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カテゴリー「Joni Mitchell」の記事

2019年5月26日 (日)

真夏のような暑さの中で”Blue”を聞く。

_20190526 "Blue" Joni Mitchell(Reprise)

私はJoni Mitchellのファンだとか言いながら,実はこのブログでは彼女の公式アルバムについてはあまり記事をアップしていない。これまでは"Hejira"と"Miles of Isles"ぐらいしか取り上げていないはずである。だが,そろそろちゃんと彼女のアルバムについて書いた方がいいのではないかと思ってしまったのは,ブログのお知り合いの910さんが,ジャコパス入りのJoni Mitchellのアルバムを連続投稿されていることも影響しているのは間違いない(笑)。

ってことで,外では5月下旬とは思えない暑さが続く中,ピックアップしたのが"Blue"である。これをJoni Mitchellの最高傑作に挙げる人は多いし,世の中の評価も無茶苦茶高い。米国の公共ラジオNPRは本作を”Greatest Album of All Time Made by a Woman"に挙げているぐらいである。私個人的なJoniの最高傑作は"Hejira"ではあるが,このアルバムに収められた曲のクォリティの高さは,"Hejira"とはちょっと違う世界ではあっても,レベル的には同等と言ってよい。私が"Hejira"を評価するのは音楽全体としてだが,個別の表現という意味では"Blue"の方が強烈である。

このアルバムに収められているのは,私小説的心象風景とも言われるが,このアルバムはJoni MitchellとGraham Nash,あるいはJames Taylorとの恋に破れたJoniの感情が表出しているがゆえに,シンガー・ソングライターの世界における金字塔と言っても過言ではない評価を得ているとも思える。歌詞を真面目に読むと,それこそ切なくなるような表現に満ちているが,これぞ音楽による心もようの描出と言ってよいであろう傑作。ここまで来ると純文学。改めて聞いているとグサグサ心に刺さる。星★★★★★以外あるまい。

Personnel: Joni Mitchell(vo, g, p, dulcimar), Stephen Stills(b, g), James Taylor(g), Sneaky Peat Kleinow(pedal steel), Russ Kunkel(ds)

2019年4月27日 (土)

更に感動的だった映像版”Joni 75”

_20190324_2 "Joni 75: A Birthday Celebration" Various Artists(Rhino)

韓国から帰ったら,アメリカから飛ばしたDVDがデリバリーされていたので,早速見てみた。そうしたら,これがマジで素晴らしい出来である。この時のライブの音源がリリースされた時にも,私は「どの歌唱にもリスペクトが感じられる」と書いた(記事はこちら)が,映像で見ると,そのリスペクト具合がよりヴィヴィッドに伝わってきて,感動してしまったのである。

どの歌唱も真剣にJoniの生誕75周年を祝うだけでなく,彼女へのリスペクトが如実に表れているのである。マジでチャラチャラしたところは皆無であり,ステージに立ったミュージシャンがそれぞれ真剣に取り組んでいる姿が捉えられていて,私は映像を見ながら大いに感動していたのであった。CD音源の時にも,お祭り騒ぎにするよりも,こうした取り組みの方が好ましいと思ったが,それこそ出演している歌手陣,伴奏陣は極めて誠実かつ真面目にこのライブに取り組んだことが手に取るようにわかってしまうのである。

DVDにはCDに収録されなかった音源も入っているが,それにも増して,ここに参加したミュージシャンの取り組みを見るだけで感動できることを保証したい。私が特に映像版で素晴らしいと思ったのがDiana Krall。本当にJoni Mitchellの音楽への敬愛をにじませた素晴らしいパフォーマンスであった。

そして,先日Chick Coreaとのライブを観た時も思ったが,Brian Bladeは本当に楽しそうにドラムスを叩く。そしてそれが的確な演奏なのだから,やはりこの人半端ではない。

いずれにしても,いいものを見せてもらった。私は音楽については映像よりも音源指向だと思うが,これに関しては,映像の凄さがCDを上回った稀有な事例として挙げたい。こんな映像を見せられたら星★★★★★以外ありえない。DVDはリージョン・フリーなので,さぁ皆さん,これは買いましょう(笑)。

2019年3月27日 (水)

