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カテゴリー「Joni Mitchell」の記事

2017年7月12日 (水)

Joni Mitchellつながりで,次はIndioだ(笑)。

"Big Harvest" Indio(A&M)

_20170708_3昨日のDavid Baerwald同様,これもJoni Mitchellが参加したアルバムである。そして,こちらにもLarry Kleinがプロデュースで絡んでいる。当時はJoniとLarry Kleinは結婚していたので,旦那の仕事を盛り上げるJoniって感じである。このCDはDavid Baerwaldと並べて,Joni Mitchellの棚に置いてあったので,これまた久しぶりに聞いてみたのだが,これがまたよいのだ。

IndioはGordon Petersonというカナダ出身のシンガー・ソングライターの別名である。リリースしているのは本作だけだと思うが,この一作で消えてしまったのは惜しいと思わせるような作品となっている。曲調は非常にウェットな感じで,ブリティッシュ・ロックと言っても通じる感じである。例えば,Peter Gabrielとの共演で知られるDavid Rhodesの参加などは,そうしたトーンに影響を与えているようにも思える。

そして,本作ではJoni Mitchellの参加が3曲,かつ,タイトル・トラックでは,ちゃんとJoni Mitchellとわかるかたちで登場するので,彼女のファンは嬉しくなってしまう。我ながらオタクだと思うが,好きなものは好きなのだから仕方がない。

だが,Joni Mitchellの参加は置いておいても,このアルバムはよくできていると思わせるし,曲が粒ぞろいなのである。本作は曲,演奏のどちらを取っても,もっと知られるべき音楽だと思える。ヴォーカルがやや弱いと感じさせる部分があるのと,7曲目の"The Seasons of the Light"が明らかにほかの曲とトーンが違うのにはやや違和感があるが,全体的に見れば,これはかなりいいアルバムである。やや甘目とは思いつつ,星★★★★☆。

Personnel: Gordon Peterson(vo, g, p, key, org, perc), Larry Klein(b, key, vo), Bill Dillon(g,mandolin, vo), David Rhodes(g), Steven Lindsay(org), Van Dyke Parks(accor), Micky Feat(b), Vincent Collaiuta(ds), Manny Elias(ds), Alejandro Neciosup Acuna(perc),Denny Cummings(perc), L. Subramanium(vln), Tony Pleeth(cello), Adrian Brett(wind instruments), Padul Ridout(additional sounds), Joni Mitchell(vo), Michelle Newbury(vo), Karen Peris(vo), Brenda Russell(vo)

2017年7月11日 (火)

David Baerwaldのアルバムを久々に聞く。

"Bedtime Stories" David Baerwald (A&M)

_20170708_2昨日取り上げた"The Passion of Charlie Parker"において作詞を担当していたのがDavid Baerwaldであることを知り,彼のアルバムも何年も聞いていないなぁということで,久々にCDトレイに乗せた私である。

このアルバムを購入したのは,偏にJoni Mitchellが1曲だけながら参加しているからというかなりオタクな理由によるのだが,Joni Mitchellの参加なくしても,聞きどころの多いアルバムである。そもそもJoniが参加しているのは"Liberty Lies"という曲だが,そこでのJoniによるコーラスは,Joniらしさを強く感じさせるものではないので,それがこのアルバムの評価を決めるものではないのは当然だ。例えば,Joniのコーラスという意味で,私の中のロール・モデルはEric Andersenの"Blue River"につきる。それに比べれば,ここはあくまでもゲストとしての位置づけでしかないし,よくよく聞かないとJoniだってわからないだろう。

サウンドとしては,1980年代後半から1990年代前半のインダストリアル・ロック的な部分があり,例えて言えば,Richard Marx的なところもあるように聞こえる。しかし,曲としてはRichard Marxに比べると,もう少しウェットで,ひねりが効いているように感じる。いずれにしても,いい曲を書く人だと思う。そう言えば,Sheryl Crowのデビュー作"Tuesday Night Music Club"でも重要な役割を果たしていたので,ソングライターとしての資質はわかっていたが,歌手としてもいけているのである。

