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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2018年7月16日 (月)

初めて聞いたMaterialの"One Down":無茶苦茶カッコいいじゃん。

"One Down" Material(Celluloid)

One_down先日,私はこのアルバムを縁あってApple Musicでストリーミングで聞いたのだが,それが私にとってのこのアルバムの初聞きであった。Materialについては,だいぶ前に彼らのデビュー・アルバム"Memory Serves"を取り上げたことがある(記事はこちら)が,その当時としては尖がったグループであったことは間違いないとしても,その後を追い掛けることは当時の私にはなかった。だから,このアルバムについても未聴のままだったわけだが,そのストリーミングを聞いた時,おぉっ,これはカッコいいと思ってしまった私である。挙句の果てにCDまでゲットしてしまった(笑)。

これはMaterial版ファンク&ソウルって感じの演奏,歌唱が収められており,これがなかなか楽しめるのである。驚いたことにと言うか,今は亡きWhitney Houstonのメジャー・デビュー前の歌唱も入っており,その伴奏にはなんとArchie Sheppというどういう組み合わせやねん?と言いたくなるような"Memories"なんて,今にして思えば「へぇ~」と言わざるを得ない。また,Fred Frithのノイジーなギターで始まる"Time Out"なんてPrinceのようにさえ聞こえる。こういう音楽をMaterialとしては指向していたのかってこともわかって,実に興味深いアルバムである。まぁ,Nile Rogersがギターで参加する曲はまるでChicそのものだが(笑)。

そのほかにいろいろなヴォーカリストが参加して,賑々しいアルバムであるが,この段階では既にドラマーであったFred Mahrは脱退していたようで,彼の名はボートラとして入っている"Bustin' Out"に認められるだけである。その後,Materialのメンバーはプロデューサーとしても活躍するが,既にFred Mahrはこういう路線とは違うものを目指していたということであろう。

_20180715しかし,リリースから35年以上経っている割に,今の耳で聞いてもこれはカッコいいと思ってしまうのは私が同時代人だからなのかもしれない。それでも結構楽しめてしまうということで星★★★★。私としてはファーストよりもこっちの方が楽しめるかもしれないなぁ。

残念ながら私がネットでゲットした中古盤はジャケ違いであるが,そっちの画像も貼り付けておこう。

Personnel: Bill Laswell(b), Michael Beinhorn(synth), Fred Mahr(ds), Nona Hendryx(vo), B.J. Nelson(vo), R. Bernard Fowler(vo), Noris Night(vo), Whitney Houston(vo), Nicky Skopelitis(vo, g), Thi-Linh Le(vo), Jean Karakas(vo), Nile Rogers(g), Fred Frith(g), Ronnie Drayton(g), J.T. Lewis(ds), Tony Thompson(ds), Yogi Horton(ds), Raymond Jones(el-p), Oliver Lake(as), Archie Shepp(ts), Daniel Ponce(perc)

2018年6月 4日 (月)

私にとってのMe'Shell Ndegéocelloの最高傑作はこれだ!

"Peace Beyond Passion" Me'Shell Ndegéocello(Maverick)

_20180602_4Me'Shell Ndegéocelloは結構な数のアルバムをリリースしており,その度に私もこのブログでも取り上げてきたつもりである。そうは言いながら,最新のカヴァー・アルバムはストリーミングで一回聞いただけで,記事にもしていないので,偉そうなことは言えない。

しかし,これまでも繰り返し書いてきたのだが,私にとって,彼女の2作目である本作のインパクトは超強烈なものだったと思うし,これが彼女にとっての最高傑作であるという評価には何の変わりもない。とにかく,世の中こんなにカッコいい音楽があるのかとさえ思ったのも懐かしい。このアルバムがリリースされて,もう20年以上経過しているが,そうした感覚には今でも同様である。そして,音楽として全く古びた感じがしない。

これは多分,私の音楽的な嗜好とのマッチングということもあるだろうが,どこから聞いてもいけている。それはプロデュースをしているのが,Scritti Polittiにも参加していたDavid Gamsonだということもあるかもしれないが,ここでの音楽はScritti Polittiよりもはるかにファンク度が高い。そして,このファンク・フレイヴァーに溢れた音楽に,Me'Shell Ndegéocelloのディープな声が何ともマッチしているのが最高にいいのである。

そして,よくよくクレジットを眺めると,おぉっ,こんなところにこんな人がって感じの発見も多い。まじで最高なのだ。私はこのアルバムには星★★★★★以外の評価はできない。それぐらい痺れる音楽(きっぱり)。

