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カテゴリー「ECM」の記事

2018年5月14日 (月)

Ralph Townerファンも納得のECMのセッション・アルバム"If You Look Far Enough"

"If You Look Far Enough" Arild Andersen / Ralph Towner / Nana Vasconcelos (ECM)

_20180513_2このアルバム,名義としてはArild Andersenのリーダー作ということになるが,私はこのアルバムを,Ralph Townerのところに格納している。それぐらい,Ralph Townerの活躍ぶりが目立つセッション・アルバムである。

最近はめっきり減ったが,昔のECMレーベルにはこういうレーベル所属のミュージシャンの組合せによるセッション・アルバム的なものが結構存在した。これもそうした一枚だが,他のミュージシャンのアルバムで,かなりの割合でRalph Townerが参加しているのは,ECMでは,私が認識する限りはこれとJan Garbarekの"Dis"ぐらいしかないのではないか。だからこそ,Ralph Townerファンの私にとっては極めて重要なアルバムと言ってよい。まぁ,途中はAndersenとNanaのデュエットが続くが,アルバム構成上そうなったと思えば,全然問題ない。

本作はプロデューサーとしてArild Andersenがクレジットされているが,Manfred Eicherはミキシングに関わっていて,これがまた,全編いい音で捉えられているって感じである。やはりRalph Townerの12弦ギターの響きはここでも超絶魅力的。

冒頭の"If You Look"と"Far Enough"は1988年にノルウェイの映画音楽として録音されていたもののようで,それを改めてここに入れたようであるが,この2曲はアンビエントな雰囲気が漂っていて,ちょっと感じが違うが,アルバムのバランスは崩していない。そもそもエピローグのようにさえ響く"Far Enough"に続いて最後に収められるのがPaul Simonのアルバム,"One Trick Pony"から"Jonah"というのは意外。それをAndersenがベース・ソロでダメ押しのエピローグ(笑),いや,むしろアンコールのように演じてアルバムは幕を閉じる。

改めて聞いてみると,もう少しRalph Townerの出番を増やしてもらった方が,Townerファンの私としては嬉しかったのだが,それはないものねだりってことで。いずれにしても,いいアルバムである。星★★★★。

Recorded in 1988,July 1991 & February 1992

Personnel: Arild Andersen(b), Ralph Towner(g), Nana Vasconcelos(perc), Audun Kleive(snare-ds)

2018年5月11日 (金)

Nik Bärtsch's Roninの新作が出た。

"Awase" Nik Bärtsch's Ronin (ECM)

_20180510私がミニマル・ファンクと呼んでいるNik Bärtsch's Roninの音楽は,常に心地よいグルーブを聞かせてくれて,私は相当彼らの音楽にはまっていると言ってもよい。なんでこの音楽がECMから?って気はするが,彼らのアルバムもMobile名義の1枚を含めると,早くも第6作であり,総帥Manfred Eicherにも気に入られているのは間違いないところだろう。とにかく,彼らの音楽に身を委ねる快感を一度覚えてしまうと,決して抜けられないのである。

今回もいつものようにNik Bärtschのオリジナルは"Modul"に番号を付けた記号的なものであるが,そこに1曲だけ入るリード奏者,Shaのオリジナルが明らかに個性が違っていて,Change of Paceを狙ったんだろうと思わせる部分がある。しかし,基本的にはいつもやっている音楽と変わりはないのだが,それでもいつもよりもファンク度は抑制され,静謐な瞬間や,メロディアスな展開を示す部分に,これまでにない感覚を覚える。

Nik Bärtschのピアノはいつものようにパルス的な打鍵が多いが,本作で特徴的だと思うのがベース・ラインである。それがメロディアスに感じさせる部分があるのは,ピアノと対照的な気もする。リズムもゆったりした感覚があり,いつものファンクとは感じが違う。逆に言えば,本作ではこのベースが効いているということになるだろう。それでも曲によっては,ちゃんと彼ららしいファンクに帰結していくのだが...。

