2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

2017年おすすめ作

無料ブログはココログ

カテゴリー「ブラジル」の記事

2019年6月16日 (日)

Gilberto Gil全面参加のRoberta Sáの新作。

_20190615 "Giro" Roberta Sá(Deck)

Roberta Sáのアルバム,"Delirio"がリリースされたのが2015年10月ぐらいで,このブログに記事をアップしたのが翌年2月のことであった(記事はこちら)。その時にもこの手の音楽についつい惹かれてしまう私は大いにほめたわけだが,それから4年弱の時を経ての新作である。今回のキモはアルバムにGilberto Gilが全面的に参加していることだと思うが,曲作りにも全面的にかかわっているのだから,相当の入れ込み具合である。ついでに4曲目にはJorge Ben Jorも参加して場を盛り立てているが,本質的には相変わらずのRoberta Sáの清楚な声を聞いていればいいって気もする。

本作も実にいいアルバムだと思うのだが,私としてはよりシンプルな音,例えば8曲目"A Vida de Um Casal"のような感じで全編攻めてもらうと更にこのアルバムに評価が高まったのではないかと思える。結局は音に対する好みだと思うのだが,私がブラジル音楽にはメロディ・ラインとシンプリシティを求めてしまう傾向が強いのかもしれないと思ってしまう。そういうことで,3曲目"Cantando as Horas"のような曲にはバックのアレンジが過剰に感じられて,違和感を覚えるのも事実なのだ。

しかし,全編を繰り返し聞いていると,段々味わい深さも増してくる部分もあって,いいアルバムだとは思えてくる。そういう意味でも3曲目の浮いた感じが何とも惜しい。そこを減点して星★★★★としておこう。

Personnel: Roberta Sá(vo), Jorge Ben Jor(vo), Gilberto Gil(g), Ben Gil(g), Alberto Continentino(b), Domenico Lancellotti(ds, perc), Pedro Miranda(perc, vo), Yuri Queiroga(g), Danilo Andrade(key), Laurenco Vasconcellos(vib), Pedro Mibielli(arr, vln), Glauco Fernandez(vln), Nicolas Kurassik(vln), Daniel Albuquerque(vla), Iura Ranevsky(cello), Mestrinho(accor), Jorge Continetino(arr, fl), Marion Sette(arr, tb), Diogo Gomes(arr, tp, flh), Raul Mascarenhas(ts, fl), Ze Carlos "Bigorna"(as, fl), Milton Guedes(fl), Joana Queiroz(cl), Milton Guedes(bugpipe), Banda Giro(arr), Felipe Abreu(arr), Alfredo Del-Penho(vo), Joao Cavalcanti(vo)

2019年5月 8日 (水)

マントラのブラジル音楽集。若干のオーバー・プロデュース感もありながら,なかなか楽しい。

_20190502 "Brazil" Manhattan Transfer(Atlantic)

私がリアルタイムでマントラの音楽を聞いていたのは"Vocalese"までだと思うので,本作は後追いで聞いたもの。現代ブラジル音楽の大御所たちの曲をマントラが歌うのだから悪いはずはないので,リアルタイムで聞いていても不思議はないのだが,このアルバムが出た頃は会社に入って,結構忙しくしている頃だったのかもしれない。

レパートリーとしてはDjavanが5曲と圧倒的多数だが,そのほかにIvan Linsが2曲,Gilberto Gilが1曲,Milton Nacscimentoが1曲という構成で,押さえるべきところは押さえている。もともとの曲の魅力が十分なのだから,シンプルな伴奏でもよさそうだが,やや伴奏のやり過ぎ,主題に従えばオーバー・プロデュース感がやや感じられる曲があるのがやや惜しい。特に2曲目の"The Zoo Blues"はシンセ・サウンドが過剰装飾である感覚が強く,Jeff Lorberもさすがにこれはやり過ぎだろうと思わせる。まぁ,この頃のマントラはポップ的な人気もあった頃だから,まぁこういうプロデュースもありだとは思うが,それでもブラジル音楽らしさを必ずしも活かしていないように思える。それはLarry Williamsが担当した”Hear the Voices"のイントロとかにも感じられる訳で,その辺りが評価の分かれ目になるだろう。私はもう少し土着的な響きがあってもよかったのではないかと思っている。

