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カテゴリー「ECM」の記事

2019年12月 4日 (水)

「ECM catalog 増補改訂版」:資料としては価値を認めるが,改訂ならちゃんと改訂すべきだ。

Ecm「ECM catalog 増補改訂版/50th Anniversary」稲岡邦彌 編著(東京キララ社)

ECMの40周年を記念して本作のオリジナルが発売されたのが2010年7月のことであった。それから約10年を経て,ECMも今年50周年を迎え増補改訂版が発売された。ページ数も940となり,更に分厚い書籍となった。それだけECMがレーベルとして歴史を重ね,更に数多くのアルバムをリリースしてきたことを思えば,実に感慨深いものがある。そして,アルバムをJAPOも含めてカヴァーしているということで,資料性には全く文句はない。

しかし,増補はいいとしても,改訂と言うならば,40周年記念版からの変化については,ちゃんと改めるべきではなかったか。例えば,私がたまたま目にしたところで言えば,ジョンアバとRalph Townerの"Five Years Later"は,Touchstoneシリーズとして後にCDとしてリリースされたにもかかわらず,前回同様「廃盤/未CD化」と表現されているのはどういうことか。せっかく改訂版を謳うならば,ちゃんと前回の記述も一度見直すべきだったというのが本来の「改訂」であろう。その辺りに私は画竜点睛を欠くと言いたくなってしまうのだ。ライター自身に依頼できないのであれば,編著者としての稲岡邦彌が責任を持って加筆なり,修正なり,コメントを加えるなりをするというのが筋だろう。

もちろん,ECMレーベルのファンはこの本を眺めながら,次に何を購入すべきかと考える楽しみを与えてくれるものであることは間違いないのだが,私はこれでは本質的な「改訂」と言えないという思いが強い。ついでにこの本にもう一つ文句を言っておくと,帯には「今世紀最後の完全カタログ」とあるが,なぜ「今世紀最後」と言えるのか?まだ21世紀は80年以上あるし,ECMの歴史はこれからも脈々と続いていくはずだが,もう改訂は絶対しないということであれば,それはそれでよかろう。だが,日本にせよ,ほかの国にせよ同様の書籍が発売される可能性が残っている中での,この「今世紀最後の完全カタログ」という過剰な表現には,強烈な違和感をおぼえると言っておこう。

この労作をまとめ上げた稲岡邦彌からすれば,私の言い分などイチャモンと思われても仕方がないところではあるが,こういうところを看過したのは,正直言って出版社の担当者の責任が大きい。そうした点で評価を下げて,初版より半星減らして星★★★。なんかやっぱり納得いかないんだよなぁ。

2019年11月21日 (木)

アブストラクト度の更に高まったKeith Jarrettの2016年ライブ。

_20191119 ”Munich 2016" Keith Jarrett(ECM)

これはなかなか厳しい音楽である。Keith Jarrettの昨今のソロは,昔に比べるとかなり抽象度が高まったと言うか,ほとんど現代音楽的な感覚さえ与えるものとなっている。しかし,昨年出た"La Fenice"は録音時期が本作より10年も前ということもあるだろうし,場所柄ということもあって,もう少し聞き易い演奏だったと思う。それに比べると,この2016年のミュンヘンで録音された音源は,これはKeith Jarrettとピアノの対峙の瞬間を捉えた音源に思える。特に前半部はとにかくテンションが高く,実に厳しいのである。

ミュンヘンの聴衆たちは万雷の拍手を送っているが,私が会場にいたらどう思っていたかなんて想像をしてしまった。おそらくはこのテンションと音の厳しさによって,どっと疲れが出ていたのではないかと思えてならないのである。ここで奏でられる音楽は芸術として評価しなければならないのは承知していても,冒頭の2曲などはもはや孤高の世界に入り込み過ぎではないのかとさえ言いたくなる。

