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カテゴリー「SSW/フォーク」の記事

2018年10月30日 (火)

感動した!Joni Mitchellのワイト島ライブ。

"Both Sides Now: Live At The Isle Of Wight Festival 1970" Joni Mithchell (Eagle Rock)

Joni_mitchell_isle_of_wight_2デリバリーされてから結構な時間が経過していたのだが,ようやくこのBlu-rayのライブ部分のみを見る時間が取れた。

ワイト島のライブはいろいろな問題を提起した野外フェスティバルだった。無料なのか,有料なのかでもめにもめ,諍いが絶えなかったというのは後々知ったことであった。そのワイト島で開かれた第3回のフェスティバルは,MilesやEL&P,The Whoも出演したものだったが,そこにJoni Mitchellも登場し,彼女が相当ひどい目にあったということは,以前から知られていた。

フェスティバルの模様は“Message to Love: The Isle of Weight Festival"としてまとめられていて,コンピレーション音源としてもリリースされているが,そこで撮影された素材を使って再編集されたのがこの映像ということになるだろう。このディスクもコンサート部分と,Joniのインタビューを交えたドキュメンタリーの2つの映像から構成さえている。まずは私が見たのがライブの部分である。

全編を通じて,古い映像ゆえに画像は粗いし,音もPAはかなりハウリングしているし,サウンドそのものも貧弱なのはまぁ仕方がない。そこで展開されるJoniの演奏には,特に前半に相当に神経質になっているJoniの姿が捉えられている。そして,"Woodstock"を歌い終えた後のヒッピー,Yogi Joeの乱入によって,騒然となった聴衆に向かってJoniの放った,"Pay respect to us."等々の言葉により,聴衆は静まり,Joniも落ち着きを取り戻して更に歌うというプロフェッショナルぶりを示す。Joniが語ったのは「ネイティブ・アメリカンが行っている神聖な儀式の最中に,それに敬意を払わない観光客とあんたたちは同じよって!」ってことだが,まさに「毅然とした」とはこういう態度であって,その後のプロとしての演奏に,聴衆がスタンディング・オヴェイションを与えるのは当然のことのように思えた。

今にして思えば,こんなことになっていたのかと感じるが,音楽というものが生み出していた幻想を完膚なきまでに打ち砕いたフェスティバルだったと思える。若々しいJoniの姿を見ることができるのは実に素晴らしいことであるが,ドキュメンタリーゆえの「現実の辛さ」というものも表れている。双方の意義を認めて,私としては星★★★★★とするが,とにかく,痛々しささえ感じさせながらも,Joniの態度,歌いっぷりには本当に感動させられた。すべての人に必見とは言いにくいところもあるが,これが優れたドキュメンタリーであるという評価は揺るがない。

ここでの毅然としたJoni Mitchellの態度は,現代ならば,それこそ渋谷界隈でハロウインでバカ騒ぎする「他者への敬意を欠いた」うつけ者どもにこそぶつけられるべきものではないかと,映像を見ていて思ってしまった。

2018年10月25日 (木)

Rachael Yamagataの新譜EPにしびれる。

"Porch Songs" Rachael Yamagata (Download Only)

Porchsongs私はデビュー以来のRachael Yamagataのファンである。彼女の音源はほぼすべて保有しているし,彼女がクラウド・ファンディングでアルバムを制作するというなら,喜んで協力してしまうぐらいのある意味「熱烈」なファンである。

そんな彼女が前作"Tightrope Walker"以来約2年ぶりにEPをリリースしたのが本作である。彼女の魅力はその声と,内省的でありながら極めて魅力的な曲調にある。今回のEPでもその魅力は健在であり,私の心を鷲掴みにしてしまう曲が揃っているではないか。まじでく~っと唸ってしまった。だから彼女の音楽は最高だと思う訳で,今回も現状はダウンロード・オンリーの音源で我慢するが,そのうち媒体が出れば,間違いなく買ってしまうと思う。