どの歌唱にもリスペクトが感じられるJoni Mitchell生誕75周年記念コンサートのライブ・アルバム。

_20190324_1"Joni 75: A Birthday Celebration" Various Artists(Decca)

私のブログのカテゴリーにはJoni Mitchellというものがある。ミュージシャン単位でカテゴリーとなっているのはJoni MitchellとBrad Mehldauだけだが,それほど私はJoni Mitchellの音楽が好きなのである。そんな私が彼女の生誕75周年記念のトリビュート・コンサートが開催されることを知った時には,それこそ臍を噛む思いをしたわけだが,その時の模様がこうしてライブ・アルバムとしてリリースされることは実にありがたい。

それはさておきである。ここには相応に豪華なメンバーが揃っているのだが,Joni Mitchellへのトリビュートということであれば,更に豪華なミュージシャンが揃ってもいいように感じるというのも正直なところである。しかし,ここに収められた各々のミュージシャンによる歌唱,演奏を聞いていれば,まさに本当のリスペクトが込められており,妙にお祭り的にチャラチャラしたところがないのが実に素晴らしい。

歌われるのは,Graham Nashが"Our House"を歌う以外は,Joni Mitchellのオリジナルである。しかも"Nothing Can Be Done"と"The Magdalena Laundries"以外は70年代のレパートリーであり,やっぱりこうなるわねぇって感じの選曲である。どれも魅力的な歌唱だが,私にとって意外なほどの魅力を感じさせたのがSealによる"Both Sides Now"だろうか。Sealはある意味クセのある歌い手だと思っているが,ここでの歌唱は,ある意味ベタな選曲である「青春の光と影」を非常にストレートに歌っていて,Joniへのシンパシーを強く感じさせるのだ。正直これには驚いたが,実にいい歌いっぷりであった。本作では貫禄のChaka Khanもいいが,更にいいのがRufus Wainwrightのように思えた。正直言って,Graham Nashの聴衆に歌わせるという演出はあまり好かんが,歳の割には結構声が出ている。その一方で年齢を感じさせるのがKris Kristoffersonだが,彼のデュエット相手であるBrandi Carlileが補ってバランスを保っている。James Taylorがいいのは当たり前だが,いずれにしても,全曲捨て曲がないって感じなのが素晴らしい。

これだけのクォリティを維持したのは,このコンサートのプロデューサーを務めたBrian BladeとJon Cowherdの功績と言ってもいいかもしれない。彼らが,ここに登場したミュージシャンの選定を行ったのだとすれば,まさに適材適所,あるいはちゃんとわかっている人間だけを選んだって感じが素晴らしいのだ。更にScarlet Riveraなんて懐かしい名前を見つけたのも嬉しかった。

残念ながら,現在モルジェロンズ病(ある種の精神疾患と言ってよいだろう)を患っていて,音楽活動を行うことはままならないため,本作においても歌ってはいない。ライナーにはステージには立ったことを示す写真が掲載されているが,彼女が歌っていようがいまいが,ここで聞かれる歌唱,演奏を聞けば,彼女の偉業を振り返るには十分なクォリティを保っていることは特筆に値する。やはり曲の持つ力が偉大だというのが一番だとしても,こうしたパフォーマンスを引き出すJoni Mitchellの磁力ってものを強く感じた私であった。これはやはりDVDも買わなきゃねって思わせるに十分。尚,日本盤にはDiana Krallによる"For the Roses"がボーナス・トラックで付くらしいが,私は輸入盤でも十分楽しんだことは言うまでもない(でもちょっと聞いてみたい...)。ここに参加したミュージシャンへの感謝も込めて,星★★★★★としてしまおう。

Recorded Live at the Music Center, Los Angeles on November 7, 2018

Personnel: La Marisoul(vo), Chaka Khan(vo), Diana Krall(vo, p, rhodes), Rufus Wainwright(vo), Glen Hansard(vo, g), James Taylor(vo, g), Seal(vo), Graham Nash(vo, p), Kris Kristofferson(vo, g), Brandi Carlile(vo), Norah Jones(vo, p), Emmylou Harris(vo), Steve Berlin(clave, key), Cesar Castro(requinto jarocho, quijada), Xochi Flores(tarima), David Hidalgo(leona, g), Louie Perez(jarana, g), Ambrose Akinmusire(tp), Brian Blade(ds), Jon Cowherd(p, rhodes), Jeff Haynes(perc), Greg Leisz(g, pedal steel), Marvin J. Sewell(g), Bob Sheppard(sax), Christopher Thomas(b), Ricky Rouse(g), Eve Nelson(p),Scarlet Rivera(vln)

