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カテゴリー「SSW/フォーク」の記事

2018年7月21日 (土)

Lucinda Williamsを迎えたCharles Lloyd & the Marvelsの第2作:これがまた渋い。

"Vanished Gardens" Charles Lloyd & the Marvels + Lucinda Williams(Blue Note)

_20180721Charles Lloyd & the Marvelsが第1作,"I Long to See You"をリリースした時,私は絶賛を惜しまなかったし,2016年の最高作に選んでもいる。あれは本当に素晴らしいアルバムであった。Marvelsとのレコーディングはスペシャル・プロジェクト的なものなのかとも思わせたが,その後,Greg Leisz抜きのクァルテットでも来日しているので,ちゃんと活動するんだと思っていた。そこへ,今回はなんとLucinda Williamsをゲストに迎えた第2作がリリースされた。

Lucinda Williamsと言えば,フォークもしくはオルタナ・カントリーの文脈で語られることの多い人だが,この人の持つヴォイスが,Charles Lloyd一党の生み出す音と絶妙なコンビネーションを示している。アメリカーナな路線を歩むCharles Lloydにとっては,素晴らしい共演者に巡り合ったものだと言わざるをえない。ここでは全8曲のうち,偶数曲にLucinda Williamsが参加しているが,聞いて頂ければわかるが,まさに絶妙なブレンディングである。

ここで何よりも驚かされるのは,80歳を越えたCharles Lloydの吹きっぷりである。この歳にしてこの吹奏かっ!と言いたくなるようなフレージングを連発しており,この人,まさに人間のレベルを越えているとさえ思いたくなるような演奏を聞かせる。それを支えるMarvelsの演奏は,まさにアメリカを感じさせるものである。サウンドとしてはビルフリのギターがアメリカ的な感覚を生み出しているのだが,そこに加わるGreg Leiszのペダル・スティールがまた完璧なコンビネーションである。Reuben RogersとEric Harlandは決して押し出しは強くないが,こういうのを適切なバッキングと言いたくなるようなサポートぶりである。

そして,Lucinda Williamsである。この声こそ,Charles Lloydにとっては天からの授かりものに思えたのではないかと思えるほどの素晴らしいコンビネーションを生み出している。アルバムとしての感動度としては私は"I Long to See You"の方が上だったと思うが,それでも,本作も前作と同等に評価したくなるような作品である。

ジャズに留まらず,フォーク,ロック,ブルーズ等のジャンルにおいてアメリカ音楽を好むリスナーから幅広く受け入れられるに相違ない作品。最後の2曲である"Monk's Mood"(この曲は日本公演でも素晴らしかった)と,Jimi Hendrix作の"Angel"で感動はピークを迎えるはずである。星★★★★★。

Recorded on April 14, 15 & September 9,10,2017

Personnel: Charles Lloyd(ts, a-fl), Bill Frisell(g), Greg Leisz(pedal steel, dobro), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds), Lucinda Williams(vo)

2018年7月 9日 (月)

Ry Cooderの新譜:どこまで渋いのか

"The Prodigal Son" Ry Cooder(Fantasy)

_20180707_2Ry Cooder,6年ぶりのスタジオ作だそうである。そうは言っても,2013年には素晴らしかったライブ盤をリリースしている(記事はこちら)から,そんなに久しぶり感はない。だが,今回はRy Cooderのオリジナル(息子との共作も含む)は3曲で,そのほかは古い曲が揃っている。それも教会で歌われていたような曲が多いようである。だからと言って,極端にスピリチュアルな感じはしないし,ゴスペル,ゴスペルした感じではない。

基本的にはRy Cooder自身と息子のJoachim Cooderのドラムスで演奏は構成され,そこに若干のゲストが加わるというかたちになっているが,親子でこういうアルバムを作ってしまうってのは,実に羨ましい感じがする。

Ry Cooderという人は,昔から様々な音楽的なフレイヴァーに深い理解を示すとともに,古い曲に光を当てる活動をしていたので,今回のアルバムに関しても,そうした彼の志向は何も変わっていない。そして,昔から渋いなぁと思わせる部分もあったが,それも変わらない。71歳になった現在,更に声は渋みが増し,味わいが更に深まったってところか。