ダウンロード・オンリーなので,詳細のクレジットはわからないが,そんなことは関係なしに,本当に彼女の書く曲の素晴らしさに改めて感服した私である。Rachael Yamagata親衛隊(笑)としては当然星★★★★★。

彼女はこの秋,台湾,韓国,中国などを回るアジア・ツアーに出るが,今回も日本はスキップされてしまった。なぜなのか私にはよくわからないが,どうしても解せない。よほど嫌なことでもあったのか?いずれにしても,こんな音源を出されてしまっては,できるだけ早い時期の再来日を期待するだけである。

2018年10月21日 (日)

聞いていて嬉しくなってしまうPedro AznarとDavid Lebonのデュオ作。

"Teatro ND Ateneo Marzo 2007 Vol.1" Aznar Lebón (Tabitz)

_20181019_2歌手としてのPedro Aznarはあの声の魅力が何よりだと思う。このアルバムはDavid Lebónとのコンビで残したライブ盤だが,キーボードを加えた小規模な編成で,彼らのヴォーカルが聞けるのは何とも嬉しいものである。

Pedor AznarはPat Metheny Groupでの活動でもよく知られているが,ここで相方を務めるDavid Lebónはよく知らないので,調べてみると,Pedro Aznarと同じくアルゼンチン出身のマルチ奏者,歌手ということである。ギターを主楽器にしていて,ここでの演奏もいいソロが並んでいて侮れないと思わせる。彼の声がAznarと重なると,これが実に心地よく,響きとしてはAORと言ってもよいような曲が並んでいてカテゴリーが難しいが,アルゼンチンを代表するミュージシャンの共演という気がする。

私がこのアルバムを購入した動機は間違いなく,Pedro Aznarだったとは思うが,予想を越える良さだったという気がする。並んでいる曲は彼らのオリジナルで,知っている人は知っているのだろうが,私にとっては新鮮な曲ばかりである。いずれにしても,このアルバムは彼らの声にまいるというのが,正直なところ。リリースから10年以上経過しているが,私がこれを聞くのも実に久しぶりのことであった。そのうち,Vol.2も聞くことにしよう。星★★★★。

Recorded Live at Teatro ND Ateneo in March, 2007

Personnel: Pedro Aznar(vo, g, b, p), David Lebón(vo, g, hca), Andres Beeuwaert(key, vo)

2018年10月17日 (水)

丁寧に作られたLaura Nyroトリビュート・アルバム

”Time And Now: The Music of Laura Nyro" Various Artists(Astor Place Recordings)

_20181014私はLaura Nyroも昔から結構好きで,アルバムも相応の数を保有している。早いもので彼女が亡くなってから20年以上が経過しているが,今でも彼女の曲は魅力的に響くし,多くのミュージシャンから今でも愛されているはずである。2014年にリリースされたBilly Childsのトリビュート作なんて,涙が出るほど素晴らしかった(記事はこちら)。

しかし,彼女を追悼するという意味で,彼女が亡くなってほどなくリリースされたこのアルバムも忘れ難い。アルバムのプロデュースは,懐かしやFifth Avenue BandのPeter Gallwayが務め,日本ではあまり知られていないミュージシャンも含めて作られたアルバムは,コンピレーションでありながら,Laura Nyroの曲の魅力を掘り起こすとともに,尊敬を込めて演奏されたという点で,非常に好感度が高いのである。女性ミュージシャンによる演奏となっているのは,昨日取り上げたDionne Warwickと同じなのだが,私としては全然レベル,と言うか志が違うと言いたい(きっぱり)。

多くはSSW/フォーク系からミュージシャンが集まっているが,その中で異色なのは,唯一インストで勝負するLeni Stern。この曲のプロデュースがLarry John McNallyってのもへぇ~って感じだが,バックにはまだ当時は若手であっただろうTim Lefevre,Lionel Cordew,そしてヴェテラン,Don Aliasの名も。落ち着いた雰囲気で,しっとりと"Upstairs by a Chinese Lamp"を演奏している。また,女性アカペラ・グループ,”When I Die"も結構雰囲気は違うが,好き嫌いは別にしても,ユニークなアダプテーションと言える。最後のDana BryantはBill Laswellがプロデュースということもあり,全編スクラッチ炸裂で一筋縄ではいかないが,これはこれでってことで(笑)。こんなところにKarl Bergerの名前を見つけると思わなかったが。