突出したところはないかもしれないが,今聞いても結構魅力的なアルバムである。星★★★★。

Personnel: David Baerwald(vo, g, key, b, mandolin, cumbus), Rich Stekol(g), Greg Leisz(steel-g), Bill Dillon(g), Larry Klein(b, g, key), Mike Urbano(ds), Vinnie Colaiuta(ds), Steve Lindsey(org), Joni Mitchell(vo), Maxine Waters(vo), Tommy Funderburk(vo), Gene Elders(vln), Greg Adams(tp), Lee Thornburg(tp), Stephen Kupla(bs), Emilio Castillo(ts), Steve Grove(ts), Steve Berlin(sax), Alejandro Acuna(perc)

2015年12月29日 (火)

2015年の回顧:音楽編(ジャズ以外)

Lizz_wright今年の回顧の3回目はディスク編の1回目。ジャズ以外の音楽で今年よかったと思えるものについて記したい。

今年は例年に増して,ジャズ以外のアルバムの購入枚数が減っていて,ベスト作を選ぶのにも苦労するというのが本音である。クラシックも,ソウルも,ブラジルも購入枚数は非常に限られていて,記事にしたものも非常に少ないからだが,そんな中でジャズ以外のカテゴリーで今年の最高の作品はLizz Wrightの"Freedom & Surrender"だと思っている。先日のライブ編でも私はこの人への称賛を惜しまなかったつもりだが,それに先立ってリリースされた彼女の新作は本当に素晴らしく,それが彼女のライブを見たいと思わせた要因だったのは疑いようのない事実である。彼女はジャズ・ヴォーカリストとも捉えられているので,今回取り上げるのではなく,ジャズ編で取り上げてもよかったのだが,この作品に私はディープなソウルを感じたので,本日取り上げることにした。これは本当に素晴らしいアルバムであり,より多くの人に聞かれるべき作品だと思っている。

Terrilynecarrington2015mosaicproj_2Lizz Wright絡みでもう1枚挙げると,Terri Lyne Carringtonの"The Mosaic Project: Love And Soul"も非常にいいアルバムであった。Robert Glasperの"Black Radio"をよりメロウにするとこのアルバムの音楽になるという感じだが,様々な個性を持つアーティストを集めて,よくぞここまで作り上げたということで,このアルバムも忘れられないものとなった。これもジャズのカテゴリーで捉えることは可能ではあるが,音楽そのものは完全にソウルのカテゴリーである。いずれにしても,Lizz Wrightについては,J.D. SoutherやKendrick Scottのアルバムにもゲストで参加したりしていて,非常に越境型の活動が目立ったわけだが,どこに出てきてもいい仕事をしているところに,この人の高い実力が表れていると思う。

James_taylor_2Lizz Wright関連のアルバムが非常によかったので,私の中での印象がちょっと薄くなってしまったような気がするのがJames Taylorの13年ぶりのオリジナル・アルバム"Before This World"である。記事にも書いた通り,これが彼の最高傑作とは思っていないが,変わらないことの重要性をつくづく感じさせてくれるアルバムだったと思っている。

また,今年聞いた中で印象に残っているのはRachel Sermani,また,記事にはちゃんとできなかったが,China Crisisによる21年ぶりのアルバム,そして誰が聞いても強烈だと思えたのはKendrick Lamarの"To Pimp a Butterfly"あたりである。おっと,忘れちゃいけない。Steve Reichの新作はいつも通り楽しませてもらったが,クラシックのアルバムはほとんど買っていない。来年はもう少しクラシックも聞こうかねぇと思うが,さてどうなることやら。

尚,リリースは2014年後半なので,ここに挙げるのは抵抗があるのだが,Joni Mitchellのコンピレーション,"Love Has Many Faces: A Quartet, A Ballet, Waiting to Be Danced"は無茶苦茶素晴らしい作品であることは改めて書いておきたい。ということで,音楽的な幅を大して確保できていない中でのセレクションでお恥ずかしい限りだが,Lizz Wrightが私にとってのジャズ以外でのMusician of the Yearってことは間違いない。

2015年8月17日 (月)