まぁ,現代において,Ry Cooderのやっている音楽は,幅広いオーディエンスに訴求する訳ではなかろうが,こういう音楽を好む私のようなリスナーにとっては,まさに聞いているだけで極楽みたいに感じるものである。そして,Ry Cooderのスライドの腕には全く衰えはない。もちろん,Derek Trucksのような切れ味はないが,Ry Cooderならではの音色は健在である。やっぱりいいねぇ。

ということで,実はこのアルバムも買うか買うまいか,あるいはストリーミングでよしとするか悩んでいたが,これは買って正解と言えるアルバムであった。星★★★★☆。この渋さを理解するのに最適な映像がYouTubeにアップされているので,貼り付けておこう。

尚,ライナーにも書かれているが,長きに渡って,Ry Cooderのアルバムに参加し,ここにも参加しているTerry Evansは今年1月に亡くなっており,これが彼にとっての遺作となるだろう。R.I.P.

Personnel: Ry Cooder(vo, g, mandolin, banjo, b, key), Joachim Cooder(ds, perc), Robert Francis(b), Aubrey Haynie(vln), Terry Evans(vo), Arnold McCuller(vo), Bobby King(vo) 

2018年6月 5日 (火)

Billy Bragg & Joe Henry:音楽版ロード・ムービーって感じのアルバム。

"Shine a Light: Field Recordings from the Great American Railroad" Billy Bragg & Joe Henry(Cooking Vinyl)

_20180604これは渋い。Billy BraggとJoe HenryがシカゴからLAへの列車に乗って旅する道すがら,駅のプラットフォームや待合いなどの場所で,列車に関係するような歌をフィールド・レコーディングするという企画アルバムだが,とにかく渋い。アメリカの広大さを感じさせるような音楽とでも言えばいいだろう。

私はJoe Henryのアルバムが出ると買っているクチだが,このアルバムが完全にノーマークだったのはなぜなんだろう?全く理解に苦しむが,やはりJoe Henryという人,只者ではないということがここでも証明されている。音楽的なバックグラウンド,あるいは理解度の深さは,一昔前で言えば,Ry Cooderにも通じる部分があるようにも思える。もちろん,Ry Cooderとやっている音楽には違うが,ミュージシャンの資質としての同質性を感じると言えばいいかもしれない。

ここでもいろいろなタイプの歌を歌っているが,一本筋が通っている。それは列車の旅と同期して,道すがらの思い思いの場所で録音することで,彼らが目指したのは音楽版ロード・ムービーだと思えた。シカゴを皮切りに,セントルイス,サンアントニオ,エルパソ,トゥーソン,そしてLA等の場所で録音された音楽は,冒頭にも書いた通りの渋さである。フィールド・レコーディングだけに,その場にいた人たちの拍手なども聞こえるライブ感覚があるが,音はスタジオで録られたものではないので,あくまでもそれなりである。

しかし,これは雰囲気を楽しめばいいアルバムだと思えるし,私はこういうのが好きなのである。ってことで,星もついつい甘くなり,星★★★★☆。いや~,本当に渋い。やはりJoe Henry,素晴らしいミュージシャンである。もちろん,Billy Braggの声は輪をかけて渋いが,この二人,いい声のコンビネーションだと思えた。こういうアルバムは見逃してはいかん。大いに反省した私である。

Recorded between March 14 and 16, 2016

Personnel: Billy Bragg(vo. g), Joe Henry(vo, g)

2018年4月24日 (火)

Eric Andersenはこれじゃあないなと思ってしまう"Be True to You"

”Be True to You" Eric Andersen(Arista)

_20180422_2先日,Joni Mitchellのサイトで彼女のディスコグラフィを眺めていたら,このアルバムの5曲に参加しているというデータがあって,へぇ,そうだったのかなんて思って取り出してきたアルバムである。

正直言ってしまえば,Eric Andersenは"Blue River"1枚あればいいと思っている人がほとんどだろうと思う。Joni Mitchellに関して言えば,"Blue River"でも印象的なコーラスをつけているし,そっちで十分なのだ。