まぁ,でも一番しびれる出来だと思ったのはPatty Larkinが歌った"Poverty Train"だったかもなぁ。この人,決してメジャーにならないが,このダークな感覚,いいねぇ。Holly Coleが歌った"Sweet Blindness"はバックのサウンド含めて高得点って感じである。

こうしたコンピレーションゆえに,玉石混交は仕方ないところではあるが,先述の通り,Laura Nyroへのリスペクトが強く感じられるという点では評価したくなってしまうアルバム。星★★★☆。でも音楽的質では,Billy Childs盤の方が圧倒的にハイ・レベルだが。

尚,参加ミュージシャン多数につき,詳細パーソネルは省略。

Personnel: Phoebe Snow(vo), Jill Sobule(vo, g, sarongi), Suzanne Vega(vo), Roseanne Cash(vo), Jane Sibbery(vo), Beth Neilsen Chapman(vo), Lisa Germano(vo), The Roches(vo), Sweet Honey in the Rock(vo), Jonatha Brooke(vo, g), Holly Cole(vo), Leni Stern (g), Dana Bryant(vo)

2018年9月 6日 (木)

Baldwin & Lepsって言っても好き者にしか通じないよねぇ(苦笑)。

"Baldwin & Leps" (Vanguard)

_20180902何とも印象的なジャケットである。そして「ブラックホークの99枚」にも選ばれていることで,好き者は知っているが,関心のない人にとってはなんじゃそれは?にしかならないアルバムである。一度,日本でもCDでリリースされたことがあるが,それも20年前。そちらは入手は決して容易ではあるまい。かく言う私も入手は苦労したが,ゲットしたのは今はなき町田の「オスカー」だったか...。

アルバム・ジャケからもわかる通り,ギターとヴァイオリンのデュオである。このアルバムは今やCDBabyで"From the Street to the Studio"というタイトルで入手可能で,そこでの解説によれば,Michael Bladwinがギターとリード・ヴォーカル,Ricahrd Lepsがヴァイオリンとハーモニー・ヴォーカルということである。ジャケにも何も書いていないが,バックにはリズムやストリングスが入る曲もある。とにかく音以外は謎なのだが,"From the Street to the Studio"というタイトルからすれば,もともとはストリート・ミュージシャンだった2人にレコーディングのチャンスが与えられたということであろう。

だが,その後,消息を絶つというのは,このアルバムがリリースされた時代(1971年)でさえ,大して売れそうにないなぁという音を聞けば納得がいってしまう。しかし,このせかせかした時代にこういう音楽で和むということは,ある意味価値があるのではないかと思う。リズムが入ったイントロはいかにもCSN&Y的に響くところも時代を感じさせるが,私のようなオッサンにはこれぐらいの感覚のアルバムもたまに聞きたくなるのは,渋いシンガー・ソングライター好きの性ってやつである。

Michael_baldwin_and_richard_lepsそうは言いながら,私がこのアルバムをプレイバックする回数は実はそれほど多くない。それはMichael Baldwinのハイトーンの声が若干私の好みとは違う(むしろRichard Lepsの声の方が好みなのだ)ことが大きいが,それでもこれはこれで保有していて損はないアルバムだと思う。不朽の名作とは思えないが,これも時代を映す鏡である。星★★★★。ついでに現在入手可能なヴァージョンのジャケも掲載しておこう。これでは購入意欲は上がらないが(爆)。

Personnel: Michale Baldwin(vo, g), Richard Leps(vln, vo)

2018年9月 2日 (日)

マジで素晴らしいEmmylou Harrisの"Wrecking Ball"