Joni MitchellとHerbie Hancockのデュオとは貴重な音源だ。でもブートに毛の生えたようなものなので注意。

Bread_and_roses_festival"Bread & Roses Festival, 1978" Joni Mitchell with Herbie Hancock(Iconography)

健康状態が心配されるJoni Mitchellであるが,憶測情報は飛び交うものの,リアルな情報が伝わってこないところがますます不安を掻き立てる。とにかく,彼女の快復を祈る私である。

そんなところに,ネットをうろついていて見つけたのがこの音源である。これはFM放送音源をCD化したものであり,ある意味ブートまがいと言ってもいいようなものである。だが,Joni MitchellとHerbie Hancockがデュオで演奏したなんてことは聞いたこともないわけで,これは非常に貴重な音源と言ってよい。

そもそもJoni Mitchellがライブでの演奏を聞かせたのは"Last Waltz"の時以来だったらしいから,米国の聴衆にとっても非常に久しぶり,かつ珍しいセッティングでの演奏だったと言える。まぁ,そうは言っても,テープの保存状態は完璧ではないので,音揺れを感じる瞬間もあるし,決して多くを望んではいけない。だが,やはり貴重なものは貴重なのである。ただ,JoniとHerbieのデュオは2曲で聞けるだけなのは惜しいけどなぁ。ちなみに"The Circle Game"でピアノを弾いている可能性もあるが,それがHerbieかどうかはわからない。ラジオのDJのアナウンスからすると,Herbieも参加しているようではあるが。ついでに,オマケで追加されたHerbie Hancockがホストを務めたケーブルTVの番組の1987年の音源では間違いなく共演している。こっちはWayne Shorter,David Sanborn,Bobby McFerrinにLarry Kleinも参加して,なんじゃそれはっていう音源である。ドラムスとパーカッションは不明。オマケの音源はYouTubeから拾ったものではないかと思しきもので,その映像を発見したので貼り付けておこう。ドラムスはほとんど姿が見えないし,パーカッショニストも誰と判別できない(私が無知なだけだが...)。

一方,本作がブートまがいなのは,ライナーにも表れていて,ほとんどの記述が"JoniMichell.com"からのコピペなのである。まぁ,こういうところはいかがなものかって思ってしまうが,Joni Mitchellのファンとしてはそれでも聞きたいというのが本音なのだ。しかも"The Dry Cleaner from Des Moines"なんて,アカペラで歌っているし。

ってことで,よほどの物好きにしか薦められないが,ファンにとってはこれはこれで価値のあるものであることは間違いない。だが,このジャケは...って感じで,ブートまがいだろうが,もう少し趣味よく作って欲しかったねぇ。

2015年5月15日 (金)

スルーしていた私がアホだったと思えるJoni Mitchellの素晴らしきコンピレーション

Love_has_many_faces"Love Has Many Faces: A Quartet, A Ballet, Waiting to Be Danced" Joni Mitchell (Rhino)

先日もJoni Mitchellが参加したSealのアルバムを取り上げたばかりだが,現在,入院中で状態が心配される彼女のコンピレーション・アルバムである。去る5/8にはSFJazzから功労賞を受賞することになっていながら,主役の不在という結果になってしまったのは残念だが,そうした不安や無念も,このアルバムを聞けば雲散霧消するようなものである。それほど素晴らしいのだ。

実を言えば,私は本作を新たなベスト盤のように思っていて,音はリマスターされていても,つい先日まで購入をためらっていたのだが,それがいかに馬鹿げた判断だったかを思い知らされてしまった。この4枚組,必ずしもヒット曲や有名曲が収められているわけではない。キャリア全体を俯瞰するかたちにはなっていても,"Night Ride Home"からの選曲が目立つなど,意外な部分も見られるのである。元々はバレエでの上演を意図して,1枚のコンピレーションを作り上げるのが命題だったものが,大きく方向性が変わった結果として生まれた作品集だが,まさに一篇のストーリーを見せられるようなかたちになっている。