それでもってこのアルバムを聞いていると,どうにも「売ろう」という意識が強く出ていて痛々しささえ感じてしまった。それが極端なかたちで感じられるのが"Wild Crow Blues"である。Eric Andersenの声にも,音楽性にも全く合致しないようなこの曲によって,このアルバムへの評価は一段下がったと言ってもよいだろう。しかし,"Time Like a Freight Train"のようないい曲もあるし,ちょっとポップだが,いいメロディ・ラインを持つ"Liza, Light the Candle"のような曲もあるので,全否定とはならないのだが,やはり"Blue River"と比べてしまうのが人情であり,全編を通して素晴らしい"Blue River"には遠く及ばないのが残念である。

今,こうして聞いてみると,日本のフォーク,あるいはニュー・ミュージックにはこのアルバム当たりから影響を受けているのではないかと思えないこともないが,やはり私としては"Blue River"のもつすがすがしさ,清冽さの方がはるかに素晴らしく感じてしまった。まるでAORのような"Can't Get You Out of My Life"みたいな曲にも全然共感できないのも辛い。まぁ,残念ながらその程度のアルバムである。

豪華なミュージシャンに後支えしてもらってはいるものの,それだけではいいアルバムにはならなかったという事例。星★★★。

Recorded in August, November and December 1974 and January 1975

Personnel: Eric Andersen(vo, g, hca, el-p), John Guerin(ds), Russ Kunkel(ds), Scott Edwards(b), Dean Parks(g), Tom Henley(p), Howard Emerson(g, dobro), Gary Coleman(perc), Tom Scott(ts), Tom Sellers(key) with Mark Sporer(b), Chris Bond(g), Ernie Watts(fl), Jesse Ehrich(cello), Richard Bennett(g), Allen Lindgren(p, el-p), Dennis St. John(ds), Emory Gordy(b), Jennifer Warren(vo), Andy Robison(vo), Ginger Blake(vo), Maxine Willard Waters(vo), JUlia Tilmard Waters(vo), Doug Haywood(vo), Jackson Brown(vo), Herb Pedersen(vo), Mike Condello(vo), Deborah Andersen(vo), Joni Mitchell(vo), Ray Backwich(vo), Orwin Middleton(vo), Maria Muldaur(vo)

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2018年4月 4日 (水)

改めてTracey Thornの「遠い渚」を聞く。

"A Distant Shore" Tracey Thorn(Cherry Red)

Photo先日,このブログにシンセ・ポップ的な色彩の強いTracey Thornの新作"Record"について書いた(記事はこちら)。随分とEverything But the Girlでやっていた音楽とも違うなぁと思わせたが,翻って1984年にリリースされた彼女の初ソロ作を聞いてみた。Tracey Thornにはこの前にMarine Girlsのアルバムが2枚あるが,彼女が広く知られたのは多分こっちの方からだろう。

私が保有しているのは国内盤を中古でゲットしたもののはずだが,オリジナルの8曲に加えて,EBTGで82年にリリースしたシングルから2曲を加えた構成となっている。このEBTGの2曲が若干雰囲気が違っていて,しかもそれを途中に挟み込むというやり方はどうなのかねぇ。こういう編集方針はどうなのかねぇと思ってしまうが,こういうところが1990年ぐらいの国内盤にはよくあったような気もする。まぁ,国内盤に限らず,ジャズ系でも別テイクを並べ立てるような編集もよくあったが...。最新の紙ジャケ盤は一番最後に持って行っているようだから,そっちなら許せる(笑)。

それはさておき,彼女のギター1本にヴォーカルという超シンプルな構成で録音されているが,これぞネオアコみたいな感じである。この当時からTracey Thornの個性はそんなに変わっていない気がするが,それでもこのシンプリシティってのは今の耳にはむしろ新鮮に響く。やっぱりいいねぇ。冒頭の"Small Town Girl"もいいが,Velvet Undergroundのカヴァー,"Femme Fatale"もいいねぇ。原石のような魅力というのはこういうものだろう。ジャケも素敵である。星★★★★☆。

Personnel: Tracey Thorn(vo, g)

2018年3月21日 (水)