"Wrecking Ball" Emmylou Harris(Elektra)

_20180901Emmylou Harrisと言えばカントリーってイメージが強いんだろうが,私の中で最初に記憶に刻まれたのはThe Bandの"The Last Waltz"で"Evangerine"を一緒に歌っていたことだったと思う。だが,カントリーのイメージが強いので,純正カントリー・ミュージックにはほとんど興味を持てない私のような人間にとっては,決して縁の深いミュージシャンではない。もちろん,いろんな人のバックで名前を見ることはあっても,それでいいじゃんという感じだったのである。

そんな私がこのアルバムを購入した理由は,世評の高さもあったが,やはりプロデューサーがDaniel Lanoisだったということが大きかっただろう。ここで聞かれる音場って,穏やかで緩やかなU2的なサウンドと言っても通用しそうな気もする。U2のLarry Mullen, Jr.も結構な数の曲で参加していることも無関係ではないだろう。

だがそうしたサウンド面はさておき,このアルバムの重要なポイントは,それこそアメリカ/カナダ音楽の重鎮のような人たちが書いた曲を,穏やかな中にも,刺激のあるかたちで歌い上げたことにこそあるように思う。DylanにNeil Youngやジミヘン,更にはSteve EarleやAnna McGariggle,Gilian Welch,Lucinda Williams等々と言えば,何をかいわんやって感じである。渋いチョイスというか,ある意味こうした人たちの曲が,何の違和感もなく並んでいることが凄いのだ。まさに見事に仕立てられたアルバムであり,Daniel Lanoisのプロデュース手腕ここに極まれりって感じがする。

こんな音作りゆえに,カントリー・ファンからは無視されたって話もあるが,これを聞かずにおくのは実にもったいない。本当に優れたヴォーカル・アルバム。素晴らしい。星★★★★★。

Personnel: Emmylou Harris(vo, g), Daniel Lanois(g, mandokin, b, dulcimer, perc, vo), Malcolm Burn(p, org, key, vib, g, b, perc, vo), Larry Mullen, Jr.(ds), Tony Hall(b, perc), Daryl Johnson(perc, b, vo), Brian Blade(ds, perc), Steve Earle(g), Sam O'Sullivan(roto wheel), Neil Young(vo, hca), Kufaru Mouton(perc), Lucinda Williams(g), Richard Bennett(g), Anna McGarrigle(vo), Kate McGarrigle(vo)

2018年7月31日 (火)

Ray Lamontagneの新作は穏やかな響きって感じか。

"Part of the Light" Ray Lamontagne (RCA)

_20180729このブログには,アルバムに関して記事を必ずしもアップしている訳ではないのだが,私はRay Lamontagneという歌手を結構贔屓にしていて,出したアルバムは全部買っているはずである。これまた私が絶対的に贔屓にしているRachael Yamagataのアルバムにも参加したことがあるので,やはり通じるところがあるのだろう。

Ray Lamontagneはロック色を強めたアルバムもあった(と記憶する:笑)が,今回のアルバムは実に穏やかな感じがする。だが,この世知辛い世の中において,この穏やかな響きは貴重に思える。そして,この人の声,そしてソング・ライティングはやはり魅力的である。そして,ほぼ固定メンツで作り上げた音楽には安定感がある。そうした中で”As Black as Blood Is Blue"のような曲は,ロック・タッチのイントロにびっくりさせられるが,歌自体は,当然ハード・ロックのようにはならない。

米国においてはそこそこ人気もあると思われるRay Lamontagneだが,日本でこの人の名前を聞くことは実に稀なのはなんでなのか。やっぱりこの時代にこういう音楽はフィットしないということなのかもしれないが,私のようなオッサンには訴求力高く迫ってくる。改めて,彼のアルバムを聞き直したくなった私である。そんなこともあって,ちょっと甘めの星★★★★☆としてしまおう。