Personnel: Me'Shell Ndegéocello(vo, various instruments), David Gamson(prog), Wah Wah Watson(g), Wendy Melvoin(g), David Fiuczynski(g), Federico Gonzalez Pena(el-p, perc), Billy Preston(org), Oliver Gene Lake(ds), Daniel Sadownick(perc), Luis Conte(perc), Joshua Redman(sax), Bennie Maupin(b-cl), Paul Riser(strings arr)

2018年4月29日 (日)

ロンドンから帰国して最初に聞いたのがBettye LavetteのBob Dylan集。最高である。

"Things Have Changed" Bettye Lavette(Verve)

_20180428ようやく,4月の出張地獄(笑)から解放されて帰国した。ここのところ,映画の記事ばかりアップしていて,中年映画狂日記じゃねぇかみたいになっていたので,ちゃんと音楽のネタもアップせねばということで,今日はBettye Lavetteである。

私がこの人の音楽に初めて接して,まじでしびれたのが"Interpretations:British Rock Songbook"のことであった(記事はこちら)。記事にも書いたが,ブリッティシュ・ロックとソウルる融合させるとこうなるという感じの素晴らしい音楽であった。その後も彼女のアルバムが出ると,ちゃんと買っている私だが,いいアルバムだとは思いつつ,そのアルバムを越えるところまでは行かないなぁと思っていた。しかし,今回のアルバムはBob Dylan集ということで,俄然期待値が高まっていた私である。

実を言うと,このアルバム,デリバリーされてから何度も聞いていて,ついに"Interpretations"と並ぶアルバムが出たと思っていたのだが,まじでこれが素晴らしい。これはプロデューサーを務めたSteve Jordanが「わかっている」というのが大きいが,Bettye Lavetteというシンガーはこうしたかたちの歌いっぷりが本当にはまる。世の中,Bob Dylan集というのは結構あって,このブログでも私はBryan Ferryのアルバムも予想を越える良さだと書いたことがあるが,本作はFerryのアルバムをはるかに越える出来と聞いた。

あくまでも,ここではBob Dylanの曲は素材であり,それを完全にBettye Lavette色に染めているのが何よりも素晴らしいのだ。ゲストのKeith Richardsを含めた豪華なメンツが彼女を支えたくなるのも肯けてしまうのである。あくまでもこれはソウルのアルバムであるが,ロックの魂がこもっていると言ってもよい。まじで最高である。星★★★★★。

Pewrsonnel: Bettye Lavette(vo, clap), Steve Jordan(ds, perc, g, vo), Larry Campbell(g, mandolin), Leon Pendarvis(el-p, p, org, key-b), Pino Palladino(b), Keith Richards(g), Trombone Shorty(tb), Gil Goldstein(org, key, accor, harmonium), Ivan Neville(key), Nioka Workman(cello), Charisa Dowe-Rouse(vln), Rose Bartu(vln), Ina Paris(vla)

2018年3月26日 (月)

珍しくもStevie Wonderを取り上げよう。

"Talkng Book" Stevie Wonder(Motown)

_20180325_2このブログでStevie Wonderについて書いたのは"Songs in the Key of Life"ぐらいである(記事はこちら)。そこにも書いたことだが,Stevie Wonderのピークは1970年代ということには異論を差し挟む余地はなかろう。本作を端緒とする3部作,そして,"Key of Life"を含めた4作こそ行くところまで行ってしまった感がある。私としては,そうした中ではこのアルバムは比較的軽い感覚で捉えているが,いいものはいつ聞いてもよいに決まっている。

久しぶりにこのアルバムを聞いたのだが,最後の最後に"I Believe(When I Fall in Love It Will Be Forever)"なんて入っているのねぇなんて,改めて気づく私であった。この曲,Art Garfunkelがアルバム"Breakaway"の冒頭に収められているが,Artがほぼオリジナルに忠実に歌っていることがわかって面白かった。もちろん,このアルバム,"You Are the Sunshine of My Life"やら"Superstition"のような有名曲も入っているが,それだけのアルバムではないということがわかるってもんだ。

Jeff Beckがギター・ソロを弾く"Lookin' for Another Pure Love"なんて,ギターに注目していたら肩透かしを食らうが,いい曲であることには間違いない。やはり粒揃いの曲があつまっているのである。Stevieが更なる高みに達するのは"Innvervisions"以降と考えてもいいが,この段階でそれに向けての助走は間違いなく始まっていたと言いたくなる作品。星★★★★☆。