2018年12月29日 (土)

2018年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2018_albums_1

今年を回顧する記事の3回目はジャズ以外の音楽にしよう。昨今はよほどのことがないと,新譜を買う場合でも,ストリーミングで試聴して購入するのが常となっているので,以前に比べると,購入枚数は劇的に減っているし,以前なら中古で買ったであろうアルバムも,そんなに回数も聞かないことを考えると,そっちもストリーミングで済ませるようになってしまった。

そんなことなので,先日発売されたミュージック・マガジン誌において,今年のベスト・アルバムに選ばれているような作品もほとんど聞けていないような状態で,何が回顧やねん?と言われればその通りである。そんな中で,今年聞いてよかったなぁと思う作品は次のようなものであった。

<ロック/ポップス>Tracy Thorn:"Record"

<ソウル>Bettye Lavette:"Things Have Changed"

<ブルーズ>Buddy Guy:"Blues Is Live & Well"

<ブラジル>Maria Rita: "Amor E Musica"

そのほかにもNeil YoungやRy Cooder,Ray Lamontagneもよかったが,聞いた時の私への訴求度が高かったのは上記の4枚だろうか。その中でも最も驚かされたのがBuddy Guy。録音時に80歳を越えていたとは思えないエネルギーには心底ぶっ飛んだ。また,Bettye Lavetteはカヴァー・アルバムが非常に素晴らしいのは前からわかっていたのだが,今回のBob Dylan集も痺れる出来であった。しかし,印象の強さという点で,今年の私にとってのナンバー1アルバムはBuddy Guyである。しかし,買いそびれているアルバムもあってMe'Shell Ndegéocelloのカヴァー・アルバムもいいなぁと思いつつ,ついついタイミングを逃してしまった。これを機に買うことにするか,あるいはストリーミングで済ませるか悩ましい。

そして,今年は新譜ばかりではないが,現代音楽のピアノをよく聞いた年であった。特にECMから出たものが中心であったが,心を落ち着かせる効果のある,ある意味私にとってのヒーリング・ミュージックのような役割を果たしていたと言っていこう。

Joni_mitchell_isle_of_wight最後に映像に関して言えば,何はなくともJoni Mitchellのワイト島ライブ。いろいろと議論を呼んだこの時の演奏であるが,凛としたJoniの姿を見られただけで感動してしまった私である。Joni Mitchellと言えば,今年生誕75周年のトリビュート・コンサートが開催されたが,若々しいJoniの姿,声にはやはりファンでよかったと思ってしまう。Joniと言えば,Norman Seeffとのフォト・セッションの写真集を発注済みなのだが,まだ到着していない。そちらは今年中に来るか,越年するかわからないが,そちらも楽しみに待つことにしよう。

2018年10月30日 (火)

感動した!Joni Mitchellのワイト島ライブ。

"Both Sides Now: Live At The Isle Of Wight Festival 1970" Joni Mithchell (Eagle Rock)

Joni_mitchell_isle_of_wight_2デリバリーされてから結構な時間が経過していたのだが,ようやくこのBlu-rayのライブ部分のみを見る時間が取れた。

ワイト島のライブはいろいろな問題を提起した野外フェスティバルだった。無料なのか,有料なのかでもめにもめ,諍いが絶えなかったというのは後々知ったことであった。そのワイト島で開かれた第3回のフェスティバルは,MilesやEL&P,The Whoも出演したものだったが,そこにJoni Mitchellも登場し,彼女が相当ひどい目にあったということは,以前から知られていた。

フェスティバルの模様は“Message to Love: The Isle of Weight Festival"としてまとめられていて,コンピレーション音源としてもリリースされているが,そこで撮影された素材を使って再編集されたのがこの映像ということになるだろう。このディスクもコンサート部分と,Joniのインタビューを交えたドキュメンタリーの2つの映像から構成さえている。まずは私が見たのがライブの部分である。