尚,このアルバム,最初に届いた時は,プレス・ミスで後半が再生できないディスクが届いたのだが,私が仕入れた海外のセラーは,交換に迅速に応じてくれて,非常に好感度が上がってしまった。ネット・セールスってのはこういう対応が必要だよなと改めて思ったことを付記しておこう。

Recorded between June 19 and July 7 and between September 23 and October 2, 2017

Personnel: Ray Lamontagne(vo, g, synth), Dave Givan(ds), John Stirratt(b, g, vo), Seth Kauffman(g, b, synth), Carl Broemel(g, vo), Bo Koster(synth, org, p, el-p), Kevin Ratterman(synth, perc)

2018年7月30日 (月)

てっきりブートだと思っていたらオフィシャル音源だったNeil Young,1973年のライブ。

"Roxy: Tonight's the Night Live" Neil Young (Reprise)

 _20180728ジャケだけ見てると,ブート音源のリリースかと思わせるものなのだが,れっきとしたオフィシャル盤であった。思い込みはいかんねぇ(苦笑)。

"Tonight's the Night"がリリースされたのは1975年のことだが,音源としてはこのライブが行われる前にはレコーディングされていたものであり,それをライブの場で再現したものと言ってよいだろう。

この時期のこのメンツの演奏である。Neil Youngが好きな人間が痺れない訳はないのだ(きっぱり)。そして,ライナーには"Tonight's the Night"の録音の様子が書かれていて,なぜこのバンドがSanta Monica Flyersと呼ばれるかについても書いてあるのが面白い。いずれにしても,"Tonight's the Night"の曲を,当時オープンしたばかりのL.A.のRoxyで演奏したライブは,長年のファンも納得間違いなしの素晴らしい発掘音源である。星★★★★★。

ところで,アルバムのジャケには,Neil Youngがテレキャスを抱えている姿が写っているが,バタやんみたいな抱え方だなぁ,なんて思って笑っている私はやはりアラカンである(爆)。でも多分,私自身もテレキャスを弾く時はこんな感じになっているはずだな(苦笑)。尚,Neil Youngが"My name is Glenn Miller."とかしょうもないジョークを言っているが,完全にすべっているのはご愛敬。

Recorded Live at Roxy on September 20-22, 1973

Personnel: Neil Young(vo, g, p, hca), Ben Keith(pedal steel, vo), Nils Lofgren(p, g, vo), Billy Talbott(b), Ralph Molina(ds, vo)

2018年7月28日 (土)

Nicolette Larsonの人徳を感じさせるトリビュート・ライブ。

”A Tribute to Nicolette Larson: Lotta Love Concert" Various Artists(Rhino)

_20180722_3Nicolette Larsonが亡くなったのは1997年の12月16日のことであった。それから約2か月後,サンタモニカで開催されたトリビュート・ライブの模様は,開催から約8年を経過して,このアルバムとしてリリースされた。

Nicolette Larsonはこのアルバムでも冒頭を飾る"Lotta Love"のようなヒット曲もあるが,彼女のバッキング・ヴォーカルに支えられた人々は多数存在して,このライブは,彼らが彼女の夫,Russ Kunkelともども演奏した曲を収めている。Nicolette Larson自身のキャリアは,決して華々しいものであったとは思えないが,彼女の訃報に接して,これだけの人たちが集うところに,私は彼女の人徳を強く感じて,ついつい涙腺が緩んでしまう。

このオールスター・トリビュートで歌われる曲でNicoletteの曲は"Lotta Love"だけで,それ以外は参加したミュージシャンの持ち歌である。それでも,彼らのNicollete Larsonを想う気持ちが強く感じられるように聞こえてしまうのは,私の感傷が先走っているかもしれない。しかし,どの歌も,相応に感動を呼ぶものだと思える。そして,ライナーに寄せられたミュージシャンたちのコメント(おそらくはライブの場で語られたものであろう)は涙なしには見られない。本当に人から好かれるミュージシャンであり,人間だったということの証がここにある。Carol Kingのコメントをここに書いておこう。

"When you lose a light in this sometimes dark world, it is disturbing. When you lose a light like Nicolette - it is incredibly sad."

