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カテゴリー「ECM」の記事

2019年9月 9日 (月)

残暑の中で聞くMarilyn Crispell。室温が下がったような気にさせる。

_20190908 ”Storyteller" Marilyn Crispell(ECM)

9月に入っても,まだまだ暑い日々が続く中で,久しぶりに取り出したのがこのアルバム。およそ60分に渡って静謐な音楽が展開され,ある意味現代音楽的な響きさえ感じさせる部分もある音楽である。だからと言って,冷たい感じというよりも,比較的ウォームな感覚を与える部分もあるにはあるが,このジャケットのイメージが音と重なるってところか。

Marilyn Crispellという人は,結構な数のアルバムをECMに残しているが,私が彼女のアルバムをこのブログに取り上げたことはない。私にとってはちょっと敷居の高さを感じさせる人なのだ(笑)。そもそもECMだけでなく,LeoだとかPi Recordingsだとか,彼女がアルバムをリリースしているレーベルはハイブラウなレーベルであるから,そういう風に感じるのもまぁ仕方がない部分はあるのだ(開き直り)。しかし,久々にこのアルバムを聞いてみて,まぁ一般的なリスナーには決してハードルは低くないとして,これなら全然問題ないと思わせるに十分な作品であった。

正直言ってしまえば,これをしょっちゅう聞きたいという気持ちにはならないとしても,この厳しい残暑の中で,部屋をやや涼し気に感じさせるには十分だったというところ。星★★★★。

そう言えば,彼女が参加したJoe LovanoのECMでのアルバムも全然聞けていないねぇ。何とかせねば(笑)。

Recorded in February,2003

Personnel: Marilyn Crispell(p), Mark Helias(b), Paul Motian(ds)

2019年8月19日 (月)

まだまだ続くECM未CD化盤聞き:今日はArild Andersen

Lifelines "LifelinesArild AndersenECM

CD化のECMのアルバムを相変わらず聞き続けている私だが、このアルバムを(多分)初めて聞いて、このいかにもECM的なアルバムがなぜCD化されていないのだろうと思ってしまった私である。メンツとしてもピアノのSteve Dobrogosz以外の3人はECMレーベルに欠かすことのできない人たちであり、にもかかわらずなぜ?って感じが強い。まぁ,Arild Andersenの場合,クァルテット音源を"Green in BlueEarly Quartets"としてボックス化するまで入手が困難だったことを考えれば,Manfred Eicherにとって,Arild Andersenの位置づけはそんなもんなのかもしれないが

しかし,奏でられている音楽はまさにECM的。典型的な4ビートではないにもかかわらず,Kenny Wheelerの鋭いラッパの音を聞いているだけで嬉しくなってしまった私である。このアルバムがリリースされたのは1981年のことだが,既にレーベル・カラーを明確に確立していることがはっきり感じられるアルバムであり,ECMレーベル好きのツボにはまること必定と言いたい。ということで評価もついつい甘くなり星★★★★☆。

Recorded in July 1980

Personnel: Arild Andersen(b),Kenny Wheeler(fl-h,cor),Steve Dobrogosz(p),Paul Motian(ds)

2019年8月14日 (水)

更に続くECM未CD化アルバム聞き:今日はJack DeJohnette’s Directions。

Untitled"Untitled" Jack DeJohnette's Directions(ECM)

ECM/JAPOレーベルの未CD化アルバムのストリーミングに関しては,予定されていた40枚が出揃ったが,まだまだ聞けていないアルバムがある。今日はJack DeJohnetteである。先日,Jack DeJohnette's Directions名義の"New Rags"も取り上げたが,その時にはややとっ散らかった印象とこのブログに書いたが,今回はどうか。本作はその"New Rags"に先立ってリリースされたもので,メンツはほぼ同じながら,Warren Bernhardtのキーボードが加わっているのが違いである。

結論から言ってしまえば,Warren Bernhardtという,Jack DeJohnetteとは合いそうにないようなプレイヤーのキーボード・プレイがいい感じのクッションになっているように感じられた。相変わらず本作においても多様な音楽が試されており,2曲目なんて,無理やりインド・フレイヴァーでやってしまいましたってところもあり,この辺りにはう~むとなってしまった私である。4曲目の"The Vikings Are Coming"というタイトルとは全く印象が異なる牧歌的な曲調もある。そして,最後の"Maribu Reggae"のイントロに至ってはムード・ミュージックかっ?と言いたくなるようなもので,リスナーとしては戸惑うのは"New Rags"と同じ感じである。