まぁ,それでも"Capim"におけるStan Getzのソロなんて貫禄十分だし,相応に楽しめることは間違いない。それでもブラジル音楽も結構好きな人間からすれば,星は★★★☆ぐらいってところだろうな。

Personnel: The Manhattan Transfer(Cheryl Bentyne, Tim Hauser, Alan Paul, Janis Siegel: vo),Jeff Lorber(synth), Larry Williams(synth), Yaron Gershovsky(p), Wayne Johnson(g), Dan Huff(g), Toninho Horta(g), Oscar Castro Neves(g), Abraham Laboriel(b), Nathan East(b), Buddy Williams(ds), John Robinson(ds), Djalma Correa(perc), Paulinho da Costa(perc), Djavan(vo), David Sanborn(as), Stan Getz(ts), Uakti(Marco Antonio Guimaraes,Paulo Sergio dos Santos, Artur Andres Riberio, Decio de Souza Ramos: various instruments)

2019年2月25日 (月)

新譜をほとんど買っていない中で,久々の新盤はPaula Santoro。

"Tudo Sera Como Antes" Paula Santoro & Duo Taufic(自主制作?)

_20190224

昨今は新譜を購入することもめっきり減ってしまった私である。このブログでも「新譜」カテゴリーを設けているが,もはや2月も後半だと言うのに,当該カテゴリーには4種の音源しかアップしていない。これはストリーミングで聞いて購入の要否を判断するようになったということが大きいが,必ずしもストリーミングで聞けない音楽の場合,過去の経験則を信じるしかない。これは経験則に基づいて購入した1枚である。

Paula Santoroが"Mar Do Meu Mundo"をリリースしたのが2012年で,私がこのブログでそのアルバムを絶賛したのが2013年のことであった。非常に魅力的な声を持つPaula Santoroの歌には心底痺れた私である(記事はこちら)。そんなPaula Santoroが新しいアルバムで,ミナスは「街角クラブ」の曲を歌うとあってはもう間違いないと思ったのである。そうしたところにブログのお知り合いのkenさんもこのアルバムについて取り上げられており,これはやはり買いなのであった(笑)。

そして,聞いてみたところ,粒よりの曲をPaula Santoroに歌われてしまえば,文句は全く出ない。更に共演しているTaufic兄弟によるDuo Tauficの演奏が,もはや伴奏の域を出ており,これは完全な歌と楽器のコラボレーション作だと感じさせるのだ。即ち,主役はPaula Santoroのように思えつつ,これはトリオが完全に対等の立場で制作したものと思わせるに十分な作品である。この緊密な中にも溢れる心地よさには星★★★★★である。

著作権表示を見ると,Duo TauficのギターであるRoberto Tauficとなっているので,本作はもともと自主制作かもしれないが,それを値段はちょっと高いとしても,国内盤として発売されたことで入手が容易になったことを喜ぶべきだろう。やはりPaula Santoroの声は私にとっては最高に魅力的である。

Recorded on February 20 & 21, 2018

Personnel: Paula Santoro(vo), Eduardo Taufic(p), Roberto Taufic(g)

2019年1月24日 (木)

保有していることすらすっかり忘れていたDusko Goykovichのボサノバ・アルバム。

"Samba do Mar" Dusko Goykobich (Enja)

 _20190120昨今,新譜の購入もあまりしていないので,私としては家にいる時には,手持ちの音源を聞く機会の方が多いのだが,そんなこともあって,CDラックを改めて見ていて,おぉっ,こんなアルバムも保有していたなぁということで,久しぶりに手を取ったアルバムである。正直なところ,保有していたことさえ忘れていたというのが実態なのだが...(爆)。

Dusko Goykovichについては,かなり前にこのブログにもアルバムを取り上げたことがある(確認したら,ほぼ10年も前だ!記事はこちら)。そこにも「枯れた味わい」なんて書いているが,Dusko Goykovichはそもそもが哀愁味を帯びた音色を聞かせる人だから,彼がボサをやれば,だいたいどういう音が出てくるかは想像がつく。そして,想像通りの音がアルバムからは流れてくるってところだろう。Dusko Goykovichが"Chega de Saudade"や"How Insensitive"をやれば,こうなるだろうって感じなのだ。安定のDusko Goykovichサウンドってところだ。