このCDからの売り上げは,Nicolette Larsonの小児科基金,UCLAの小児科病院等に寄付されるとのことである。Nicolette Larsonは亡くなっても,その精神と,子供たちをいたわる気持ちは永遠ということである。そうした事実に触れ,本当に惜しい人を亡くしたと改めて思う。ということで,こうしたアルバムには採点は不要である。本人はいなくても,Nicolette Larsonの人となりに触れられる素晴らしいライブ・アルバム。そして,ジャケを飾る彼女の写真が素晴らし過ぎて,また涙を誘う。

Recorded Live at Santa Monica Civic Auditorium February 21 & 22, 1998

Personnel: Carol King(vo, p), Bonnie Raitt(vo, g), Valerie Carter(vo), Rosemary Butler(vo), Dan Forgelberg(vo, g), Joe Walsh(vo, g), Little Feat<Paul Barrere(vo, g), Fred Tackett(g), John Cleary(key, fl), Kenny Gradney(b), Richie Hayward(ds, vo), Sam Clayton(perc, vo)>, Michael Ruff(vo, p), Jackson Brown(vo, p, g), Emmylou Harris(vo, g), Linda Ronstadt(vo), David Crosby(vo, g), Stephen Stills(vo, g), Graham Nash(vo, g, hca), Jimmy Buffett(vo, g), Waddy Wachtel(g), Steve Farris(g), Craig Doerge(p), John Giluten(org), Leland Sklar(b), Freebo(b), Russ Kunkel(ds), Lenny Castro(perc), Mary Kay Place(vo), Sherry Kondor(vo)

2018年7月23日 (月)

先日取り上げたCharles Lloyd作に参加のLucinda Williamsの旧作を。

"West" Lucinda Williams(Lost Highway)

_20180721_3先日,このブログでも取り上げたCharles Lloyd and the Marvels + Lucinda Williamsの"Vanished Gardens"は素晴らしいアルバムであった。そこに半数の5曲で参加したLucinda Williamsのアルバムって1枚だけ持っていたなぁってことで,久々に取り出してきた。正直言って,どうして私がこのアルバムを購入する気になったかは全く記憶にない(爆)。だが,よくよく見れば,Hal WilnerとLucinda Williamsの共同プロデュースではないか。そういう要素もあったのかもしれないなぁなんて思った私である。いずれにしても,これを聞くのも相当に久しぶりの「はず」である(苦笑)。

Charles Lloydのアルバムに比べると,やや声のトーンが高いような気もするが,スモーキーな感じであることには変わりはない。そして,ゆったりとしたトーンで演奏される曲群は,よくよく歌詞を読んでみると,結構切ないものが多いが,それにしてもいい曲を書く人だねぇと思わせる。そして,典型的なカントリー的な感じではなく,やはりこれはロック寄りのオルタナ・カントリーである。

Charles Lloydのアルバムでも共演しているBill Frisellがここでもギターを弾いているが,だとすれば,LloydにLucinda Williamsを紹介したのはビルフリってことになるのかもしれない。どういう経緯だったとしても,Lucinda Williamsへの私の関心を改めて高めたのだから,Charles Lloydのアルバムには副次的効果があったってことである。

まぁ,かなり渋いアルバムではあるし,私はこの手の音楽において,女声よりも男声の方を好む傾向があるので,あまりちゃんと聞いてなかったようにも思えるが,これは聞き直してよかったと思えるようなアルバムであった。星★★★★。

Personnel: Lucinda Williams(vo, g), Rob Burger(p, org, el-p, accor), Doug Pettibone(g), Bill Frisell(g), Tony Garnier(b), Jim Keltner(ds, perc), Jenny Scheinman(vln), Rob Brophy(vla), Tim Loo(cello), Hal Wilner(turntable, sample), Gary Louris(vo), Gia Ciambotti(vo)

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