まぁ私としてはWarren Bernhardtの生み出すグルーブの分,"New Rags"よりはこっちの方が好きかなぁって気もするが,それでもこちらも相当にとっ散らかった印象はほとんど同じであり,この頃のECMレーベルの作品のプロデュースの質にはまだ問題があったという感じなのだ。Manfred Eicherもまだ若かったってところか。そうは言いながら冒頭の"Flying Sprits"とかは実にカッコいいんだが...。だからこそ何だかもったいないって気がする一枚。星★★★☆。

Recorded in February, 1976

Personnel: Jack DeJohnette(ds, ts), John Abercrombie(g), Alex Foster(ts, ss), Warren Bernhardt(p, el-p, key, perc), Mike Richmond(b)

2019年8月 7日 (水)

ECMの未CD化音源から”Path”:私はこういうのが好きなのだ。

Path "Path" Tom van der Geld / Bill Connors / Roger Janotta (ECM)

未CD化音源のストリーミングの第3回目に公開されたアルバム群の中で,私が気になっていたのが本作である。先日,Tom van der Geldの"Patience"を取り上げた時に,このアルバムについても言及したが,そうしたら今回の公開である。そこにも書いたがBill Connorsが気になってのことである。そして,このアルバムが気になるのはこの楽器編成である。ヴァイブ,ギターにフルート,ソプラノ・サックス,そしてオーボエの持ち換えのトリオなのだ。この編成を見ただけで,おぉっ,ECM的なんて思ってしまうのはきっと私だけではあるまい。

そして,この何とも言えないアンビエントな響きは,まさにECM的と言いたくなるようなものではないか。今回,このアルバムを聞いていて,私がECMに求めるものの中にはこうした響きが含まれると強く感じてしまったのである。リードのRoger Janottaを除いてしまえば,ヴァイブとギターということになるが,それならGary BurtonとRalph Townerの"Matchbook"と同じであり,そういう響きが好きなのは,前々からわかっていた話ではある。しかし,改めて本作を聞いてみて,この心地よさに私は実に嬉しくなっていたのであった。同じTom van der Geldでも"Patience"にはやや辛めの評価しかできなかった私も,これなら全然問題ないし,むしろこれは何回も聞きたくなるような音源だと思ってしまった。いや~,実にECMである。星★★★★☆。

余談ではあるが,このアルバム,なかなかお目にかかることもないが,私は一度だけ今はなき町田のオスカーで本作を見かけたことがある。私の記憶が確かなら,国内盤の帯付きだったと思う。こんな作品まで国内盤が出ていたって,それも凄いことだなぁと今更のように思ってしまう私である。

Recorded in February, 1979

Personnle: Tom van der Geld(vib), Bill Connors(g), Roger Janotta(fl, ss, oboe)

2019年8月 5日 (月)

更に公開されたECMの未CD化アルバムを聞く:今日はEnrico Rava。

Enrico-rava-ah"Ah" Enrico Rava Quartet (ECM)

続々とストリーミングが開始されているECMの未CD化アルバムであるが,今日はEnrico Rava。このアルバムが異色なのはこのジャケットだと思うが,全くECMらしからぬデザインではないか。このアルバムがリリースされた頃にもECMっぽくないなぁと思っていた記憶がある。アップした画像ではわかりにくいのだが,もともとRavaの横顔のバックはきらっきらの銀色だったはずである。それもびっくりするような「光り輝く」銀色だったのである。

Enrico Ravaにはもう1枚,未CD化の"Opening Night"というアルバムがあるが,そっちについては結構このブログで酷評している(記事はこちら)。一方,本作に収められた音は,もはやフリーと言いたくなるようなものもあり,かなり熱い。特に2曲目"Outsider"なんてのは,かなりの激しさで迫ってくる。そういう意味では”Opening Night"よりもずっとよく聞こえる部分もある。だが,このアルバムにおいても,曲によってタイプが異なることにより,一貫性のなさを感じさせるところがあるのは惜しい。