全編を通じて,古い映像ゆえに画像は粗いし,音もPAはかなりハウリングしているし,サウンドそのものも貧弱なのはまぁ仕方がない。そこで展開されるJoniの演奏には,特に前半に相当に神経質になっているJoniの姿が捉えられている。そして,"Woodstock"を歌い終えた後のヒッピー,Yogi Joeの乱入によって,騒然となった聴衆に向かってJoniの放った,"Pay respect to us."等々の言葉により,聴衆は静まり,Joniも落ち着きを取り戻して更に歌うというプロフェッショナルぶりを示す。Joniが語ったのは「ネイティブ・アメリカンが行っている神聖な儀式の最中に,それに敬意を払わない観光客とあんたたちは同じよって!」ってことだが,まさに「毅然とした」とはこういう態度であって,その後のプロとしての演奏に,聴衆がスタンディング・オヴェイションを与えるのは当然のことのように思えた。

今にして思えば,こんなことになっていたのかと感じるが,音楽というものが生み出していた幻想を完膚なきまでに打ち砕いたフェスティバルだったと思える。若々しいJoniの姿を見ることができるのは実に素晴らしいことであるが,ドキュメンタリーゆえの「現実の辛さ」というものも表れている。双方の意義を認めて,私としては星★★★★★とするが,とにかく,痛々しささえ感じさせながらも,Joniの態度,歌いっぷりには本当に感動させられた。すべての人に必見とは言いにくいところもあるが,これが優れたドキュメンタリーであるという評価は揺るがない。

ここでの毅然としたJoni Mitchellの態度は,現代ならば,それこそ渋谷界隈でハロウインでバカ騒ぎする「他者への敬意を欠いた」うつけ者どもにこそぶつけられるべきものではないかと,映像を見ていて思ってしまった。

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2017年12月10日 (日)

なかなか面白いオランダ人ヴォーカリストによるJoni Mitchell集。

"Both Sides Now: A Tribute to Joni Mitchell" Lydia van Dam Group(VIA Records)

_20171209常々書いているが,私はJoni Mitchellのファンである。彼女の公式アルバムは全て保有しているし,ブートもどきも何枚か持っているし,参加アルバムもかなりの数を保有しているぐらいだから,かなり気合が入っているのである(笑)。長年,彼女の音楽に魅了されている立場としては,彼女の曲を演奏した作品にも食指が動く。代表的なところで言えば,Herbie HancockやMarc Coplandになるだろうが,スウェーデン発の素晴らしいカヴァー・アルバムもかなり前にこのブログで取り上げたことがある(記事はこちら)。そんな私も全然知らなかったアルバムがこれだが,某通販サイトで情報を仕入れて入手したものである。

結論から言ってしまえば,Joni Mitchellの歌は,Joni Mitchellによって歌われるのが一番いいのは当然なのだが,ジャズ的なフレイヴァーを持たせながらJoni Mitchellの曲を歌ったこのアルバムは,なかなか面白い。ジャズ的なフレイヴァーと言っても,典型的な4ビートではなく,コンテンポラリーな感覚を持っているので,ジャズ・ヴォーカルにカテゴライズされるとしても,カクテル・ラウンジで歌われるようなヴォーカルとは異なる。

そして,このアルバムを聞いていて思うのは,Joni Mitchellの音楽というのは全然古びないなぁということである。このアルバムも録音されてから20年近い時間が経過していても,曲そのものの魅力は全然変わらないことは,よくよく考えると凄いことだと思える。まぁ,主役のLydia Van Damの声は,Joniの歌を歌うにはちょっと素直過ぎるような気もするが,それでも聞きどころは十分にある。選曲は新旧取り混ぜたものだが,バランスとしても悪くないと思う。

ということで,これは結構楽しめるカヴァー・アルバムとして,Joni Mitchellファンは聞いておいても損はあるまい。バックではYuri Honingのソプラノが結構効いているとともに,Sven Schusterのエレクトリック・ベースがコンテンポラリー感を強めていると言ってよいだろう。星★★★★。それにしても,"Shadows And Light"はいい曲だ。

