perc), Tom Scott(ts), Tom Sellers(key) with Mark Sporer(b), Chris Bond(g), Ernie Watts(fl), Jesse Ehrich(cello), Richard Bennett(g), Allen Lindgren(p, el-p), Dennis St. John(ds), Emory Gordy(b), Jennifer Warren(vo), Andy Robison(vo), Ginger Blake(vo), Maxine Willard Waters(vo), JUlia Tilmard Waters(vo), Doug Haywood(vo), Jackson Brown(vo), Herb Pedersen(vo), Mike Condello(vo), Deborah Andersen(vo), Joni Mitchell(vo), Ray Backwich(vo), Orwin Middleton(vo), Maria Muldaur(vo)

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