まぁ,Stevie Wonderについてはこうしてアルバム単位で聞いてもいいし,ベスト盤を聞いても楽しめるが,日頃ベスト盤を聞くことが多い私にとっては丁度よい温故知新であった。

Personnel: Stevie Wonder(vo, various instruments), Ray Parker,Jr.(g), Jeff Beck(g), Buzzy Feiton(g), Scott Edwards(b),Daniel Ben Zebulon(conga), Dave Sanborn(as), Trevor Lawrence(sax), Steve Madaio(tp), Gloria Barley(vo), Lani Groves(vo), Jim Gilstrap(vo), Shirley Brewer(vo), Denise Williams(vo), Loris Harvin(vo), Debra Wilson(vo)

2018年3月25日 (日)

Sam Dees:昼下がりのサザン・ソウルもいいねぇ。

"The Show Must Go on" Sam Dees(Atlantic)

_20180325桜も満開の季節を迎えて,春爛漫という陽気の中,家で聞いていたのがこれである。天気も陽気もいいのだから,出掛ければいいものをとも思うが,ゴルフの朝練に行ったからまぁよしとしよう。

帰宅して,部屋の整理もしながらこの音楽を聞いていたのだが,この音楽にはついつい耳をそばだててしまう魅力があって,片づけが滞ってしまった(笑)。とにかく曲がいいのだ。いろいろなタイプの曲が収められているが,まさにこれこそソウルの王道って感じの音である。ジャケットも超渋く,こういうのをLPフォームで部屋に飾っていたら,「渋い奴」という評価確実だろう(爆)。

細かい参加ミュージシャンのデータはないが,基本は下記のメンツがコアで,そこにホーンやコーラスが加わる形態だが,本当にこれは素晴らしいソウル・アルバムであった。改めて感銘を受けた昼下がり。星★★★★★。おまけで我が家の近所の桜の写真もアップしておこう。いつもながら綺麗である。

Personnel: Sam Dees(vo, key), Glen Woods(g), David Camon(b), Sherman "Fats" Carson(ds)

2018

2018年2月 7日 (水)

Billy Prestonは素晴らしい。

"Encouraging Words" Billy Preston(Apple)

Billy_prestonこのアルバム,再発される前は非常に入手が難しかったが,最近は簡単に手に入るようになったようだ。私はその再発前にゲットしたので,結構高くついた記憶がある。Billy PrestonはBeatlesのアルバムにおけるエレピのプレイでも印象深いわけだが,そうしたつながりもあって,Appleでのあアルバム2枚は,George Harrisonがプロデュースしている。だったら,ファースト,「神の掟」から記事にすればいいようなものだが,そこは気まぐれで,このAppleの2ndである。と言うよりも,"My Sweet Lord","All Things (Must) Pass"や"I've Got a Feeling"が収録されているからこそ,実はこっちの方が気になってしまうのである。

このアルバム,詳しいPersonnelは書いていないのだが,George Harrisonはもちろん,Eric Claptonをはじめとする"All Things Must Pass"系列のミュージシャンが参加していると思われる。しかし,出てくる音楽は完全にソウルであるが,そこかしこにGeorge Harrisonっぽいギターも聞かれて,Prestonの歌だけでなく,バッキングにもついつい耳が行ってしまうのは仕方あるまい。

いずれにしても,このアルバム,Billy Prestonのソウルフルな歌唱と,彼のキーボード・プレイが過不足なく収められていて,久しぶりに聞いても楽しいアルバムであった。まぁ,このジャケットなので,どれぐらい売れたかはわかったものではないが,Billy Prestonのエレピは本当にいいよねぇと思わされるに十分である。星★★★★☆。

2018年1月26日 (金)

Ry Cooder参加アルバム・シリーズはこれで締めよう:Bobby King & Terry Evans

"Live and Let Live" Bobby King & Terry Evans(Rounder)

_20180121_2これまで3日続けてRy Cooder参加のアルバムを取り上げてきたが,最後はこのアルバムで締めくくりたいと思う。今回のテーマはソウル/R&Bである。

本作の主役であるBobby KingとTerry EvansはRy Cooderとの共演歴が豊富であり,特にBobby Kingは,長きに渡ってバックアップ・シンガーを務めてきた。そうした二人のリーダー作をRy Cooderがプロデュースするというのは自然な流れと言ってもよい。このアルバム,何が凄いって,主役の二人の歌唱はさておき,Ry Cooderのギターの弾きまくりぶりが凄いのだ。伴奏に徹した時のRy Cooderの凄さはMavis Staplesの"We'll Never Turn Back"でも実証済みである(同作に関する記事はこちら)が,まさに本作も同じ感覚である。ここまでギターを弾いてくれれば,何の文句もない(きっぱり)。

