こいつは凄いぞ,Robert Glasperの新作!
"Black Radio" Robert Glasper Experiment(Blue Note)
ここのところ,飲み会続きで記事を書く余裕がなかったのだが,通勤途上ではこのアルバムばかり聞いていたような気がする。それぐらい気に入ってしまったし,これは素晴らしい作品である。
Robert Glasperが"In My Element"でデビューした当時からジャズとヒップホップの融合のように言われていたが,演奏としては別にヒップホップ色が強いわけではなく,純粋なジャズ・ピアノ・トリオのアルバムのように感じていた私である。Glasperその人はいろいろなジャンルのアルバムに顔を出しているし,越境型のミュージシャンであることは間違いないが,彼のアルバムではそこまでの融合度を感じなかったというのが正直なところである。しかし,Gretchen Parlatoのアルバムをプロデュースしたり,本当にいろいろなところに顔を出す人だと感じていたのであった。
この作品はそんなGlasperが黒人音楽の様々な要素を融合させた作品だと言ってよいと思うが,その融合度合いがまさしく半端ではない。現代のソウル,ヒップホップ,ジャズの要素を全て取り込んで,そして素晴らしい作品に仕上げたところが凄いのである。Glasperのピアノ自体は一貫したトーンとタッチを持っていて,強面な見た目とは違ってかなり繊細である。だが,そのピアノが乗るのがまさに強烈なソウル/ヒップホップのフレイバーでありながら,全く違和感をもたらさないのである。だが,単にビートを強調するものではなく,どちらかと言えば,落ち着きさえ感じさせるものだからこそ,50歳を過ぎた私にも心地よささえ感じさせる音楽となっている。これがビートばかりが目立つものだったらおそらくは辟易としてしまったはずだが,そうはならない。昨日の記事にも書いた通り,いい意味で「ゆるいグルーブ」なのでだ。
アルバム全体を通して,そうしたトーンの一貫性は維持されていて,曲ごとにゲストが変わっても,全く悪影響を及ぼしていないのである。これはGlasper自身のプロデュースの勝利と言ってもよいが,それにしてもこれは凄い。曲よし,演奏よし,歌よしの三拍子揃ったアルバムとして強く推薦できる。もちろん,純粋ジャズではないから,ジャズ原理主義者には受け入れがたいものだろうが,この音楽のよさは誰にでも理解できるものであるはずである。Glasperのオリジナル(共作)に加えて,David BowieやNirbanaの曲が入っていても全然違和感なしである。最後のNirbanaの"Smells Like Teen Spirit"なんて思わず「おぉっ!」と唸ってしまった私である。
これは間違いなく,私にとってはちょっと気が早いが,本年最高作の候補と言ってもよい優れた作品である。Robert Glasperは黒人音楽の全てを取り込み,全てを越境したと言い切ってしまおう。星★★★★★。まじで最高である。久々にぶっ飛んだ私だった。
Personnel: Robert Glasper(p, el-p, synth), Casey Benjamin(vocoder, fl, sax, synth), Derrick Hodge(b), Chris Dave(ds, perc), Jahi Sundance(turntable), Shafiq Husayn(vo), Erykah Badu(vo), Lalah Hathaaway(vo), Lupe Fresco(vo), Bilai(vo), Ledisi(vo), Amber Stroher(vo), Anita Bias(vo), Paris Stroher(key), Musiq Soulchild(vo, snapping), Chrisette Michele(vo), MeShell Ndegeocello(vo), Stokley(vo, perc), yaslin bey(vo)







































































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