いずれにしても,こうした音楽に反応してしまう私の嗜好にはばっちり合致しており,今回も聞いていて気持ちよくなってしまった私である。こういう音楽ならば,永久に続けられるのではないかなんて皮肉っぽく思ってしまうものの,やはり彼らの音楽が生み出すグルーブの心地よさには抗い難い魅力があると言えよう。今回も私は満足である。星★★★★☆。

Recorded in October 2017

Personnel: Nik Bärtsch(p), Sha(b-cl, as), Thormy Jordi(b), Kaspar Rast(ds)

2018年4月22日 (日)

これはたまらん。Kristijan RandaluのECMデビュー作。

"Absence" Kristijan Randalu(ECM)

_20180421初めて名前を聞く人である。Webサイトによれば,1978年にエストニアで生まれ,ドイツで育ったそうである。ドイツで師事したのがJohn Taylorってことであるが,1曲目からJohn Taylorも彷彿とさせるような美しいピアノを聞かせる。そして,ピアノ,ギター,ドラムスという変則的な編成でありながら,ECMらしい美学に満ちたアルバムである。もちろん,リーダーの弾くピアノが美しいのだが,美感を増幅させるようなBen Monderのギター,そしてMonderらしいアルペジオが効いていて何とも素晴らしいアルバムに仕立てている。これはまさにECM好きがはまること必定のような音楽と言ってよい。一聴して私が思い出したのが往年のRainer Brüninghausと言ったらおわかり頂けるだろうか。あくまでも何となくだが...(苦笑)。

ここでのピアノ・タッチから生み出される美感こそ,このアルバムの魅力であるが,控えめなドラムスも美的感覚を盛り立てるに十分である。アルペジオ的なフレージングが本当にいいよねぇと思わせ,Ben Monderは音響系のバッキングも織り交ぜながら,ここでの音楽の魅力を増幅させる。いやぁ,全然知らない人のアルバムだったが,Ben Monderの名前に惹かれて購入したのは正解であった。こういうのって好きなのである。星★★★★☆。生でこういう音を浴びてみたい。

Recorded in July 2017

Personnel: Kristijan Randalu(p),Ben Monder(g), Markku Ounaskari(ds)

2018年4月 3日 (火)

CODONA3部作からまずは1枚目。

"CODONA" Collin Walcott / Don Cherry / Nana Vasconceros (ECM)

Codona_2ある意味,これほどリリース当時のECMレーベル的な組み合わせもないだろうと思わせるのがCODONAである。メンバーの名前の2文字を組み合わせたバンドによるこのアルバムがリリースされたのは1979年だが,その頃はさすがに私もこっちの世界までは入り込んでいなかった(笑)。その後,1枚目は買っていたものの,2nd,3rdは買い損なっていたのだが,Trilogy Boxとしてリリースされたものを遅ればせながら購入したものである。だが,なかなか聞く時間が取れず,今頃になって改めての記事のアップである。

このメンツがやっている音楽をジャズとカテゴライズしていいかどうかについては,間違いなく議論があるところである。私ならどちらかと言えば,ワールド・ミュージックと呼びたい。ジャズ的なビートは全然出てこないし,楽器編成だって到底ジャズ的とは言えない。そもそも,それって何の楽器?みたいなのがクレジットされているし...。

曲目として"Colemanwonder"なんて曲があって,Ornetteの曲2曲とStevie Wonderの"Sir Duke"が組み合わされているのだが,確かに"Sir Duke"は最後の最後に出てきてるねぇ。4曲目"Mumakata"なんて明らかにアフリカ的だしねぇ。やっぱりこれって面白いんだけれども,普通の人が聞いたら「何ですか,これは?」となること必定であろう。このバンドは前述の"Colemanwonder"以外の曲を提供しているCollin Walcottが主導したと考えるのが妥当だろうが,それにしても面白い。彼らがもたらすこのメンツならではの「間」の具合が,疲れた都会人を癒すって感じもあるなぁ。