Recorded in November 1998

Personnel: Lydia van Dam(vo),Yuri Honing(sax), Sebastian Altekamp(p), Sven Schuster(b), Joost Lijbaart(ds), Bart Fremie(perc)

2017年7月12日 (水)

Joni Mitchellつながりで,次はIndioだ(笑)。

"Big Harvest" Indio(A&M)

_20170708_3昨日のDavid Baerwald同様,これもJoni Mitchellが参加したアルバムである。そして,こちらにもLarry Kleinがプロデュースで絡んでいる。当時はJoniとLarry Kleinは結婚していたので,旦那の仕事を盛り上げるJoniって感じである。このCDはDavid Baerwaldと並べて,Joni Mitchellの棚に置いてあったので,これまた久しぶりに聞いてみたのだが,これがまたよいのだ。

IndioはGordon Petersonというカナダ出身のシンガー・ソングライターの別名である。リリースしているのは本作だけだと思うが,この一作で消えてしまったのは惜しいと思わせるような作品となっている。曲調は非常にウェットな感じで,ブリティッシュ・ロックと言っても通じる感じである。例えば,Peter Gabrielとの共演で知られるDavid Rhodesの参加などは,そうしたトーンに影響を与えているようにも思える。

そして,本作ではJoni Mitchellの参加が3曲,かつ,タイトル・トラックでは,ちゃんとJoni Mitchellとわかるかたちで登場するので,彼女のファンは嬉しくなってしまう。我ながらオタクだと思うが,好きなものは好きなのだから仕方がない。

だが,Joni Mitchellの参加は置いておいても,このアルバムはよくできていると思わせるし,曲が粒ぞろいなのである。本作は曲,演奏のどちらを取っても,もっと知られるべき音楽だと思える。ヴォーカルがやや弱いと感じさせる部分があるのと,7曲目の"The Seasons of the Light"が明らかにほかの曲とトーンが違うのにはやや違和感があるが,全体的に見れば,これはかなりいいアルバムである。やや甘目とは思いつつ,星★★★★☆。

Personnel: Gordon Peterson(vo, g, p, key, org, perc), Larry Klein(b, key, vo), Bill Dillon(g,mandolin, vo), David Rhodes(g), Steven Lindsay(org), Van Dyke Parks(accor), Micky Feat(b), Vincent Collaiuta(ds), Manny Elias(ds), Alejandro Neciosup Acuna(perc),Denny Cummings(perc), L. Subramanium(vln), Tony Pleeth(cello), Adrian Brett(wind instruments), Padul Ridout(additional sounds), Joni Mitchell(vo), Michelle Newbury(vo), Karen Peris(vo), Brenda Russell(vo)

2017年7月11日 (火)

David Baerwaldのアルバムを久々に聞く。

"Bedtime Stories" David Baerwald (A&M)

_20170708_2昨日取り上げた"The Passion of Charlie Parker"において作詞を担当していたのがDavid Baerwaldであることを知り,彼のアルバムも何年も聞いていないなぁということで,久々にCDトレイに乗せた私である。

このアルバムを購入したのは,偏にJoni Mitchellが1曲だけながら参加しているからというかなりオタクな理由によるのだが,Joni Mitchellの参加なくしても,聞きどころの多いアルバムである。そもそもJoniが参加しているのは"Liberty Lies"という曲だが,そこでのJoniによるコーラスは,Joniらしさを強く感じさせるものではないので,それがこのアルバムの評価を決めるものではないのは当然だ。例えば,Joniのコーラスという意味で,私の中のロール・モデルはEric Andersenの"Blue River"につきる。それに比べれば,ここはあくまでもゲストとしての位置づけでしかないし,よくよく聞かないとJoniだってわからないだろう。

サウンドとしては,1980年代後半から1990年代前半のインダストリアル・ロック的な部分があり,例えて言えば,Richard Marx的なところもあるように聞こえる。しかし,曲としてはRichard Marxに比べると,もう少しウェットで,ひねりが効いているように感じる。いずれにしても,いい曲を書く人だと思う。そう言えば,Sheryl Crowのデビュー作"Tuesday Night Music Club"でも重要な役割を果たしていたので,ソングライターとしての資質はわかっていたが,歌手としてもいけているのである。