多作家,Neil Youngの最新作が結構いいねぇ。

"The Visitor" Neil Young & Promise of hte Real (Reprise)

 _20180319最近の兄貴ことNeil Youngの多作ぶりは際立っていて,新作のほかにアーカイブ音源も出てくるものだから,一体どれぐらいリリースされているのかも追い切れていないような状態である。ここのところの新譜は,私にはどうも訴求してくる部分が少なく,このブログでも直近で取り上げたのはアーカイブ音源,"Hitchhiker"ぐらいで,新作については買ってはいても,とんと取り上げていない。

このアルバムもショップで仕入れたのは1カ月ぐらい前だが,ようやくの記事のアップである。だが,こうして兄貴の新作を取り上げるのには意味がある。とにかく,久々に一聴した感じがいいのである。ロック的な部分とフォーク的な要素をうまく組み合わせており,ここ何年かの新譜の中では,一番出来がいいように感じさせてくれた。

こうしたNeil Youngの多作ぶりは,彼の創造力が全く衰えていないことはもちろんであるが,いろんなことへの「怒り」を発露する手段としてアルバムを出しているという要素もあろう。だって,このアルバムの冒頭の”Already Great"では,"I am Canadian, by the way. And I love the USA. I love this way of life. The Freedom to act the freedom to say."なんて皮肉たっぷりな歌詞で始まっているのだ。そしてそのエンディングは”No wall. No hate. No facsist USA. Whose street? Our street."ときたもんだ。超リベラルな私が嬉しくなってしまうような歌詞ではないか。ロックってのはこういうもんだぜ。

もちろん,これをNeil Youngの最高傑作なんて言う気もないが,兄貴がもう70歳をとうに過ぎていることを考えれば,衰えない創作意欲と問題意識には感服せざるをえない。だって,4月にはもう次の新作が出るって,一体どうなっているのやら...。星★★★★☆。

Personnel: Neil Young(vo, g, p, hca, whistle), Lulas Nelson(g, vo), Micah Nelson(g, vo), Corey McCormick(b, vo), Anthony LoGerfo(ds), Tato Melgar(perc) and others

2018年1月21日 (日)

いまだに現役で頑張るLarry John McNallyのデビュー・アルバム。

"Larry John McNally" (Arc/Columbia)

_20180114_2Larry John McNally,懐かしい名前である。現在も現役で活動をしていて,アルバムも「細々と」(笑)リリースし続けている。現在はRoger Watersの息子のHarry Watersとバンドを組んでツアーもやっているようであるが,まぁ目立ってはいないな(爆)。この人の場合,本人のアルバムよりも,この人の曲を歌っている人の方がメジャーな場合が多く感じられて,むしろソングライターとしての評価が高いかもしれない。Bonnie Raitt然り,Rod Stewart然りである。

今回はカテゴリーをSSW/フォークとしているが,この人の音楽はよりAOR的だし,この人の声もフォークというよりも,より都会的なセンスを感じさせる。そして,このアルバム,いい曲が揃っているが,私に一番響いたのはメロウな"Sleepy Town"であった。どこかで聞いたような既視感を与える曲調なのだが,それは典型的AOR的な響きを持つからではないかと思ってしまった。

このアルバムも聞くのは本当に久しぶりだったのだが,これは今聞いても結構いいねぇと思える作品であった。こういうジャケにしなければ,もう少し売れたのではないかとも言いたくなるが,いずれにしても未聴の方は聞いてみて損はしない。その後,デモ音源などを加えたデラックス・ヴァージョンが発売されたっていうのには今更驚かされるが...。でもナイスなアルバムであることは間違いない。星★★★★。

それにしても,プロデューサーがJon Lindってのも懐かしい名前であった。元Fifth Avenue BandやHowdy Moonって言っても,わかってくれるのは一定の年齢層以上に決まってるな。