これは私とEnrico Ravaの相性によるものなのかどうかは,昨今彼のアルバムをあまり聞いていないので何とも言えない部分もあるのだが,正直言ってこういうサウンドならECMじゃなくてもいいのではないかと思えるような,モードとフリーの中間のような感じなのである。そうした意味では,ECM好きのリスナーにこういう音楽が受けるのかどうなのかは若干微妙ってところだろう。

まぁ私にとってはこの頃のEnrico Ravaの音楽は響いてこないのかなって感じたのも事実だが,曲が私に合わないところもあるかもしれない。3曲目,4曲目あたりの中だるみ感もあり,ダメってことでもないのだが,積極的にはほめにくい。そういう微妙なアルバム。星★★★。

Recorded in December 1979

Personnel: Enrico Rava(tp),Franco D'Andrea(p), Giovanni Tomasso(b), Bruce Ditmas(ds)

2019年8月 3日 (土)

ECM温故知新:これを聞くのは実に久しぶりな”A.R.C.”

_20190731 "A.R.C." Chick Corea / David Holland / Barry Altshul (ECM)

昨今,このブログにはECMの未CD化アルバムのストリーミングに関する記事を連投している私だが,今日は温故知新ということで,これもECM1009としてレーベルの最初期を飾ったアルバムとして本作を取り上げよう。本作にはジャケットが2種類存在し,ECMのアルバム・ジャケットを集めた書籍である"Sleeve of Desire"には三角のデザインが掲載されているから,オリジナルはこちらのはずである。一方,現在のECMのサイトに載っているのが下のものであるが,現在はLP,CDともにOut of Stock状態である。それはさておきであるが,どうしてこのように2種のデザインが存在するに至ったかはよくわからない。

Arc まぁ,でもBill Connorsの"Of Mist and Melting"はCDリリースの際は別ジャケットで発売されて,先日,Touchstoneシリーズで再発されると,元のデザインに戻っているような例もあるから,この辺りの事情はよくわからないところもある。

デザインとしてどちらがいいかは人それぞれの判断だが,ポリドールからリリースされた本作にはChick Coreaが座った写真のジャケもあるからややこしい。ただ,ECMとしては上の2種類が公式ってことになるはずである。いずれにしても,そこまでこだわらなくても,音楽に関しては同じな訳で,こういうところにこだわるのはかなりマニアックってことになるだろう(苦笑)。

Arc2 それはさておき,このアルバム,実に自由度の高いピアノ・トリオと言ってよい。このトリオにAnthony Braxtonを加えてCircleとなるが,まぁCircleにつながると言ってもよいフリーに近い感覚も交えたピアノ・トリオとなっている。だからと言ってフリー一辺倒でもないのだが,その後のChick Coreaの音楽を考えると,これは相当ハイブラウと言うか,時代を反映したと言うかという感じの「美しくも厳しい」音楽である。今の時代となっては,Chick Coreaもこういう音楽はやらなくなったが,こういう時代を経て,現在のような音楽に到達したと思えばそれはそれで感慨深い。

まぁ,私が持っている国内盤のライナーを悠雅彦が担当していることからしても,大体どういう音楽か想像がついてしまうのが私の年代ってところだろうが,それは別にしても,これは実によくできたピアノ・トリオのアルバムだったことを改めて認識。実に刺激的であった。星★★★★☆。

Recorded on January 11, 12 & 13,1971

Personnel: Chick Corea(p),David Holland(b),Barry Altshul(ds, perc)

2019年8月 2日 (金)

ECM未CD化アルバムをストリーミングで聞き続ける私:今日はDave Holland & Derek Bailey。超ハードル高し(笑)。

Improvisation-for-cello-and-guitar1 "Improvisations for Cello and Guitar" David Holland and Derek Bailey(ECM)

引き続きECMの未CD化アルバムを聞き続ける私である。今日はDave HollandとDerek Baileyのデュオ・ライブであるが,これが実にハードルが高い完全即興演奏である。タイトル通り,Dave Hollandはベースではなく,チェロに徹している。