ということで,一体何が言いたいのかわからなくなってきたが,ECMらしさってのは十分に感じられるアルバムである。星★★★★。

Recorded in September 1978

Personnel: Collin Walcott(sitar, tabla, hammered dulcimer, kalimba, vo), Don Cherry(trumpet, wood flute, doussn' gouni, vo),Nana Vasconceros(percussion, cuica, berimbau, vo)

2018年3月23日 (金)

Norma Winstone:これぞ選曲の妙。素晴らしい映画音楽集。

"Descansado: Songs for Films" Norma Winstone (ECM)

_20180319_3Norma Winstoneによる映画音楽集である。ここはまず,その選曲のセンスが絶妙。よくぞこれだけばらけた映画の曲を集めながら,一貫性を保ったことが凄い。ここで選ばれている映画は次のような作品群である。

  • 「華麗なる賭け」(1968)
  • 「ロミオとジュリエット」(1968)
  • 「昨日・今日・明日」(1963)
  • 「女と男のいる舗道」(1962)
  • 「リスボン物語」(1994)
  • 「マレーナ」(2000)
  • 「イル・ポスティーノ」(1994)
  • 「アマルコルド」(1973)
  • 「プライドと偏見」(2005)
  • 「ヘンリー五世」(1944)
  • 「タクシー・ドライバー」(1976)

このように比較的よく知られたものもあれば,そうでもないものも交えつつ,制作された年代も,国も違う映画の音楽を揃えながら,終わってみれば,完全にNorma Winstoneの世界に染め上げているのは,まさに驚異的である。極めて限定的なバックのサウンドの上に静謐に展開されているが,オリジナルの映画音楽の持つ美しさとNorma Winstoneの表現を見事なまでに融合し,表現したアルバムに私は文句をつける余地がない。

映画音楽のインタープリテーションとして,これほど優れたアルバムに出会うことはほとんどありえないと断言してしまおう。とにかく,この選曲,見事というしかない。興奮とは無縁な世界ではあるが,じっくりこの音楽に耳を傾けるべき最高の作品である。映画好きも唸ること必定の傑作。喜んで星★★★★★としよう。それにしても,1曲目に「華麗なる賭け」を置き,「タクシー・ドライバー」をほぼエンディングに持ってきて,欧州映画を間に挟むとは...。凄いセンスとしか言いようがない。

Recorded in March 2017

Personnel: Norma Winstone(vo), Glauco Venier(p), Klaus Gesing(ss, b-cl), Helge Andreas Norbakken(perc), Mario Brunello(cello)

2018年3月12日 (月)

Keith Jarrett: 病からの復活を記録したライブ盤。

"After The Fall" Keith Jarrett / Gary Peacock / Jack DeJohnette (ECM)

_20180311Keith Jarrettが慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)によりシーンから姿を消していたのが96年~98年の約2年間のことであるが,病からの復活を遂げ,ライブの場への復帰を記録した音源が本作である。

本人がライナーに詳しく書いている通り,闘病中もこのトリオでのリハーサルは行っていたようだが,ライブを行うには体調も考慮し,Keithの自宅のそばがよかろうということで,選ばれたヴェニューがニューアークだったとのことである。更に,テクニックは必要でも,いつものKeithほど激しく演奏する必要のないビ・バップを選択したらしい。ここに収められているのはバップ・チューンばかりとは言えないが,有名なスタンダードやジャズ・オリジナルで占められているのはそういう理由である。その一方で,ここでの演奏はKeithも"Scary Experiment"だったと書いている。完全復活を遂げられるかへの不安があったことは疑いようもない。

しかし,ここでの演奏を聞けば,確かにいつもよりはちょっと軽い響きかなと思わせる部分がない訳ではない。ある意味,テンションが抑制されていて,聞き易いという感じもするが,いつもながらのこのトリオらしい非常に緊密かつ高レベルの演奏が収められていることがわかる。正規の録音を企図したものではなく,DATへの録音をマスタリングしたにしては,十分な音質で録られていることもあって,単なるドキュメントではなく,ちゃんとした音源になっていることがありがたい。そして,Keith本人も,ちゃんと演奏できるということを確信したライブになっているのは間違いない。