このアルバムでDusko Goykovich以外で注目するとするのは,ギターのFerenc Snetbergerであろう。今やECMからもアルバムをリリースするようになったが,もともと本作同様Enjaでもアルバムをリリースしていたので,その縁もあっての共演ってところだろうが,楚々としたボサノバ・ギターを聞かせている。そして,織り交ぜるソロのフレーズが魅力的で,この人のメロディ・センスのよさを十分に感じさせる。一言で言えばバッキング含めて趣味がよいのだ。

なので,肩ひじ張らずに聞くには丁度良いって感じのアルバムで,なかなか楽しめるアルバムであった。こういうのをラック(それも一軍だ!)に入れていながら,すっかり忘れていた私もいかがなものかって感じだな。反省も込めて星★★★★としておこう。

それにしても,こういう作品を聞いていると,Enjaも昔のHorst Weberがプロデュースしていた作品と比べると,随分変わったなぁって感じるのは私だけではないだろう。とか言いながら,最近の作品はほとんど聞いていないが(爆)。

Recorded on August 25 & 26, 2003

Personnel: Dusko Goykobich(tp, fl-h), Ferec Snertberger(g), Martin Gjakonovski(b), Jarrod Cagwin(ds)

2018年12月29日 (土)

2018年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2018_albums_1

今年を回顧する記事の3回目はジャズ以外の音楽にしよう。昨今はよほどのことがないと,新譜を買う場合でも,ストリーミングで試聴して購入するのが常となっているので,以前に比べると,購入枚数は劇的に減っているし,以前なら中古で買ったであろうアルバムも,そんなに回数も聞かないことを考えると,そっちもストリーミングで済ませるようになってしまった。

そんなことなので,先日発売されたミュージック・マガジン誌において,今年のベスト・アルバムに選ばれているような作品もほとんど聞けていないような状態で,何が回顧やねん?と言われればその通りである。そんな中で,今年聞いてよかったなぁと思う作品は次のようなものであった。

<ロック/ポップス>Tracy Thorn:"Record"

<ソウル>Bettye Lavette:"Things Have Changed"

<ブルーズ>Buddy Guy:"Blues Is Live & Well"

<ブラジル>Maria Rita: "Amor E Musica"

そのほかにもNeil YoungやRy Cooder,Ray Lamontagneもよかったが,聞いた時の私への訴求度が高かったのは上記の4枚だろうか。その中でも最も驚かされたのがBuddy Guy。録音時に80歳を越えていたとは思えないエネルギーには心底ぶっ飛んだ。また,Bettye Lavetteはカヴァー・アルバムが非常に素晴らしいのは前からわかっていたのだが,今回のBob Dylan集も痺れる出来であった。しかし,印象の強さという点で,今年の私にとってのナンバー1アルバムはBuddy Guyである。しかし,買いそびれているアルバムもあってMe'Shell Ndegéocelloのカヴァー・アルバムもいいなぁと思いつつ,ついついタイミングを逃してしまった。これを機に買うことにするか,あるいはストリーミングで済ませるか悩ましい。

そして,今年は新譜ばかりではないが,現代音楽のピアノをよく聞いた年であった。特にECMから出たものが中心であったが,心を落ち着かせる効果のある,ある意味私にとってのヒーリング・ミュージックのような役割を果たしていたと言っていこう。

Joni_mitchell_isle_of_wight最後に映像に関して言えば,何はなくともJoni Mitchellのワイト島ライブ。いろいろと議論を呼んだこの時の演奏であるが,凛としたJoniの姿を見られただけで感動してしまった私である。Joni Mitchellと言えば,今年生誕75周年のトリビュート・コンサートが開催されたが,若々しいJoniの姿,声にはやはりファンでよかったと思ってしまう。Joniと言えば,Norman Seeffとのフォト・セッションの写真集を発注済みなのだが,まだ到着していない。そちらは今年中に来るか,越年するかわからないが,そちらも楽しみに待つことにしよう。