久々に聞いて,Ry Cooderがここまでギターを弾いていたかとさえ思ってしまったが,これが何ともワクワクしてしまうようなギター・プレイなのである。John Hiattたちと組んだLittle Villageでもここまでは弾いていないとさえ言いたくなる。Rolling Stone誌には"The 100 Greatest Guitarists of All Time"というリストがあるが,2015年版でも31位に挙げられているだけのことはあると思わせるに十分である。

そして,このアルバムを締めるのが"The Dark End of the Street"ってのもいいねぇ。Ry Cooderも"Boomer's Story"や"Show Time"でも取り上げていたDan Pennが書いたこの名曲を,ここで改めて取り上げているところに感慨を覚えるファンも多いだろう。少なくとも私にとってはそうである。

いずれにしても,ここで聞かれるRy Cooderのギター・プレイはまさに素晴らしいの一言。それだけのために保有する価値のある一枚。アルバムの評価としてはMavis Staples盤に譲るとしても,星★★★★☆には十分値する。バックを務めるメンツも好き者にとっては嬉しくなるような人ばかりである。

Personnel: Bobby King(vo), Terry Evans(vo), Ry Cooder(g), Jim Keltner(ds), Spooner Oldham(p, org), Jim Dickinson(p), Darryl Johnson(b), Jorge Calderon(b), Josiah Kinlock(perc), Miguel Cruz(perc), Willie Green, Jr.(vo)

2017年12月29日 (金)

2017年の回顧:音楽編(その1)-ジャズ以外

今年も大詰めが近づき,いよいよ今年の回顧も音楽に突入である。まずはジャズ以外の音楽について取り上げよう。私が高く評価したアルバム(★★★★☆以上)については,2017年のおすすめ作としてブログの右側に掲示しているので,大体予想がついてしまうという話もあるが,まぁそれはさておきである。

Vkingur_lafsson私が今年ジャズ以外の音楽で聴いて,最も感銘を受けたのはVíkingur ÓlafssonのPhilip Glassのピアノ作品集であることは疑いのない事実である。この清冽な響きには正直ノックアウトされてしまった。私は今年は現代音楽のピアノを結構聞いたと思うが,ほとんどはECMレーベルの作品であり,それはピアノの響きと演奏が一体化していて心地よいということがあるのだが,このVíkingur ÓlafssonはDeutsche Gramophoneからの作品であり,ECMでないということが重要なのだ。これはまじで最も感動した作品の一枚であった。

Graceそしてそれと双璧なのがLizz Wrightの"Grace"である。本作はジャズのカテゴリーに入れてもいいと思ったが,本質的にこれはルーツ・ミュージック,あるいはソウルの世界である。よって,ここに取り上げることにするが,記事を書いた時の「Cassandra Wilsonを越えた」という表現に私には揺らぎはない。Lizz Wrightはこれまでも優れた作品をリリースしてきたが,これこそこれまでの彼女にとっての最高傑作と言ってもよい出来である。傑作という表現以外思いつかないぐらいの超絶作品。素晴らしい。

Moonchild心地よさという点ではMoonchildの"Voyager"が最高であった。メロウ・グルーブっていうのはこういうのを言うのだと思わせるに十分なアルバム。音楽に何を求めるかっていうのはいろいろあるところではあるが,心地よさ,身体が揺れるという感覚を感じさせてくれるに十分なアルバムであった。彼らのライブを見逃したのは痛かったが,こうした演奏に触れる機会を与えて頂いたブログのお知り合い,kenさんには大いに感謝したい。本当に気持ちいいアルバムである。

Southern_blood_2こうした作品に加えて,今年涙なくして聞けなかった作品というのが一枚ある。それがGregg Allmanの遺作,"Southern Blood"である。作品としての質がどうこうということではなく,私は本作に純粋に感動してしまったのである。加齢により涙もろくなっているということも影響しているが,本作は死期を悟ったミュージシャンのまさに"Swan Song"である。ある程度年齢を重ねたリスナーにとっては,これはツボに入ってしまうこと確実な音楽と言える。私は決してAllman Brothers Bandに思い入れのある人間ではないにもかかわらずの感動なのだ。これは本物だと思っている私である。

そのほかにもいろいろ面白いアルバムはあったが,いずれにしても,先日発表された「ミュージック・マガジン」のベスト10とは見事なほどに全く無縁のセレクションになってしまったなぁ。まぁ,自分の嗜好で音楽を聞いているので,違うのは当たり前だが。いずれにしても,来年も自分の好みに忠実に過ごしていければと思っている。プロじゃないからね(笑)。だが,上に挙げた4枚はどれを聞いてもはずれはないと言っておこう。