突出したところはないかもしれないが,今聞いても結構魅力的なアルバムである。星★★★★。

Personnel: David Baerwald(vo, g, key, b, mandolin, cumbus), Rich Stekol(g), Greg Leisz(steel-g), Bill Dillon(g), Larry Klein(b, g, key), Mike Urbano(ds), Vinnie Colaiuta(ds), Steve Lindsey(org), Joni Mitchell(vo), Maxine Waters(vo), Tommy Funderburk(vo), Gene Elders(vln), Greg Adams(tp), Lee Thornburg(tp), Stephen Kupla(bs), Emilio Castillo(ts), Steve Grove(ts), Steve Berlin(sax), Alejandro Acuna(perc)

2015年12月29日 (火)

2015年の回顧:音楽編(ジャズ以外)

Lizz_wright今年の回顧の3回目はディスク編の1回目。ジャズ以外の音楽で今年よかったと思えるものについて記したい。

今年は例年に増して,ジャズ以外のアルバムの購入枚数が減っていて,ベスト作を選ぶのにも苦労するというのが本音である。クラシックも,ソウルも,ブラジルも購入枚数は非常に限られていて,記事にしたものも非常に少ないからだが,そんな中でジャズ以外のカテゴリーで今年の最高の作品はLizz Wrightの"Freedom & Surrender"だと思っている。先日のライブ編でも私はこの人への称賛を惜しまなかったつもりだが,それに先立ってリリースされた彼女の新作は本当に素晴らしく,それが彼女のライブを見たいと思わせた要因だったのは疑いようのない事実である。彼女はジャズ・ヴォーカリストとも捉えられているので,今回取り上げるのではなく,ジャズ編で取り上げてもよかったのだが,この作品に私はディープなソウルを感じたので,本日取り上げることにした。これは本当に素晴らしいアルバムであり,より多くの人に聞かれるべき作品だと思っている。

Terrilynecarrington2015mosaicproj_2Lizz Wright絡みでもう1枚挙げると,Terri Lyne Carringtonの"The Mosaic Project: Love And Soul"も非常にいいアルバムであった。Robert Glasperの"Black Radio"をよりメロウにするとこのアルバムの音楽になるという感じだが,様々な個性を持つアーティストを集めて,よくぞここまで作り上げたということで,このアルバムも忘れられないものとなった。これもジャズのカテゴリーで捉えることは可能ではあるが,音楽そのものは完全にソウルのカテゴリーである。いずれにしても,Lizz Wrightについては,J.D. SoutherやKendrick Scottのアルバムにもゲストで参加したりしていて,非常に越境型の活動が目立ったわけだが,どこに出てきてもいい仕事をしているところに,この人の高い実力が表れていると思う。

James_taylor_2Lizz Wright関連のアルバムが非常によかったので,私の中での印象がちょっと薄くなってしまったような気がするのがJames Taylorの13年ぶりのオリジナル・アルバム"Before This World"である。記事にも書いた通り,これが彼の最高傑作とは思っていないが,変わらないことの重要性をつくづく感じさせてくれるアルバムだったと思っている。

また,今年聞いた中で印象に残っているのはRachel Sermani,また,記事にはちゃんとできなかったが,China Crisisによる21年ぶりのアルバム,そして誰が聞いても強烈だと思えたのはKendrick Lamarの"To Pimp a Butterfly"あたりである。おっと,忘れちゃいけない。Steve Reichの新作はいつも通り楽しませてもらったが,クラシックのアルバムはほとんど買っていない。来年はもう少しクラシックも聞こうかねぇと思うが,さてどうなることやら。

尚,リリースは2014年後半なので,ここに挙げるのは抵抗があるのだが,Joni Mitchellのコンピレーション,"Love Has Many Faces: A Quartet, A Ballet, Waiting to Be Danced"は無茶苦茶素晴らしい作品であることは改めて書いておきたい。ということで,音楽的な幅を大して確保できていない中でのセレクションでお恥ずかしい限りだが,Lizz Wrightが私にとってのジャズ以外でのMusician of the Yearってことは間違いない。

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