このトリオの演奏も,常に最高と言えるものばかりとは思っていないが,これは記録性という観点でも非常に貴重なものであり,復活以来,アクティブな演奏活動を継続するKeith Jarrettの凱旋を証明したものとして,そのリリースを大いに喜びたい。星★★★★☆。

Recorded Live at New Jersey Performing Arts Center on November 14, 1998

Personnel: Keith Jarrett(p), Gary Peacock(b), Jack DeJohnette(ds)

2018年2月26日 (月)

見事なまでのECM度:福盛進也の"For 2 Akis"

"For 2 Akis" Shinya Fukumori Trio (ECM)

 _20180225日本人ミュージシャンがECMでリーダー作を残すというのは非常にまれなことである。参加ミュージシャンはいるものの,純粋なリーダー作は菊地雅章,児玉桃ぐらいしかいないと思う。そんなところに,リーダーには全く申し訳ないが,今まで名前も聞いたことがない人がいきなりリーダー作というのには正直驚いた。

 そして,曲目を見ると,メンバーのオリジナルに加え,宮沢賢治の「星めぐりの歌」,小椋佳が書いて美空ひばりが歌った「愛燦燦」,滝廉太郎の「荒城の月」,更にはヒートウェイブ/ソウル・フラワー・ユニオンの「満月の夕」が含まれているところに思わずおののいた。しかし,演奏を聞いてみれば,多少の日本的なエキゾチズムは感じさせるものの,これは完全にECMの美学における表現となっている。例えば,「荒城の月」を聞くと,この曲にあまりに馴染みの深い日本人の感覚と,そうではない日本人以外の感覚は全く異なると思えるが,そこからリーダーのオリジナル"Into the Light"と"The Light"を組曲"The Light Suite"として仕立てることによって,うまくバランスが保たれ,違和感がないのがよい。それでも本来はロック・バンドの曲である「満月の夕」が非常に日本的なメロディ・ラインだと感じられるのが面白かった。

ここでピアノを弾いているWalter LangはほぼECMゆかりの曲ばかりを演奏した"The Sound of a Rainbow"なんてアルバムも残しているから,ECMに対するシンパシーは強かったと思えるが,それにしてもリーダーの福盛進也である。米国で音楽を学んで,現在はミュンヘン在住らしいが,年齢としては30歳をちょっと過ぎたぐらいのところと思うが,Webサイトにも書いてある通り,シンバル・ワークにその特性を見せていると思わせる。それがここで演じられる音楽にフィットしていることは間違いなく,ECMの音楽的な特性にマッチしたものになっているのは見事である。サックスのMatthieu Bordenaveも現在はミュンヘン在住ということで,福盛進也との共演も多いようで,リーダーとのコンビネーションは問題ないし,サックスの音色もこの音楽に合ったものだと思える。

いずれにしても,全編を通して,静謐な美学に貫かれているのはいかにもECM的であり,初リーダー作として十分成功していると評価したい。初リーダー作へのご祝儀も含めて星★★★★☆としよう。

Recorded in March 2017

Personnel: 福盛進也(ds),Matthieu Bordenave(ts), Walter Lang(p)

2018年2月 5日 (月)

これはいい!Bobo Stensonのトリオ作がECM的美学炸裂。

"Contra la Indecisión" Bobo Stenson Trio (ECM)

Bobo_stensonBobo Stensonがトリオでアルバムをリリースするのは6年ぶりのことだそうである。そんなになるのかと思いつつ,私は聞きに行けていないが,来日公演もしていたから,そういう風に感じるのかもしれない。