こうしたパターンは最近のKeith Jarrettのライブには共通しているが,やっぱりPart IIIあたりで美的な感覚を打ち出してきて,聴衆をほっとさせるのはある意味演出と言っても過言ではない。こうしたところに若干の反発を覚えるのは,私が天邪鬼なせいだが,やはり一定のパターンというものが出来上がってしまっているように思える。Part IVがフォーク・ロック的な感覚を打ち出すのもこれもお約束みたいなものだ。まぁ,Keithとしては,最初の2曲で集中力を高めておいて,徐々に聴衆に寄り添っていくって感じなのかもしれないが,こういう感じだが毎度続いてくると,もう出れば買うみたいなことは必要ないかなとさえ思ってしまうし,ストリーミングで十分って気もしてきてしまうのだ。

ディスク2に移行すると,多少聞き易さは増してくるのだが,不思議なことにこちらのディスクには聴衆の拍手が収められていない。なんでやねん?だが,聞き続けていると,結局多くのリスナーにとってはアンコール3曲が一番の聞きものになってしまうのではないかと皮肉な見方をしたくなる。今回やっているのは"Answer Me, My Love",そして"It's a Lonesome Old Town"という渋いチョイスに「虹の彼方に」であるが,これらは実に美しく,このためにライブを聞いているのだと言いたくなってしまっても仕方がないのである。完全即興から解放された感覚がこれらの演奏に表れると言ってもよいような,実にしみる演奏なのだ。

ということで,正直言って私はアンコール・ピースを集成したアルバムを出してもらった方がいいとさえ思ってしまう。もちろん,全体のクォリティの高いことは否定するものではないが,やっぱりこう同じような感じの演奏パターンを聞かされると,さすがに微妙だと感じてしまった。星★★★★。全体としては前作"La Fenice"の方が私の好みだな。

Recorded Live at Philharmonic Hall, Munich on July 16, 2016

Personnel: Keith Jarrett(p)

2019年11月 4日 (月)

Alexei Lubimovの”Der Bote”:この曲の組合せはECM以外にできないだろう。

_20191104 "Der Bote" Alexei Lubimov(ECM New Series)

このアルバム,タイトルは"Der Bote"(英語にすると"The Messenger"らしい)であるが,これは最後に収められたシルベストロフの曲のタイトルから取られたものだろう。しかし,バック・インレイには"Elegies for Piano"とあり,そっちの方がずっとわかりやすいのではないかと思えるアルバムとなっている。

このアルバムが特異だと思えるのは,様々な時代の音楽,それこそバロックから現代音楽までの曲を並べておきながら,そこに全くの違和感をもたらさないことである。普通の人間であればC.P.E.バッハとジョン・ケージの音楽が続けて演奏されることなど夢想だにしないが,自然に耳に入ってきてしまうって実は凄いことではないのか。

ここでピアノを弾いているAlexei Lubimovは,様々な現代音楽の初演をしていることからしても,現代音楽には造詣が深いはずだが,ソ連時代に活動の制約を受けて,古典も演奏していたことを踏まえると,ここでの曲の並びは彼にとっては全然不思議はないのかもしれない。しかし,このようにいろいろな時代に作られた曲が演奏されながら,響きは極めて一貫性があって,私は一発でまいってしまった。響きにはもの悲しさをたたえているが,実に美しい音楽。Manfred Eicherの美学ってのをこういうところにも強く感じてしまった。星★★★★★。たまらん。

Recorded in December, 2000

Personnel: Alexei Lubimov(p)

2019年11月 2日 (土)

これでHenckのECMのアルバムが揃った。

_20191102-3 ”Jean Barraqué: Sonata pour Piano" Herbert Heck (ECM New Series)

私は現代音楽に関してはピアノ音楽が好きで,いかにもな響きを楽しんでいると言ってもよい。そうした中で,Herbert HenckがECMに吹き込んだアルバム群はほぼ揃っていたのだが,残っていたのが本作。ネット上では結構な値段がついていたりするし,ECMのサイトでもOut of Stock状態だったのだが,今回,ネットで中古をゲットできた。

現代音楽のピアノにもミニマルからアブストラクトまでいろいろある訳だが,私にとって,これはいかにも現代音楽的な響きの強い音楽だったと言ってもよい。これはおそらく12音技法によるものだと感じるが,こういう音楽を聞いていて,何がよいのかさっぱりわからんという人も多かろう。しかし,私の場合,こういう冷たい感覚の音楽に身を委ねることによって得られる快感っていうのもあると思っている。