そこで気づかされるのが,彼女のキャリアを通じて実証された曲のクォリティの高さだろう。私としては久しぶりに聞く曲も収められているのだが,それのどれもが全然古びたものとならず,私に新鮮な驚きを与えてくれたのである。誇張なしでこれには心底驚いた私である。これこそ彼女の楽曲により織り上げられた音楽的タペストリーだと言ってもよい(Carole Kingかっ!)。

いずれにしても,本作の前では多言は無用である。ただ聞けばよい。どこから聞いても彼女の才能がほとばしっている。やはり凄いミュージシャンである。ということで,星★★★★★以外にはない。そして,Joniが寄稿したライナーが面白過ぎる。これだけでも買う価値があったと言っては大げさだが,彼女のファンを自認する私にも,彼女の音楽を改めて見直す機会を本作は与えてくれたと思う。ありがたや,ありがたや。

尚,本作は昨年11月にリリースされたもので,本年の新作とするには若干抵抗があるが,この素晴らしさを皆さんにも知ってもらいたいと思うので,敢えて今年の推薦作扱いとしてしまおう。まじで最高である。

2014年5月 7日 (水)

ブートで振り返る1983年のJoni Mitchell武道館公演

Joni_mitchell_wild_things_tour "The Wild Things Tour" Joni Mitchell (Bootleg)

現在の私はJoni Mitchellを偏愛していると言ってもよいぐらい彼女の音楽が好きだが,彼女が来日した1983年当時はそれほど入れ込んでいなかった。では94年の東大寺はどうだったんだと言えば,来日していたことすら認識していなかったのはなぜなんだろう?と思いつつ,結局彼女のライブは見る機会を逃してしまっているし,もう無理だろうなぁなんて思いながら,市中に出回っている音源や映像で追体験をしている私である。

1983年の来日時と言えば,"Wild Things Run Fast"期のライブであり,映像でも"Refuge of the Road"という作品(邦題は「放浪」だったか?)があったが,その時と同じようなハード・ドライビングな感覚を持つ演奏である。やはりこの時のバンドはタイトであったと改めて思わされるが,特にMichael Landauが凄い。リーダー作になると今イチ感が出ることも多いが,伴奏者としてのLandauはやはり一流である。私が彼の生を見たのはBoz Scaggsと来た時(よくよく調べると同じ83年)である。その時もSteve Lukather的だなぁと思ったもんだが,LandauはLukatherの高校の一年後輩らしいからまぁ相応の影響を受けているんだろうって感じである。甚だ余談だが,ってことはLukatherがTOTOの結成した時は20歳そこそこだったということに今更驚く私。

それはさておきである。このブートは武道館のライブと,シドニーのライブの音源,そしてロンドンの映像を組み合わせた気の利いたブートである。何が気が利いているかというと,武道館でやらなかった曲("Coyote"や"Amelia"のような私がやって欲しいと思う曲)をシドニーの演奏で補っているところである。しかも映像はBBCが放送したプロ・ショットであるから,これは相当ファンにとってはありがたいブートである。ブートレッグをほめそやすのはどうかって気がするが,こういう編集の仕方はユーザ思いだと思える。武道館公演の音源はお馴染みの曲が揃っているが,その中では「夏草の誘い」からの"Don't Interrupt the Sorrow"が珍しいかなぁって感じである。

いずれにしても,これは非常によくできたブートレッグであり,私にとっては非常に貴重な追体験機会を提供してくれるものとして紹介しておくことにしよう。

Recorded Live at 日本武道館 on March 7, 1983,at Sydney Opera House on March 23, 1983 and at Wembley Arena on April 24, 1983

Personnel: Joni Mithcell(vo, g, p, dulcimar), Michael Landau(g), Russell Ferrante(key), Larry Klein(b), Vinnie Colaiuta(ds)

2014年4月19日 (土)

ブートの焼き直しでも聞けて嬉しい1966年のJoni Mitchell

Joni_mitchell_second_fret_live "Live at the Second Fret 1966" Joni Mitchell(All Access)

ネットを見ていて,突然出会ったJoni Mitchellのメジャー・デビュー前の放送録音のCD化である。ここに収められた音源は既にブートレッグとしても発売されていたようなので,知っている人にとっては何を今更なのだろうが,私はJoniのブートまでは追い掛けていない(例外は83年の日本公演の模様のブートだけである)ので,こういう音源を見つけるとついつい手を出してしまう。