2018年7月10日 (火)

奥方Fleurineの新作にBrad Mehldauが4曲で客演。

"Brazilian Dream" Fleurine (Sunnyside)

_20180708Brad Mehldauは奥方Fleurineのアルバムにも結構ゲスト参加しているが,今回の新作も同様である。アルバム・リリース後のライブにもゲストで出ているから,随分奥さん思いだといつも感心してしまう。私が彼女のアルバムをこのブログで取り上げたのはもう10年以上前の"San Francisco"になる(記事はこちら)が,彼女のアルバムはそれ以来ってことになるのかもしれない。"San Francisco"でも感じられたブラジリアン・フレイヴァーが今回は更に強まって,タイトル通り完全にブラジル的なアルバムになっている。

今回,Brad Mehldauはrhodesとピアノで4曲に客演しているが,あくまでもバッキング中心の,楚々としたプレイぶりである。このアルバムにはクリポタことChris Potterも3曲で客演しているが,4曲目"Ausencia de Paixao(Passion)"において、テナー・ソロで場をかっさらうのとはちょっと違う(笑)。もちろん,Mehldauも6曲目"My King"や"Sparkling Gemstone"等でソロは聞かせるが,出しゃばった感じはない。だからと言って,決してクリポタが出しゃばっているという訳ではないので念のため。あくまでもおぉっ,クリポタ!と思わせるだけである(笑)。

今回はバックのミュージシャンも"Boys from Brazil"としてブラジル人で固めているが,彼らはFleurineのWebサイトの情報によれば,NYCをベースにして活躍している人たちのようである。そういう人たちのサウンドをバックにしたFleurineは,オランダを出自とするにしては,いい感じのブラジル感を醸し出している。私はブラジル音楽もそこそこ好きだが,そんな私でも非常に心地よく聞くことができるアルバムになっている。彼女はギターでここに収められたオリジナルを作曲したらしいが,かなりブラジルにはまっているってことなのだろう。

もちろん,リアルなブラジル音楽を聞くなら,私はMaria Ritaのアルバムを選ぶだろうが,それでもBrad Mehldauやクリポタの客演もあり,これは相応に評価してもよいと感じている。聞いてもらえばわかるが,ちゃんとブラジル音楽になっているのである。そうした点も加味して,甘いの承知で星★★★★☆としてしまおう。尚,レコーディング日の記載はあるが,年が書かれていない。多分2017年だろうということで下記のような記述にしておく。

Recorded on May 30 & 31, 2017(?)

Personnel: Fleurine(vo, g), Ian Faquini(g), Eduardo Belo(b), Vitor Goncalves(p, accor, rhodes),Rogerio Boccato(perc), Chico Pinheiro(g), Brad Mehldau(p, rhodes), Chris Potter(ts, ss, a-fl) with Strings and Horns

2018年4月 6日 (金)

コレクターはつらいよ(20);Joni Mitchellトリビュート盤の1曲

"A Tribute to Joni Mitchell" Various Artists(Nonesuch)

_20180401_2久しぶりのこのシリーズだが,このディスク自体はリリースされたのはもう10年以上前のことである。私自身はてっきり記事にしていたと思ったのだが,このブログにはアップしていなかった。なぜだ...?(苦笑) 

このアルバムはタイトル通り,様々なミュージシャンがJoni Mitchellの音楽をインタープリテーションするという企画アルバムである。その中で1曲,Brad Mehldauのソロが入っているのだから,これは買わないわけにはいかないし,そもそもJoni Mitchellも偏愛する私としては,多分Brad Mehldauが参加していなくても買っていたのではないかと思われる。

Brad Mehldauが演じているのはアルバム"The Hissing of Summer Lawn"から"Don't Interrupt the Sorrow"というなかなか渋いチョイス。これがいかにもBrad Mehldauらしい演奏で嬉しくなってしまう。やっぱりわかってるねぇ,って感じである。