HenckのECMのアルバムではJohn Cageのアルバムをまだちゃんと聞けていないが,これまで聞いたHenckのアルバムにおいては,最も前衛的な響きが強く,おぉっとなってしまった私である。まぁ,しょっちゅう聞く音楽ではないと思うが,やっぱりこういうのが好きだと言ってしまう私は変わり者ってことで。星★★★★。

Recorded in July 1996

Personnel: Herbert Henck(p)

2019年10月19日 (土)

確かにECMらしくないが,Tom Harrellを迎えて実に味わい深いEthan Iversonのアルバム。

_20191019 "Common Practice" Ethan Iverson Quartet with Tom Harrell(ECM)

ほかの方もおっしゃっているように,実にECMらしくないセッティングであり,演奏のように思える。Manfred EicherはExecuive Producerとクレジットされているので,おそらくはリーダー,Ethan Iversonの持ち込み音源であろうが,それをリリースするところに,EicherのEthan Iversonに対する評価が出ているように思える,その一方で,ここでのTom Harrellの吹奏を聞けば,リリースしたくなるのもわかるってところか。

ECMらしくない要素は,2曲のIversonオリジナルを除いて,よく知られたスタンダードを演奏していること。そして,それを非常にコンベンショナルなスタイルで演奏しているということだろう。本作がレコーディングされたのは名門Village Vanguardだが,まさにVanguardにぴったりの音と言ってもよいかもしれない。そして,ライブとは言え,11曲で65分という1曲当たりの演奏時間は結構コンパクトなのも珍しいが,延々と演奏するのではなく,リーダーのIversonとしてはTom Harrellのソロは短くても絶妙な歌心を聞かせることを狙ったように思える。バック・インレイのミュージシャンの並びもTom Harrellがトップに来ているのはそうした心根の表れではないだろうか。

Ethan Iversonはそれまでもアルバムはリリースしてはいても,やはりThe Bad Plusのメンバーとしてシーンに登場してきたと言ってもいいだろうが,ここでやっているのはよりジャズの伝統に即した音楽となっている。どっちがEthan Iversonの本質かは知る由もないが,このアルバムが実に味わい深いのは,Tom Harrellの貢献によるところが大きいと言い切ってしまおう。この人たちに"Sentimental Journey"のような曲がフィットしているとは言えないが,それでもこのアルバムは沁みる。ライナーにはVanguardのオーナーであったLorraine Gordonへの謝辞が記されているが,それもむべなるかなというところ。星★★★★☆。

Recorded Live at the Village Vangard in January 2017

Personnel: Ethan Iverson(p), Tom Harrell(tp),Ben Street(b), Eric McPherson(ds)

2019年9月 9日 (月)

残暑の中で聞くMarilyn Crispell。室温が下がったような気にさせる。

_20190908 ”Storyteller" Marilyn Crispell(ECM)

9月に入っても,まだまだ暑い日々が続く中で,久しぶりに取り出したのがこのアルバム。およそ60分に渡って静謐な音楽が展開され,ある意味現代音楽的な響きさえ感じさせる部分もある音楽である。だからと言って,冷たい感じというよりも,比較的ウォームな感覚を与える部分もあるにはあるが,このジャケットのイメージが音と重なるってところか。

Marilyn Crispellという人は,結構な数のアルバムをECMに残しているが,私が彼女のアルバムをこのブログに取り上げたことはない。私にとってはちょっと敷居の高さを感じさせる人なのだ(笑)。そもそもECMだけでなく,LeoだとかPi Recordingsだとか,彼女がアルバムをリリースしているレーベルはハイブラウなレーベルであるから,そういう風に感じるのもまぁ仕方がない部分はあるのだ(開き直り)。しかし,久々にこのアルバムを聞いてみて,まぁ一般的なリスナーには決してハードルは低くないとして,これなら全然問題ないと思わせるに十分な作品であった。