本作はテンプル大学のラジオ放送局WRTIの制作によるライブ音源で,もはや50年近く前の音源であるから,テープの状態は決してよくないが,それでも音としてはそれほど悪くはない。とにかく関心はアルバムを吹き込む前のJoniがどんな感じだったかということになるが,この時点で,もう変則チューニングを駆使しているし,後のアルバムに収録される曲も既に歌っている。だが,やはりその後のアルバムに収録されていない曲が聞けることが何よりも重要と考えてよい。この時,まだ23歳のJoniである。声はまだまだ瑞々しく,シンガー・ソングライターとしての魅力は十分である。何よりもいい曲を書いている。

そうは言っても,これはあくまでも記録として聞くべきものではあるが,1966年の段階で既に完成されたスタイルを持っていたというのが素晴らしい。やはり彼女は天才なのだ。"Urge for Going"がフェードアウトされている等の瑕疵もあり,万人にはお薦めできないが,聞いたことがないJoniファンの皆さんは是非。

Recorded Live at the Second Fret on November 17, 1966

Personnel: Joni Mitchell (vo, g)

2014年3月16日 (日)

Joni Mitchellの楽譜をゲットして思うこと。

Joni_mitchell_complete_so_far "Joni Mitchell Complete So Far" (Alfred Publishing)

1月には出版予定だったはずのJoni Mitchellのスタジオ盤18枚からの167曲を完全収録した楽譜集が遂にデリバリーされた。この500ページを越える楽譜集,装丁も立派なら,採用された写真も貴重なもので,これはファン必携の本であることは当然である。

そして,何よりも驚かされたことは彼女がギターで演奏した曲のうち,標準チューニングの曲が4曲しかないということである。その他のほとんどの曲が変則チューニングで占められているということ自体が物凄い事実である。そして,この本,そうしたチューニングがちゃんとクロス・リファレンスになっていて,非常にわかりやすい構成になっているのがこれまた素晴らしい。私はこの書物を座右に置いて,まずは徹底的に「逃避行」のアルバムの曲をやってみたいという衝動にかられている。とにかく,まずは"Amelia"だろうなぁ。ちなみにこの曲はオープンCチューニングで1弦からCGECGCで,親切にもC-7-5-4-3-5というチューニング・パターンまで記述されているのだ。これなら練習もしたくなるってもんだ。

Joni Mitchellを愛する者は,この本を見て,今すぐにでも彼女の40パターンを越える(!!)変則チューニングの凄さを体感すべきだと声を大にして言いたい。50部限定のJoniサイン入りのバージョンは手に入れられなかったが,そんなことが瑣末に思える優れた業績である。これさえあればJoni Mitchellの音楽を鑑賞だけでなく,自らの演奏面からも一生楽しめると思えば,星★★★★★以外にはありえない。

2013年10月 4日 (金)

秋の夜長にぴったりのTierney SuttonによるJoni Mitchell集

After_blue "After Blue" Tierney Sutton(BFM Jazz)

私はこのブログにも書いているが、熱心なジャズ・ヴォーカルのリスナーではない。しかし、ごくまれに聞くこともあって、Tierney Suttonは"Unsung Heroes"というアルバムを保有しているはずである。だが、今どこにあるかはわからない(爆)。

それでもこの人の歌唱はクセがなくて悪い印象は持っていなかったことは確かである。その彼女の新作はJoni Mitchell集である。Joniの歌を歌うということだけでポイントは高いのだが、この作品のプロデュースが相当渋い。リズムを強調することなく、曲の力で勝負したって感じである。もともと優れた曲ばかりなのだから、悪くなりようはないだろうが、それでもこれはなかなかいい出来である。