Personnel: Larry John McNally(vo, g), James Gadson(ds), Gary Mallaber(ds), Reggie McBride(b), Keni Burke(b), Kenny Lewis(b), Chuck Domanico(b), Buzzy Feiton(g), Richard Feldman(g), Chuck Bynum(g), Bill Payne(el-p, org, synth), Victor Feldman(el-p, perc), Peter Reilich(el-p), Bruce Malament(el-p), Ricky Kelly(p, el-p, synth), Lenny Castro(perc), Sam Clayton(perc), Valerie Carter(vo), Jon Lind(vo), Marti McCall(vo), Petsye Powell(vo), Margaret Branch(vo), Jude Johnstone(vo), Tom Scott(horn), Jerry Peterson(horn), Lee Thornburg(horn)

2018年1月16日 (火)

Ray Lamontagne:この素晴らしき歌唱に浸る。

"Live from Bonnaroo 2005" Ray Lamontagne(RCA)

Bonnaroo私がRay Lamontagneという人に出会ったのは"Till the Sun Turns Black"でのことであった。そこでの歌いっぷりに心底まいってしまい,彼のアルバムは全部買っている。だが,このブログに彼のアルバムについて書いたことがないのは,その後のアルバムが"Till the Sun Turns Black",あるいはデビュー作"Trouble"ほど,私に響いてこなかったということがある。まぁ,ちゃんと聞いていないからだという話もあるが,一聴して「これはっ!」って感じがなかったのである。

だが,今回,久しぶりにこのライブ盤を聞いて,やっぱり凄い歌い手であるという認識を新たにした。デビュー作"Trouble"のリリースが2004年だが,その翌年,米国のBonnaroo Music and Arts Festivalに出演した時の模様を収めたライブ音源である。このBonnarooは日本で言えば,フジ・ロック・フェスティバルのようなものと思えばいいだろうが,デビューの翌年,そのデビュー作からの曲を6曲収めたこのライブEPは,この人の曲の素晴らしさ,歌手としての訴求力を強く感じさせて素晴らしい。

一般的な感覚で言えば,フォークあるいはSSWの文脈で捉えられるべき演唱であるが,シンプルな演奏,歌唱でありながら,聴衆を惹きつける魅力は十分と思える。私がこの人に感じた魅力はこういうものだったのだなぁということを改めて認識させられた。こういう素晴らしい音楽はもっと取り出しやすいところに置いとけよっていう反省も込めて,星★★★★☆。このディスクそのものはなかなか見つかりにくいかもしれないが,ストリーミングでも聞けるので,ご関心のある方は是非お試しを。

Recorded Live at Bonnaroo Music and Arts Festival on June 10, 2005

Personnel: Ray Lamontagne(vo, g, hca), Chris Thomas(b), Larry Ciancia(ds)

2018年1月 3日 (水)

EBTGでくつろぐ。

"Worldwide" Everything but the Girl (Atlantic)

_20171230_2新年はくつろげる音楽を聞いて過ごしたいということで,今日選んだのはEverything but the Girlである。この"Worldwide"というアルバム,彼らのキャリアの中ではあまり目立たない一枚と言ってもよいかもしれないが,しみじみと聞かせるという点では,結構いいアルバムである。

比較的シンプルで抑制された伴奏の中で,Tracey ThornとBen Wattによって歌われる歌は,心に落ち着きをもたらしてくれるものである。中では"Twin Cities"のポップ度が群を抜いていていて,アルバムの中では若干浮いているような気もするが,これが実にいい曲なので許す(きっぱり)。

私はこの後に出た"Acoustic"というアルバムがかなり好き(記事はこちら)なので,それに比べるとプレイバック回数は少ないのだが,久しぶりに聞いてこの落ち着きに満ちた音楽はまさに「大人の音楽」だと思わせるに十分であった。それにしても本当にいい曲を書く人たちであるが,それを彼らの「声」で聞けることに,改めて幸福感をおぼえてしまった。

このアルバムが出て,もはや四半世紀を過ぎているが,その瑞々しさは不変であった。星★★★★。

Personnel: Tracey Thorn(vo), Ben Watt(vo, g, p, key, synth, prog), Greg Lester(g), Damon "The Doctor" Butcher(p), Peter Murray(org), Geoff Gescoyne(b), Steve Pearce(b), Ralph Salmins(ds, perc), Vinnie Colaiuta(ds), Martin Ditcham(perc), Dick Oatts(as, ss), Peter Whyman(ts), James McMillan(tp, fl-h)

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