曲目を見れば”Improvisation III~V"となっているから,冒頭の2曲は手慣らし的にやって,3曲目からを本番採用したってことか。Dave Hollandはさておき,相手がDerek Baileyであるから,フリーの極北みたいな感じになるであろうことは容易に想像がつくわけだが,まぁやっぱりって感じである。フリーと言っても破壊的な響きでなく,即興的な対話って感じである。私は夏の暑い時期になると,破壊的なフリー・ジャズを聞きたくなることがあるが,このアルバムはそういう感じではなく,この手の音楽はいつ聞けばいいのよ?と問いたくなるような演奏と言えばいいだろうか。

こういう音楽の価値をどこに見出だすかによって,評価が完全にわかれるって感じだろうが,対話としての密度の濃さは私にもわかるのだが,音楽的な至福は少なくとも私には得られることはない。強烈な実験音楽と言ってもよいし,ある意味で現代音楽と位置付けることも可能な作品。まぁこういうのもありだとは思うが,これは積極的には聞きたいと思わないなぁ。二人のミュージシャンの先鋭性や即興に挑む姿には敬服するが,星★★★が精一杯。まぁ,年齢を重ねたリスナーにとっては,ちょいと辛いってのが正直なところ。若い頃だったらスノビズム全開で聞いていたかもしれないが,今となってはもはやそういう感じではない。

Recorded live at the Little Theatre Club, London, January 1971

Personnel: Derek Bailey(g), David Holland(cello)

2019年8月 1日 (木)

ECMの未CD化アルバム:これも初めて聞いたRobin Kenyatta。ある意味,元祖レア・グルーブか。

Robin-kenyatta "Girl from Martinique" Robin Kenyatta(ECM)

ストリーミングを開始した一部のECMの未CD化アルバムであるが,これなんかレーベル最初期の音源と言ってよいもので,今回初めて聞いた。何てたってECM1008である。今回,本作と同じくタイミングでストリーミングが開始されたWoflgang Daunerの"Output"がECM1006であるが,同作についてはこのブログでボロクソに書いたことがあって(記事はこちら),実はこのアルバムも聞くまでは不安が大きかった。しかし,Daunerのアルバムがノイズ系だったのに比べると,本作はだいぶ感覚が違う。主題に書いた通り,元祖レア・グルーブみたいな音がする。よって,その筋の人には実に魅力的に響くこと必定みたいな感じか。

音楽としてはフリー的なアプローチもありながら,明確なグルーブを聞かせる部分があって,特にグルーブが効いた展開っていう音はECMにはあまりないのではないかと思わせる部分がある。まぁ,それでも約50年前の1970年という録音時期を考えると,かなり進取の気性に富んでいるって気もするし,これがなかなか面白い。そして特筆すべきはその音のよさではないか。ストリーミングで聞いても音がいいと感じるのは先日取り上げたTom van der Geldと同じだが,実に生々しい感じがするのである。今回のストリーミングに向けてリマスターでもしたのではないかとさえ思ってしまう。

演奏が盛り上がってきたところでフェードアウトしてしまったり,若干の瑕疵はあると思わせるが,それでもこれは本当に面白かった。特にWolfgang Daunerのクラヴィネットの響きが実にいい感じのグルーブを生むのに貢献しているところは認めなければならないだろう。"Output"は全く聞く気になれないが,こういうのなら全然OKである。星★★★★。

Recorded on October 30, 1970

Personnel: Robin Kenyatta(fl, as, perc), Wofgang Dauner(p, clavinet), Arild Andersen(b), Fred Braceful(ds)

2019年7月31日 (水)

ECMの未CD化アルバムのストリーミングの中では,特にこれが聞きたかったJohn Clarkのアルバム。

Faces_20190731074401 "Faces" John Clark(ECM)

続々と音源がアップされるECMの未CD化アルバムであるが,中にはLPで保有しているものもある中で,これは今まで聞いたことがなかったということで,特に聞きたいと思っていたのが本作である。

John Clarkは私にとってはGil Evans Orchestraでの活動が印象に残るプレイヤーであるが,楽器がフレンチ・ホルンというのが実にユニークである。まぁフレンチ・ホルンの音色はトロンボーンを柔らかくしたような感じと言えばいいだろうが,そのリーダー作ってのはなかなかないだろうなぁって気がする。それでもJohn Clarkにはそこそこリーダー作があるし,Julius Watkinsなんて奏者もいたなぁ。しかし,そもそもECMにJohn Clarkのアルバムが残っているというのも不思議と言えば不思議だが,Carla Bleyからのつながりって感じだろうか。