正直言ってしまえば,これをしょっちゅう聞きたいという気持ちにはならないとしても,この厳しい残暑の中で,部屋をやや涼し気に感じさせるには十分だったというところ。星★★★★。

そう言えば,彼女が参加したJoe LovanoのECMでのアルバムも全然聞けていないねぇ。何とかせねば(笑)。

Recorded in February,2003

Personnel: Marilyn Crispell(p), Mark Helias(b), Paul Motian(ds)

2019年8月19日 (月)

まだまだ続くECM未CD化盤聞き:今日はArild Andersen

Lifelines "LifelinesArild AndersenECM

CD化のECMのアルバムを相変わらず聞き続けている私だが、このアルバムを(多分)初めて聞いて、このいかにもECM的なアルバムがなぜCD化されていないのだろうと思ってしまった私である。メンツとしてもピアノのSteve Dobrogosz以外の3人はECMレーベルに欠かすことのできない人たちであり、にもかかわらずなぜ?って感じが強い。まぁ,Arild Andersenの場合,クァルテット音源を"Green in BlueEarly Quartets"としてボックス化するまで入手が困難だったことを考えれば,Manfred Eicherにとって,Arild Andersenの位置づけはそんなもんなのかもしれないが

しかし,奏でられている音楽はまさにECM的。典型的な4ビートではないにもかかわらず,Kenny Wheelerの鋭いラッパの音を聞いているだけで嬉しくなってしまった私である。このアルバムがリリースされたのは1981年のことだが,既にレーベル・カラーを明確に確立していることがはっきり感じられるアルバムであり,ECMレーベル好きのツボにはまること必定と言いたい。ということで評価もついつい甘くなり星★★★★☆。

Recorded in July 1980

Personnel: Arild Andersen(b),Kenny Wheeler(fl-h,cor),Steve Dobrogosz(p),Paul Motian(ds)

2019年8月14日 (水)

更に続くECM未CD化アルバム聞き:今日はJack DeJohnette’s Directions。

Untitled"Untitled" Jack DeJohnette's Directions(ECM)

ECM/JAPOレーベルの未CD化アルバムのストリーミングに関しては,予定されていた40枚が出揃ったが,まだまだ聞けていないアルバムがある。今日はJack DeJohnetteである。先日,Jack DeJohnette's Directions名義の"New Rags"も取り上げたが,その時にはややとっ散らかった印象とこのブログに書いたが,今回はどうか。本作はその"New Rags"に先立ってリリースされたもので,メンツはほぼ同じながら,Warren Bernhardtのキーボードが加わっているのが違いである。

結論から言ってしまえば,Warren Bernhardtという,Jack DeJohnetteとは合いそうにないようなプレイヤーのキーボード・プレイがいい感じのクッションになっているように感じられた。相変わらず本作においても多様な音楽が試されており,2曲目なんて,無理やりインド・フレイヴァーでやってしまいましたってところもあり,この辺りにはう~むとなってしまった私である。4曲目の"The Vikings Are Coming"というタイトルとは全く印象が異なる牧歌的な曲調もある。そして,最後の"Maribu Reggae"のイントロに至ってはムード・ミュージックかっ?と言いたくなるようなもので,リスナーとしては戸惑うのは"New Rags"と同じ感じである。

まぁ私としてはWarren Bernhardtの生み出すグルーブの分,"New Rags"よりはこっちの方が好きかなぁって気もするが,それでもこちらも相当にとっ散らかった印象はほとんど同じであり,この頃のECMレーベルの作品のプロデュースの質にはまだ問題があったという感じなのだ。Manfred Eicherもまだ若かったってところか。そうは言いながら冒頭の"Flying Sprits"とかは実にカッコいいんだが...。だからこそ何だかもったいないって気がする一枚。星★★★☆。

Recorded in February, 1976

Personnel: Jack DeJohnette(ds, ts), John Abercrombie(g), Alex Foster(ts, ss), Warren Bernhardt(p, el-p, key, perc), Mike Richmond(b)

2019年8月 7日 (水)