だが,このアルバム,Brad Mehldau以外にも聞きどころ多数である。アフリカ風味だった"Dreamland"をブラジル的に仕立て直したCaetano Veloso,無茶苦茶渋く"For the Roses"を歌うCassandra Wilson,Joni Mitchellへのシンパシーを強く感じさせるPrinceの"A Case of You",そして真打ち登場的にラストに収められたJames Taylorの"River"等,どれも捨てがたいし,どれも魅力的である。

ただねぇ,冒頭のSufjan Stevensの"Freeman in Paris"はいじり過ぎでこれはちょっとなぁと思うファンも多いだろう。これは個性の表出としては認められても,歌詞だけ使って,原曲の曲の持つよさを全然活かしていないのは納得いかないねぇ。ということで,全体としては星★★★★ぐらいだろう。

Personnel: Sufjan Stevens, Bjork, Caetano Veloso, Brad Mehldau, Cassandra Wilson, Prince, Sarah McLachlan, Annie Lenox, Emmylou Harris, Elvis Costello, k.d.Lang, James Taylor

2018年2月25日 (日)

Maria Rita,最高である。

"Amor e Musica" Maria Rita(Universal)

Amor_e_musicaブラジル音楽に決して造詣が深い訳ではない私でも必ず新譜を買ってしまう人がいる。Maria Ritaはそんなミュージシャンの代表である。私は後追いもいいところだが,今や彼女のリーダー・アルバムは全部保有しているぐらいなのだ。

今回のアルバム・タイトルは「愛と音楽」と来たが,これがまじで最高である。ブラジル音楽の普遍的なよさというのを強く感じさせてもらった。正直言って,これほど気持ちよいと思わせてくれれば,何の文句もない。

まぁ,ジャケに写るMaria Ritaの表情は,これまでとちょっと印象が違うかなぁって気もするが,それはそれ,これはこれである(笑)。この曲のよさを聞けば,無条件に推薦したくなる傑作。星★★★★★。

参加ミュージシャン多数なので,Personnelは省略するが,これってまじでいいですわぁ。

2017年12月29日 (金)

2017年の回顧:音楽編(その1)-ジャズ以外

今年も大詰めが近づき,いよいよ今年の回顧も音楽に突入である。まずはジャズ以外の音楽について取り上げよう。私が高く評価したアルバム(★★★★☆以上)については,2017年のおすすめ作としてブログの右側に掲示しているので,大体予想がついてしまうという話もあるが,まぁそれはさておきである。

Vkingur_lafsson私が今年ジャズ以外の音楽で聴いて,最も感銘を受けたのはVíkingur ÓlafssonのPhilip Glassのピアノ作品集であることは疑いのない事実である。この清冽な響きには正直ノックアウトされてしまった。私は今年は現代音楽のピアノを結構聞いたと思うが,ほとんどはECMレーベルの作品であり,それはピアノの響きと演奏が一体化していて心地よいということがあるのだが,このVíkingur ÓlafssonはDeutsche Gramophoneからの作品であり,ECMでないということが重要なのだ。これはまじで最も感動した作品の一枚であった。

Graceそしてそれと双璧なのがLizz Wrightの"Grace"である。本作はジャズのカテゴリーに入れてもいいと思ったが,本質的にこれはルーツ・ミュージック,あるいはソウルの世界である。よって,ここに取り上げることにするが,記事を書いた時の「Cassandra Wilsonを越えた」という表現に私には揺らぎはない。Lizz Wrightはこれまでも優れた作品をリリースしてきたが,これこそこれまでの彼女にとっての最高傑作と言ってもよい出来である。傑作という表現以外思いつかないぐらいの超絶作品。素晴らしい。

Moonchild心地よさという点ではMoonchildの"Voyager"が最高であった。メロウ・グルーブっていうのはこういうのを言うのだと思わせるに十分なアルバム。音楽に何を求めるかっていうのはいろいろあるところではあるが,心地よさ,身体が揺れるという感覚を感じさせてくれるに十分なアルバムであった。彼らのライブを見逃したのは痛かったが,こうした演奏に触れる機会を与えて頂いたブログのお知り合い,kenさんには大いに感謝したい。本当に気持ちいいアルバムである。