Bobo StensonはECMの黎明期からアルバムをリリースし続けているが,私は彼のアルバムでも,今回ほど最初の一音からまいったと思わされたことはあまりなかったかもしれない。これぞ完璧なECM的な美学。メンバーのオリジナルに加え,冒頭のタイトル・トラックがキューバのシンガー・ソングライター,Silvio Rodriguezから始まり,中盤にはバルトーク,サティ,更にはスペインのモンポウ(この人のピアノ曲はECM New SeriesでHerbert Henckが弾いた"Musica Callada"という素晴らしいアルバムがある)という現代音楽的な曲も入れて構成されたこのアルバムの美的な感覚は,まさにECM好きのハートを鷲掴みって感じなのである。あまりにツボに入り過ぎて,私は「おぉっ...」となってしまったと告白せざるをえまい。

この素晴らしき美感は(部屋を暗くして,膝を抱えながら,ネクラ的に)黙って楽しむというのが,私には最適と思える。この音楽に多言は無用であり,ただ身を委ねればよい。それによって,日頃の憂さを間違いなく忘れることができると思える,それほど美しい音楽である。若干現代音楽的な響きが強くなる瞬間もあるが,私のような現代音楽のピアノ音楽を好む人間にとっては何の問題もない。だが,全般的に見て(聞いて),これでダメなら,Bobo Stensonを聞くのはやめなはれってところだろう。喜んで星★★★★★としよう。

それにしても,これが今年購入したCDの2枚目というのは,自分でも結構凄いことだなぁと思う。今までが買い過ぎだったってことかもしれないが,それにしても人間変われば変わる,と言うか,購入意欲,保有意欲は確実に減退しているなぁ。むしろ,聞く時間も限られているので,購入を厳選しているってことにしておこう(笑)。1枚目が本田珠也で,2枚目がこれなら2枚買って2枚とも当たりなのだ。

今年は今後もこういう感じになるのかもしれない。新譜は控えめ,基本は温故知新でいいんだけど。

Recorded in May 2017

Personnel: Bobo Stenson(p), Anders Jormin(b), Jon Falt(ds)

2017年11月19日 (日)

ECMのストリーミングに関して思うこと。

巷でも話題になっているが,ついにECMがストリーミング・サービスを開始した。ECMからのプレス・リリースには"Although ECM’s preferred mediums remain the CD and LP, the first priority is that the music should be heard.”とあるが,ユーザにとっては,ストリーミングによって,より多くのECMの音楽に接することができるようになったことはありがたいことだと思う。

その全貌はチェックできていないが,移動中にでもECMのアルバムがより多く聞けるようになったのはいいことである。そして,私としては大した枚数は保有していないNew Seriesの音源も幅広く聞く機会が増えると思ってしまった。

いずれにしても,新譜を購入するか否かの判断をする上でも,この英断を喜びたい。

2017年9月24日 (日)

アンビエントにして静謐。ECMらしいと言えば,ECMらしいBjörn Meyerのソロ作。

"Provenance" Björn Meyer (ECM)

ProvenanceNik Bärtsch's Roninにも参加していたBjörn MeyerがECMからソロ作をリリースするということからして,普通のサウンドにはなる訳がない(笑)。なんてったって,多重録音を含むベース・ソロのアルバムである。普通,こういうアルバムは作れない。それを作ってしまうのがECMの凄いところである。

ベース・ソロのアルバムと言えば,大概のリスナーは身構えてしまうだろうが,このアルバムは比較的聞き易いサウンドになっていると思う。それは主題にも書いたが,アンビエントな感覚が強く,環境に同化できる音楽となっているからである。私にとっては,このアルバムは大音量でのプレイバックは不要というタイプの音楽であり,むしろ小音量で延々流し続けることが適当というように思える。こじゃれたバーでこういうのがプレイバックされていれば,即OKと思ってしまうだろう。それもNYCのイースト・ヴィレッジ辺りで(笑)。

そうしたタイプの音楽であるから,本作を評価をすることにどれぐらいの意義があるかというと疑問な部分もあるのだが,これは想定以上にいいと思えた。エンジニアは最近ECMでの仕事も多いStefano Amerioであるが,エレクトリック・ベースを録音させてもちゃんと仕事しているねぇってことと,この残響にははまる人ははまるだろうな。星★★★★。

Recorded in August 2016

Personnel: Björn Meyer (b)

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