ECMの未CD化音源から”Path”:私はこういうのが好きなのだ。

Path "Path" Tom van der Geld / Bill Connors / Roger Janotta (ECM)

未CD化音源のストリーミングの第3回目に公開されたアルバム群の中で,私が気になっていたのが本作である。先日,Tom van der Geldの"Patience"を取り上げた時に,このアルバムについても言及したが,そうしたら今回の公開である。そこにも書いたがBill Connorsが気になってのことである。そして,このアルバムが気になるのはこの楽器編成である。ヴァイブ,ギターにフルート,ソプラノ・サックス,そしてオーボエの持ち換えのトリオなのだ。この編成を見ただけで,おぉっ,ECM的なんて思ってしまうのはきっと私だけではあるまい。

そして,この何とも言えないアンビエントな響きは,まさにECM的と言いたくなるようなものではないか。今回,このアルバムを聞いていて,私がECMに求めるものの中にはこうした響きが含まれると強く感じてしまったのである。リードのRoger Janottaを除いてしまえば,ヴァイブとギターということになるが,それならGary BurtonとRalph Townerの"Matchbook"と同じであり,そういう響きが好きなのは,前々からわかっていた話ではある。しかし,改めて本作を聞いてみて,この心地よさに私は実に嬉しくなっていたのであった。同じTom van der Geldでも"Patience"にはやや辛めの評価しかできなかった私も,これなら全然問題ないし,むしろこれは何回も聞きたくなるような音源だと思ってしまった。いや~,実にECMである。星★★★★☆。

余談ではあるが,このアルバム,なかなかお目にかかることもないが,私は一度だけ今はなき町田のオスカーで本作を見かけたことがある。私の記憶が確かなら,国内盤の帯付きだったと思う。こんな作品まで国内盤が出ていたって,それも凄いことだなぁと今更のように思ってしまう私である。

Recorded in February, 1979

Personnle: Tom van der Geld(vib), Bill Connors(g), Roger Janotta(fl, ss, oboe)

2019年8月 5日 (月)

更に公開されたECMの未CD化アルバムを聞く:今日はEnrico Rava。

Enrico-rava-ah"Ah" Enrico Rava Quartet (ECM)

続々とストリーミングが開始されているECMの未CD化アルバムであるが,今日はEnrico Rava。このアルバムが異色なのはこのジャケットだと思うが,全くECMらしからぬデザインではないか。このアルバムがリリースされた頃にもECMっぽくないなぁと思っていた記憶がある。アップした画像ではわかりにくいのだが,もともとRavaの横顔のバックはきらっきらの銀色だったはずである。それもびっくりするような「光り輝く」銀色だったのである。

Enrico Ravaにはもう1枚,未CD化の"Opening Night"というアルバムがあるが,そっちについては結構このブログで酷評している(記事はこちら)。一方,本作に収められた音は,もはやフリーと言いたくなるようなものもあり,かなり熱い。特に2曲目"Outsider"なんてのは,かなりの激しさで迫ってくる。そういう意味では”Opening Night"よりもずっとよく聞こえる部分もある。だが,このアルバムにおいても,曲によってタイプが異なることにより,一貫性のなさを感じさせるところがあるのは惜しい。

これは私とEnrico Ravaの相性によるものなのかどうかは,昨今彼のアルバムをあまり聞いていないので何とも言えない部分もあるのだが,正直言ってこういうサウンドならECMじゃなくてもいいのではないかと思えるような,モードとフリーの中間のような感じなのである。そうした意味では,ECM好きのリスナーにこういう音楽が受けるのかどうなのかは若干微妙ってところだろう。

まぁ私にとってはこの頃のEnrico Ravaの音楽は響いてこないのかなって感じたのも事実だが,曲が私に合わないところもあるかもしれない。3曲目,4曲目あたりの中だるみ感もあり,ダメってことでもないのだが,積極的にはほめにくい。そういう微妙なアルバム。星★★★。

Recorded in December 1979

Personnel: Enrico Rava(tp),Franco D'Andrea(p), Giovanni Tomasso(b), Bruce Ditmas(ds)

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