ここに挙げていないアルバムにもいいものはあった。Joe Henry,Tangerine Dream,Rose Cousins等は無視するには惜しかったのだが,自分の中での感覚を重視したらこういうチョイスになったということである。おっと,忘れてはいけないが,今年入手して嬉しかったものはGeorge Harrisonの"All Things Must Pass"のアナログ再発盤とKraftwerkの3-D Box。我ながらオタクである(爆)。

2017年10月 9日 (月)

Lizz Wrightの新作がまたまた素晴らしい。

"Grace" Lizz Wright(Concord)

_20171007_2Lizz Wrightが新作を出すと聞いてはついつい期待が高まってしまうほど,私は彼女を評価している。前作"Freedom & Surrender"も高く評価し,その年のジャズ以外でのベストにも選んでいるし,しかも今回はプロデューサーにJoe Henryを迎えるとあっては,更に期待が高まる。そして,こちらの期待値を軽々と越してしまったと言ってしまおう。

前作がソウル・フレイヴァーが強いものだったとすれば,今回はアメリカーナ&ゴスペルである。それをLizz Wrightのディープな声で聴かされてはこれはまいるしかない。今回の作品を聞いて,私にとってはLizz WrightはCassandra Wilsonを越える存在になってしまったと言っても過言ではない。それほど素晴らしいのである。

タイトル・トラックは同じくJoe HenryがプロデュースしたRose Cousinsのアルバムから取られているのが面白い(そのアルバムに関する記事はこちら)が,冒頭の曲もJoe HenryがプロデュースしたBirds of Chicagoというバンドの曲らしい。類は友を呼ぶって感じもするが,2曲目はNina Simoneも歌った曲だし,そのほかにも,Allen Toussant,Ray Charles,Bob Dylan,k.d. Lang等が並んでは,まじで痺れてしまう。そこにフォーク・タッチの「アラバマに星落ちて」が入ったりすると,しみじみとした感覚も与える。そして最後に収められたLizz Wrightの唯一のオリジナル"All the Way Here"が実にいい曲なのである。これは本当に嬉しくなるような傑作である。

2年前に来日した時のCotton Clubでのライブは客入りも芳しくなかったが,日本でのポピュラリティがその程度に留まっているのが何とももったいないと言わざるをえない歌手である。この人の音楽は非常に質も高いし,多くの人に訴求する力を持っていると確信し,喜んで星★★★★★とする。Joe Henryのプロデュース含めて最高である。

Personnel: Lizz Wright(vo), Jay Bellerose(ds, perc), David Piltch(b), Chris Bruce(g), Marvin Sewell(g), Kenny Banks(p, org) with Patrick Warren(key), Marc Ribot(g, vo), Valorie Mack, Cathy Rollins, Artia Lockeff(soprano), Angela Jenifer, Sheree-Monique, K. Heshima Whito(alto), Ted Jenifer, Kevin O'Hara(tenor)

2017年10月 1日 (日)

やっぱりカッコよかった"Purple Rain"

"Purple Rain" Prince and the Revolution(Warner Brothers)

Purple_rain私はPrinceのアルバムを何枚か保有しているが,このPrinceが本当にブレイクしたアルバムを敢えて聞かずにこれまで過ごしてきた。これはNirvanaを聞くまで相当の時間を要したのと同じで,無茶苦茶売れたアルバムは敢えて避けるという,完全に天邪鬼な私の性格ゆえである。

しかし,今回,3CD+DVDというヴァージョンが発売されるに当たってもすぐ飛びついた訳ではなかったが,付属のDVDは,昔レーザー・ディスクで保有して,大いに楽しんだ映像で,Princeが嫌いな訳ではないのである。本当の天邪鬼に過ぎないのだ。

だが,こうして聞いてみると,このアルバム,売れて当然と思わせるし,無茶苦茶カッコよかった。30年近く前,映像をレーザー・ディスクで見ながら,結構燃えていた頃を思い出してしまった。曲も粒ぞろいで,やっぱりPrinceは素晴らしいミュージシャンであったということを今更ながら再認識。星★★★★★。ボーナス・ディスクはゆっくりと楽しむことにしよう。

Personnel: Prince(vo, g, etc), Lisa Coleman(key, vo), Wendy(g, vo), Bobby Z(perc), Brown Mark(b, vo), Matt Fink(key, vo)

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