それはさておき,私がこのアルバムを聞きたいと思っていた理由はそのメンツにある。John Clarkを支えるのはDave Friedman,David Darling,そしてJon Christensenという面々である。当然これは通常から活動しているバンドとは考えにくく,当時のECMによくあったセッション系のアルバムと言ってよいだろう。そうした中で,フレンチ・ホルンにヴァイブ,チェロ,ドラムスを加えるという編成は実にユニークなもので,その辺に私は強い興味を覚えていた訳である。

そして,冒頭の"Abhá Kingdom"からして,実にこれがよい。厳かなプレリュード的な入りから,徐々に熱を帯びていく演奏が素晴らしい。この1曲でつかみはOKで,LPで言えばA面に相当する2曲はECM的な個性というか,アンビエントな感じもあって,おぉっ,これは...と思わせる。それがLPのB面に相当する”Silver Rain,Part III"がカリビアン的なノリを示し,様相が変わってくる。最後の"You Did It, You Did It"なんて,バロック的対位法のような感覚さえ覚えさせるものである。その2曲にはさまれるのがアンビエント,あるいはミニマルな感覚が強い曲だが,私の嗜好にフィットしたものなので,どうも私としては曲の流れに一貫性のなさを感じてしまい,前半に感じた高揚感が継続しなかったというのが正直なところである。

その辺りにこのアルバムがCD化されてこなかった理由があるかどうかはわからないが,この流れの分断のようなものはちょっと惜しいなぁって感じはする。それでもECM的セッション・アルバムとしてはそこそこ楽しめるものではないかと思うが,結局は1曲目の"Abhá Kingdom" がよ過ぎたって感じだ。星★★★☆。

Recorded in April, 1980

Personnel: John Clark(fr-h), David Friedman(vib, marimba), David Darling(cello), Jon Christensen(ds)

2019年7月29日 (月)

まだまだ続くECM未CD化アルバムのストリーミング聞き:今日はTom ven der Geld。

Patience "Patience" Tom ven der Geld & Children at Play (ECM)

ここのところ,ECMの未CD化アルバムのストリーミングを続けているが,なんでこれがCD化されなかったのか不思議なものもあれば,まぁこれは...って感じのアルバムもあるよなぁって感じさせたのがこのアルバムである。

タイトルもタイトルで,"Patience"とはよく言ったもので,一部のリスナーにとっては聞くのに「忍耐」を要すると言っても過言ではないかもしれない。決して聞きにくいって感じではないのだが,ジャズ的な要素はかなり希薄で,現代音楽的と言ってもよいし,アンビエント的と言ってもよい。しかし,その一方で,ストリーミングで聞いても,これって音がいいと感じさせるアルバムでもある。そう言う意味で,これもいかにもECM的ではある。

Tom ven der Geldなんて名前を聞くとどこの人かと思ってしまうが,ボストン生まれのアメリカ人である。70年代からは欧州に居を構えているようだが,現在はプレイヤーと言うより教育者としての側面が強いのかもしれないが,映画,演劇向けの音楽も書いているようである。

そんなTom ven der Geldが奏でる音楽は,かなり自由なリズム(ビートらしいビートって感じではない)に乗って展開されていくが,ヴァイブの響きは結構美しく,アブストラクトな曲調との対比がなかなか興味深い。だからと言って刺激的とは言えず,かなり淡々としているというのが適切なところか。まぁ,こういう音楽があってもいいよねとは思うが,積極的には聞かないタイプの音楽だなぁ。星★★★。

ちなみに,ここにも参加しているRoger JanottaとTom ven der GeldにBill Connorsを加えた編成で"Path"ってアルバムも出しているが,昔,LPを見たことはあるように思うが,そっちもCD化されていない。Bill Connorsは気になるが(笑)。

Recorded in May, 1977

Personnel: Tom van der Geld(vib, perc), Roger Janotta(sax, fl, oboe, b-cl), Kent Carter(b), Billy Elgart(ds)

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