繰り返すが、ビートを強調するわけではないので、この落ち着き感はかなりのもので、秋の夜長にぴったりである。しかも私の評価を高めるのがTierney Suttonの歌いぶりである。ビブラートの掛け方なんてJoniのそれに極めて近い。それだけで結構しびれてしまうわけだが、伴奏陣も楚々とした演奏で応えている。そして、最後が"April in Paris"と"Freeman in Paris"をマージさせるのが渋い。 ということで、本作はJoni Mitchellのファンを自認する私でもOKっていう作品である。もちろん、Joni本人を上回ることは誰にもできないということは当たり前の事実だが、このアルバムはよくできたトリビュート・アルバムと思う。星★★★★☆。

Recorded on December 10, 2012, and on March 28 & 29, 2013

Personnel: Tierney Sutton(vo), Hubert Laws(fl), Peter Erskine(ds), Ralph Humphrey(ds), Larry Goldings(p, org), Serge Merlaud(g), Kevin Axt(b), Al Jarreau(vo), with Turtle Island String Quartet: David Balarishnan(vln), Mateusz Smoczynski(vln), Benjamin Von Gutzeit(viola), Mark Summer(cello)

2013年7月17日 (水)

ネットを徘徊していて見つけたJoni Mitchellの素晴らしいライブ音源

Joni_mitchell_fez本日で私はまた年齢をひとつ重ねた。John Coltrane,あるいはBilly Holidayの命日と,私の誕生日が一緒というのは因果なものであるが,当然のことながら,私は彼らのような音楽的な才能に恵まれていないから聞く方に一生懸命なわけだ(笑)。

これまでの私の音楽鑑賞人生の中で,Joni Mithcellのライブを見ることができなかった(いや,本来はまだできていないと言うべきか...)ことは一大痛恨事である。83年の来日も見逃したし,94年の東大寺でのライブも見られなかった。彼女がライブ活動をほとんど行わない現状においては,今後も彼女のライブに接する機会はもうないと思うと,やはり無理してでも見に行かなければならなかった。だが,94年はさておき,83年はまだJoniの魅力に気がつく前だったということもあり,これは仕方がないかもしれないが,それでも残念は残念である。

そうした状況を補うためには,映像やら,様々な音源やらでそれをカバーするしかないので,彼女のライブDVDは結構保有している。そんな私がネットを徘徊していて出会ったのが本日紹介する音源である。この音源は1995年11月6日にNYCのThe FezというクラブにJoniがサプライズ出演した時の模様を収めたものだが,Brian Bladeだけをバックにしたとは思えないぐらい充実したサウンドである。95年11月と言えば,"Turbulent Indigo"リリースから約1年後というタイミングになるが,やはりそこからの曲が多いとは言え,彼女のレパートリーが満遍なく収められており,ファンにはたまらない音源である。

そもそもこの時のライブは当日の朝に本決まりになり,ラジオでの告知しか行われなかったらしいが,客席にはCarly Simon,Eric Andersen,Victoria Williams,Natalie MerchantやChrissie Hyndeもいたらしいから,一応彼らには事前に情報が流れていたのであろう。当日,あまりに強烈にやんやの喝采を浴びせるChrissie Hyndeに対し,Carly Simonが文句をつけ,二人の間で一触即発になったとかいう話(というより,Carlyはむっとして途中で帰ってしまったようだが...)もあるが,そんなことはどうでもいいと思わせるような歌唱,演奏の数々である。この音源はブートCDとしても世の中に出回っているが,そんなものを買わなくても,ダウンロードできてしまうのがブート音源のいいところである(爆)。

Joni_2 しかし,これはまじで最高である。この場にいられた200名ぐらいのオーディエンスに対し,私は強烈なジェラシーを感じざるをえないが,この時から20年近くの時間が経過しても,音楽としての感動は不変に違いない。それほど素晴らしい音源である。皆さんも見つけたらダウンロードしましょう(笑)。その一方で,時の経過はJoniの容姿にも間違いなく影響を及ぼしていることにはちょっとショックを受けている私である。それは不可避のことではあるが,Joni Mitchell.comに見られる彼女の近影を見ると,さすがに彼女も老けたと痛感させられる(ということは私は更なるオッサン化が進んでいるということだが...)が,それでも彼女が作り上げてきた音楽的な業績には何も変わるところはない。ライブも新作も無理かもしれないが,これからも少しでも音楽界に影響を及ぼし続けて欲しいと思わざるをえない。

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