Southern_blood_2こうした作品に加えて,今年涙なくして聞けなかった作品というのが一枚ある。それがGregg Allmanの遺作,"Southern Blood"である。作品としての質がどうこうということではなく,私は本作に純粋に感動してしまったのである。加齢により涙もろくなっているということも影響しているが,本作は死期を悟ったミュージシャンのまさに"Swan Song"である。ある程度年齢を重ねたリスナーにとっては,これはツボに入ってしまうこと確実な音楽と言える。私は決してAllman Brothers Bandに思い入れのある人間ではないにもかかわらずの感動なのだ。これは本物だと思っている私である。

そのほかにもいろいろ面白いアルバムはあったが,いずれにしても,先日発表された「ミュージック・マガジン」のベスト10とは見事なほどに全く無縁のセレクションになってしまったなぁ。まぁ,自分の嗜好で音楽を聞いているので,違うのは当たり前だが。いずれにしても,来年も自分の好みに忠実に過ごしていければと思っている。プロじゃないからね(笑)。だが,上に挙げた4枚はどれを聞いてもはずれはないと言っておこう。

ここに挙げていないアルバムにもいいものはあった。Joe Henry,Tangerine Dream,Rose Cousins等は無視するには惜しかったのだが,自分の中での感覚を重視したらこういうチョイスになったということである。おっと,忘れてはいけないが,今年入手して嬉しかったものはGeorge Harrisonの"All Things Must Pass"のアナログ再発盤とKraftwerkの3-D Box。我ながらオタクである(爆)。

2017年10月10日 (火)

久々に聞いたらヒーリング効果抜群だったIvan Lins曲集

"A Love Affair; The Music of Ivan Lins" Various Artists(Telarc)

_20171008このアルバムを聞くのはかなり久しぶりである。無性にブラジル音楽が聴きたくなって,ブラジル音楽が収まっているラックを漁っていて,久しぶりに聞いてみるかってことになった。

そもそもメロディアスなIvan Linsの曲をいろいろな人がやっているのだが,これがヒーリング効果抜群というか,相当和める(笑)。これほど音楽が気楽に聞けるのも久しぶりって感じである。まぁ,Chaka Khanみたいに,やっぱり自分色に染めてしまう人も入っているが,そっちが例外的であり,全体的にはゆったりした感覚でIvan Linsの曲のアダプテーションが楽しめるって感じである。

曲の出来はそれぞれ多少の良し悪しはあるとは思うが,こういうアルバムなので,目くじらを立てるほどではない。そうした中で,これはいいねぇと思ったのがLisa FischerとJames "D-Train" Williamsによる"You Moved Me to This"である。この二人の声が何ともこの曲にマッチしている。Dianne Reevesのバックで楚々としたピアノを聞かせるJoe Sampleもいいねぇ。

そして,Jason Milesのプロデュースのもと,集められたミュージシャンは下記の通り,相当に豪華で,Ivan Linsも歌だけでなく,キーボード,エレピで一部の曲に参加している。やっぱりいい曲を書く人だと思わせた。こういう企画アルバムは評価が難しいが,一本筋が通っているとまともな作品になるし,この心地よさにはついつい点も甘くなり星★★★★。

Personnel: Sting(vo), Vanessa Williams(vo), New York Voices: Peter Eldridge, Lauren Kinhan, Darmon Meader, Kim Nazarian(vo), Chaka Khan(vo), Lisa Fischer(vo), James "D-Train" Williams(vo), Brenda Russell(vo), Freddie Cole(vo), Dianne Reeves(vo), Ivan Lins(vo, key, el-p), Michael Brecler(ts), Bob Berg(ts), Dave Koz(as), Jay Beckenstein(as), Grover Washington, Jr.(ss), Jim Pugh(tb), Jason Miles(key, org,prog), Rob Mathis(key, prog), Oscar Hernandez(key,p), Joe Sample(p), Jan Folkson(prog), Dean Brown(g), Romero Lubambo(g, cavaquinho, vo), Chuck Loeb(g), Marcus Miller(b), Will Lee(b), Mark Egan(b), Vinnie Colaiuta(ds), Marc Quinones(perc), Cyro Baptista(perc), Pamela Driggs(vo)

より以前の記事一覧

Amazon検索

2018年おすすめ作